ヤバい、ヤバいっ、
きっと、これは私のお気に入りになる。
遡ること、数ヶ月前。
あまりの忙しさに発狂しかけたとき、
ここを乗り越えたらご褒美を買う!
そう言って、自分と約束をした。
怒涛の忙しさを抜け、ようやく仕事に一段落ついたころ、
向かった先は、ご褒美と決めていたジュエリーリフォーム。
年齢を重ねると自然とシワが増えていき、だんだんと似合うものが変わってくる。
環境が変われば選ぶものも変わり、10代や20代のころに選んだアクセサリーは今は身に着けることがなくなった。
学生のときにアルバイト代で買った小さなピアス。
初出社のときに着けていたお守り代わりのピンキーリング。
一目惚れした誕生石の付いた一粒ネックレス……
お気に入りだった、と過去形にして終わらせるのは、何だか違う気がした。
そんなときに出会ったのが、ジュエリーリフォームだった。
歴代の私が集めてきたお気に入りたちをまとめて職人さんに託した。
このコたちで指輪を作ってください!
そして完成した指輪が今、右手の薬指に鎮座している。
右手をかざすと、地金に埋め込まれた小さな石がさりげなくキラリと輝く。
お気に入りのアベンジャーズや。
終始、ニヤけているのが自分でもわかる。
アベンジャーズって、
ダメだ、語彙力が崩壊している。
苦笑いを誤魔化したくて、思わず両手で顔を隠す。
次の瞬間、また右手をかざし、ニヤニヤしてしまう。
もっと仕事頑張らなくっちゃ。
そっと指輪を撫でながら帰路につく足取りは、とても軽やかだった。
【お気に入り】
2/18/2026, 6:02:05 AM