恋というのは曇天の空を、そっと温かな陽射しで包むような、春のように柔らかくて優しいものなのだろう。
未だに経験したことのないそれを屋上の寒空の下、お弁当を食べながら僕は想像する。
すると、ガシャンと建て付けの悪いドアから音がして、整った美しい顔の君が眩しい笑顔をこちらに向ける。
「来ちゃった」
太陽のような暖かい眼差しと、大きくて柔らかそうなブランケットを脇に抱え、こちらの隣に腰を下ろし、二人でブランケットを被る。
自然と肩が触れ合うと、なんだか優しくて暖かい気持ちになる。それが何だかむず痒くて、お互い顔を見合わせてはにかんだ。
どうやら君は僕に春を運んできてくれたみたいだ。
しばらく僕達は、暖かな優しさにそっと包まれたままだった。
#そっと包み込んで
5/23/2025, 1:20:02 PM