Heart

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「浮気」実話です。
今日は、私の誕生日だった。
 本当は、風邪をひいている彼に会うべきじゃなかったと思う。
 それでも――彼氏なんだから、年に一度くらいは祝ってほしかった。

「少しだけでいいから、会いたい。」

 結局、私たちはコンビニで待ち合わせをして、そのまま彼の車で公園へ向かった。

「公園、いいね」

 そう言った彼は、いつも通り優しい顔をしていた。

 誕生日なのに、私がレジャーシートも、お菓子も用意していた。
 彼に渡すと、予想通り嬉しそうに笑った。

「ありがとう。ほんと、〇〇ちゃん優しいな」

 その笑顔を見て、胸が少し温かくなる。

 彼は、私のためにお弁当を作ってきてくれていた。
 不器用な字で、私の名前と「大好き」と書かれている。

「これ、カツ丼?」

「うん。朝早く起きて作った」

「……美味しい」

 その一言で、彼はほっとしたように笑った。

 ——この時間が、ずっと続けばいいのに。

 しばらくして、彼はトイレに行った。
 その時、目の前に置かれた彼のスマホが、やけに目に入った。

 触るつもりなんてなかった。
 でも、不安が勝ってしまった。

 LINEを開いた瞬間、知らない女の通知が何件もあった。

「……嘘でしょ」

 誕生日の日に、こんな冗談やめてよ。

 震える指で画面をスクロールすると、
 そこには、恋人同士のようなやり取りが並んでいた。

 息が詰まり、吐き気がこみ上げる。

「……浮気、してたんだ」

 頭が真っ白になり、私は衝動的に相手の女性へ電話をかけた。

「もしもし。私、彼の恋人なんですけど」

 少しの沈黙のあと、相手は戸惑った声で答えた。

『……ごめんなさい。彼女がいるなんて、知りませんでした』

 悪いのは、彼だった。

 トイレから戻ってきた彼に、私はスマホを突き出した。

「これ、どういうこと?」

 彼は一瞬で黙り込んだ。

「……ごめん」

「それだけ? 誕生日の日に?」

「本当にごめん……少し、ひとりにさせて」

 その言葉に、抑えていた感情が爆発した。

「ありえないんだけど!」

 私の声が、公園に響く。
 周りの視線が刺さるのも構わなかった。

 しばらくして様子を見に行くと、彼は俯いて泣いていた。
 その姿は、情けなくて、でも目を逸らせないほど痛々しかった。

「……どうして、こんなことしたの?」

 私は、なぜか彼の話を聞こうとしていた。

「寂しかった」

 その一言で、心が一気に冷えた。

「……私、ここにいるよね?」

 返事はなかった。

 その後、場を変えようとカラオケに行った。
 でも、何も切り替わらなかった。

 彼が歌っている間、私はまたスマホを見てしまった。
 今度は、インスタのDM。

 そこには、数えきれないほどの女性とのやり取りがあった。

 ——もう、無理だ。

 その瞬間から、私の心は喪失感で溢れた。

 誕生日は、
 私が彼を信じられなくなった日として、心に刻まれた。
#浮気

2/20/2026, 4:58:37 AM