夕木

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【題:枯葉】

 豪雨の後、今にも虹が飛び出てきそうな晴れ空のもと、コンクリートの通りを歩く。

 出会う人々の多くは、短い袖の衣服を身に付け、また等しく汗を首筋に沿わせる。

 私も、そんな大衆の中の一つだ。

 まるで居酒屋のおしぼりを、身体中のすみからすみまでに貼り付けられているような、そんな不快感が、常に大きな声で主張し続けていた。

 こんなときだけ、やけに冷たくってからからに渇いた、色のない時期が恋しくなってくる。

 視界の果てまで続く、多様な緑を宿した街路樹。

 光を反射してキラキラと、元気だよって証明するように輝いている葉っぱ達。

 常に不快感に圧迫される心には、うざったくしか写らない。

 この心模様には、枯れきった葉の方がよっぽど似合うだろう。

 途端に、しわくちゃになって舞い落ちるそれや、くしゃりと声をだしながら大衆に踏まれるそれが、キラキラで夢のようなものに感じられる。

 どちらかと言えば寒がりだというのに、夏の私は早く寒くなりますようにと願うのだ。

 ああ、秋冬では枯葉を『切なくて儚いもの』だとしか捉えられないのに――どうしていつもいつも夏には、葉たちの3ヶ月後の姿を心待ちにしてしまうのだろう?

 季節が巡るたび、私は同じ問いを抱え、この道を歩く。

2/19/2026, 11:10:23 AM