とある恋人たちの日常。

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 一緒に暮らしている恋人に対して秘密でいられる場所を探した。
 家の中だと難しくて、一度見つかりそうになったけど何とか誤魔化した……と、思う。
 
 そうして私は彼へのクリスマスプレゼントを会社のロッカーに隠す。
 手のひらに収まるボックスには、私の左手の薬指に輝く指輪のお礼と一緒に、あなたの時間をくださいと願いも込めた。
 
 職場は違うからバレないけれど、からかいの洗礼は受けるけど構わない。
 
 彼に渡すプレゼントがバレなきゃいいんだもん。
 
 彼の手元に渡るのは、あと少し。
 あと、もう少し。
 
 
 
おわり
 
 
 
五八二、手のひらの贈り物
 
 
 

12/19/2025, 1:52:56 PM