ミヤ

Open App

"揺れるキャンドル"

彼女がいなくなってあの小さな部屋を出てから、
一時的に施設でお世話になっていた。
クリスマスイブの日。
職員さんに連れられてミサが行われる講堂に入ると、キャンドルを渡された。
小さい子には火は危ないからと、キャンドルは職員さんと二人でひとつ。
職員さんに手を添えられながら、隣り合った人から火を移してもらい、更に隣の人へと火を繋いでいく。
ゆらゆら揺れる灯火は温かくて。
まるで小さな生き物を抱えているような感じがした。

12/24/2025, 7:46:28 AM