六月

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 23時現在、窓の外では雷が図太く地面を貫き渡る。肩まで布団を包ませた、この安全の欲求が満たされた場で、微睡む。目蓋はその重みに耐えられない一方で、耳の閉じる気配はない。

 耳が繊細な衝突音を捉え、雨の始まりを知る。私の耳は、この雨音を聞くためにある。そこにあったはずの外界の音は、全部一定のノイズに掻き消されてしまって、私の憂鬱なこころに感触ひとつ残せない。

 私は意識が曖昧になりながら願う。
 
 どうか、私の目醒める時にも絶えず簾を降ろし、外を真っ暗にしてくれ。光に歓喜し、手を取り綻ぶ顔を踏み躙ってくれ。

 どうせ壊れたこの脚では、誰かと走り回ることもできないのだから。

(願い事)

7/7/2025, 2:00:55 PM