行かないでと、願ったのに 波音希星作
白い息が揺れて 冬が降りてきた夜
あなたの背中 遠くなるたび
声が凍えて消えてく
手を伸ばしても もう届かない
行かないでと 願ったのに
風だけが返事をした
約束の言葉さえ 雪に埋もれて
心が痛いほど静かで
思い出の街角 ふたり歩いた道
今は私ひとりの足音
あなたの笑顔が まだ離れない
優しさが 刃になるの
行かないでと 願ったのに
涙だけが光っていた
さよならの意味さえも 言えなかったまま
時間が冷たく流れてく
最後に見た横顔が
今も夢の中で笑う
どうしてあの日 止められなかったの?
心が問いかけてる
行かないでと 願ったのに
夜明けがふたりを裂いた
「愛してる」その一言 遅すぎたのに
今でもあなたを呼んでいる
11/3/2025, 10:07:50 PM