"Love you"
私信の結びとかで、割とカジュアルに書いてくる人もいるよね。
以前、先生関連で知り合った人から手紙を貰った際、貴女に物凄く誤解されて手紙をビリビリに破かれた事がある。
その勘違いは相手方に失礼だと、何とか貴女に納得してもらうまでが滅茶苦茶大変だった。
読まれて困るようなものはないから、今後僕宛の手紙は全部勝手に開けて読んでいいよと言ったら、日本語じゃないのは一緒に読んで全部訳してと口を尖らせて言われた。
まぁいいけど。
一緒に過ごす時間が増える分には歓迎だし。
構わないと了承してその場は収まり、後ほど先方にも連絡をとって、"こういうことがあったので、文化の違いもあってご面倒でしょうが誤解される表現はなるべく避けて下さい"と伝えておいた。
しばらく経ってから、同じ相手から分厚い手紙が送られてきた。
冒頭部分には前回の手紙についての詫びの言葉が丁寧に綴られていて、こちらの問題なのにと大変申し訳なく思った、のだけれど……。
後半に行くにつれて、徐々に雲行きが怪しくなりだした。
疑われるのは言葉が足りないからだと、疑う余地も無いほどに愛情を伝えてやれと、お勧めだという口説き文句を山程書いて寄越してきたのだ。
流石は先生の知り合い。いい性格してるよ。
ちらっと隣に座る貴女の様子を窺って、またすぐ紙面に視線を落とす。
ストレートなものから、遠回しな比喩やら何やらを交えたもの、有名な文学作品や歌劇の中で出てくる台詞なんかもあった。
読めってか?
これを、全部、訳して読めって?
さすがに僕にも羞恥心ってものがある。
ある、けど……。
これはどういう意味?と確信犯の笑みを浮かべて訊ねてくる貴女。
にんまりと、読んでくれるって約束したよね、と迫ってくる貴女には勝てなかったよ……。
2/23/2026, 4:17:03 PM