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リビングの一角を手形アート会場に変えてみた。

ダンナが娘を外へ連れ出してくれた時間を利用して、
折りたたみの机に白い大きな模造紙を敷き、
色とりどりのスタンプ台と、用意できるだけの画用紙を広げる。

「公園に行ってきたぁ」と元気よく娘が帰ってくるや否や、
一目散に机に向かって駆け出し、スタンプ台を取ろうとする。
なんとか制止に成功して、うがい手洗いをさせてから解放すると、そこからはもう大騒ぎだった。

スタンプ台で色を付けたその手をペタペタと押しまくり、
押した手形に顔を書き込んでいたかと思えば、
今度は黄色とオレンジの色を混ぜ始める。

どうやら、さっきの公園で見つけた枯葉をヒントにしているらしい。
押すたびに少しずつ、黄色やオレンジの出方が変わり、
納得いくまで、小さな手形を押しまくっていた。
だから今、リビングのあちこちに手形の葉っぱが愛おしく散らばっている。

「やっと寝てくれたよ」
その夜、興奮が冷めない娘をなんとか寝かしつけ、リビングに戻ってくると、
さっきまで手形アート会場だった机に向かうダンナの姿があった。

「相当気に入ったんだね、大成功じゃん」
振り向いたその手には、娘の手形アートがあった。

机の上には、絵の具やパレットが並んでいて、
娘の手形で描かれた綺麗な枯葉を囲むように、
淡くて優しい色合いの花がたくさん描き込まれていた。

「すごい、素敵だね」
「絵の具で絵を描くなんて、卒業して以来だよ」

どうやら、夢中になっている娘を見て、
制作意欲が刺激されたみたいだった。

「せっかくだから、何か書いてよ」
ダンナのようには上手く絵は描けないけど、
この絵に合うクレヨンを一色選び、
娘の名前と日付を丁寧に書き入れる。

この絵のタイトルは「枯葉が春を連れてくる」って感じかな。
ふたりでそんな話をしながら、朝が来るのがとても待ち遠しかった。

【枯葉】

2/20/2026, 9:29:11 AM