コーヒーをもう一杯

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 ある夏の落とし物を渡しに、barへ。
それは、銀色のコイン、かなり古い。
だから、ツルツルとまでは言わないが、そのコインを、京子に渡しに来た。
 そのbarのドアを開けると、小さくjazzの音楽が聞こえる。
 バーテンダーが、
「いらっしゃいませ」と言う。
バーテンダーも変わったのか、と思いながら、左側の奥に京子がいた。
 私は、カウンターの前にある椅子に座る。
「・・・コインは?」と京子は言う。
 私は、そのコインを、京子に渡した。
 京子は、その古いコインを、私の手から取る。
「恭介も何か飲んだら」
「そうだな、アラスカを」
バーテンダーは、「はい」と言うと、冷たくしたグラスに、シェイクしたアラスカを入れて、私の前に。
 その時、京子は右手の親指で、ピンと古いコインを浮かせ、取った。
 「恭介、ここまでだね」
と言い、椅子をおりて、
「じゃあね」と言いながら、ドアを開け出て行った。
 私は感覚的に、分かった。
たぶん、京子はあのコインを表か裏かを見て判断した・・・だけの事。
 私は、アラスカを一気に飲み、勘定を払い、暗くなった空を見て、少し笑った。

9/1/2025, 1:39:06 PM