凍雨

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「私と君は同じ星を見ている」
僕はそれに頷いたあと一休みする。
「美しさとか、価値とか、そういったものを理解する。それを使って人生の豊かさとやらを一心に受けるため」
君はとても勉強熱心だ。などのそこら辺の言葉を伝えて彼女はすぐに照れくさそうに喜んで決まってこう言う。
「恋は盲目という奴だよ」
そして毎回、用法が若干引っかかる事も伝えておく。
僕も貴方も単純な人間だった。

貴方はいつしか変わっていた。考え方も、勉強熱心な姿も。口数も減ってしまった。彼女はよく
「とんだ暗い星を見ていたようだ」
と言うようになった。
それを言う度貴方は曇り空をぼんやり眺めていた。
それでも僕はやっぱり変われなかった。
僕の目は晴天が広がっていた。

貴方はおそらく死んだ。死んでしまった。
死因は知らされなかった。馬鹿な自分でもなぜ死因が告げられなかったのかが理解できる。頭をいくら叩けどやはり理解できてしまう。

貴方は天才だった。文武両道は勿論、交友関係も素晴らしく、誰もが羨む星だった。
そんな貴方に足りないものは...
「あぁ、貴方は演技が下手だったな...」
そうだ、そうだな...
貴方はずっと笑みを崩さなかった。


(星になる)

12/14/2025, 2:41:39 PM