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夢を見た。先日亡くなった愛する我が家の猫が、息を吹き返す夢だ。あの日、段々と弱くなる呼吸の音を聞きながら、一生懸命に生きたあの子の最期を看取った。
それが、生き返った?死んだと思っていたが、ただの仮死状態だったというのか。愛猫との再会の喜びも束の間、苦しそうにもがき苦しむ姿が目に映る。
あの夜と同じだ。この苦痛から逃げたい、たすけて、どうすればいい?とまるで私に助けを乞うように、苦しそうに鳴き、もはやまともに動かない手足で必死にどこかに逃げようとしていた。一度、膝に乗りたがったので、抱き上げ膝に乗せてやった。だがまた苦しそうな声を出したので、体勢がきついのかと思い慌てて下ろしてしまった。今では後悔している。寂しがり屋で甘えん坊なあの子、最期は私の膝の上で眠りたかったかもしれない。
あの時の私は助けてやれなかった、今度こそはと心臓マッサージを試みる。しかしなかなか上手くできない。以前ネットで、猫の心臓マッサージについて画像を見た事があったが、あまり詳しくは調べなかった。猫の心臓マッサージを続けながら、スマホを片手に検索する。「待ってて、今心臓マッサージについて調べてるから……。」しかし私の声は、恐らくもうあの子の耳には届いていない。もがき苦しみながら、必死にどこかに逃げようとしている。
いつもスマホばかり、今もまたスマホを見てる……そう言ってあの子は怒るだろうか。もう瞳孔も開き切って目も殆ど見えていないように思えるが、猫は意外に鋭いので、私の手にスマホがあるのを感じ取り咎めるのではないかと、決してそれどころではないというのに、何故だか少し冷静な頭でそう考えていた。
夢の中の愛猫がどうなったのか、最後まで見届ける事なく目が覚めた。苦しそうなあの子を置いてきてしまったのは苦が残るが、たとえ夢であっても、あの子のもふもふな毛並みにまた触れられて幸せだと感じた。いつも私の夢は感覚がとてもリアルで、色も鮮明である。今回はそれに少し救われた気がした。

現実では相変わらずあの子は死んだままだった。それでもあの子が生きた世界は、これからも変わらず続いていく。
猫や可愛い生き物が出てくるコンテンツに対して、今は食指が動かない。何も考えず、現実逃避している。しかしいつかは死と向き合って、前に進んでいけるよう、今はまだもう少し、たくさんの想い出と共にこの場所で見守っていてほしいと思う。

私にとって初めての愛する猫へ。これからも心の中でずっと一緒に。あなたの愛する私より

12/28/2025, 5:42:32 AM