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明日への光

その光はきっと、僅かであってもまばゆい光なのでしょうね。
明日を生きることを選択した者にとっては。

今のこの世で、幽霊となった私。
実体を伴って生きていた頃、いつも明日が来ることが怖くてたまりませんでした。どうかこのまま夜が明けないでと何度願ったことでしょうか。
あの頃の私は既に半分死んでいたようなものです。世界というのは怯えて立ち尽くすには十分でした。
そして今、私は幽霊となっても、あの頃と大して変わらずにいます。抱えていた苦しみを手放しもせず立ち尽くしたままです。

ここでひとつお話しておきたいのは、明日を選ばないことは、その光を否定することではない、ということです。どんなに弱く頼りないものであっても、明日への光が完全に消え去るものではないことは私にも分かります。ただ私はもう幽霊となりましたから、その光に手を伸ばすことはないでしょう。暗がりからじっと、その光を見つめているだけなのです。

12/16/2025, 9:57:04 AM