君を拾って弟子にしたのは、たまたまだった。偶然、君が悪党に襲われているのを見かけたから。私は最近は、ある出来事のせいで引きこもりになっており、それを克服し始めた時期だった。だから、人間関係は怖くて、できるだけ人と関わることを避けていた。
でも、非力な君は恐怖に染まった顔で、近くにいた私は対処する力を持っていたから。
「もう大丈夫だよ。」
相手が子どもだろうと、人間である限り、私の恐怖の対象だった。それでも、私が震えていたら彼はもっと怯えてしまう。大丈夫。私は自分に言い聞かせて、魔法で悪党を捕らえる。
「…すごい!かっこいい!」
「え…。」
驚いた。さっきまで青白い顔してたのに、きらきらした目で私を見てる。
彼は私みたいに強くなりたいと言い、そんな目で見られたら断れずに、弟子になった。もちろん不安しかなかった。彼が本当の私を知ってしまったら、絶望するのではないかと気が気でなかった。
「だいぶ暗くなってきたね。今日はここで野宿にしようか。」
私は冒険者であり旅人で、それは彼がいても変わらない。
「うん。」
彼は文句をひとつも言わずに、にこにこしている。野宿は初めてのはずなのに。
とりあえず夜は明かりがないと何も見えないので、魔法で光を出す。
「すごい、太陽みたいだね!」
彼は無邪気にそう言った。比較的低難度の魔法で、練習すればすぐにできるようになるものなのに、彼はそれをすごいと言う。そのことを知らないのだろうけれど、何の悪意のない言葉に、少し胸が温かく感じる。
「…そうだね。」
彼は私が同意したのが嬉しいのか、ますます笑顔になった。私にとっては、光魔法よりも君の方が太陽みたいだ。
2/23/2026, 12:31:49 AM