未知亜

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やりたいこと叶えたいことを100個書けという宿題を、私は8割しか果たせなかった。
 ノートをめくっていた指先が、ページの端にかかる。
「えっ?」
 あなたはためらうことなく、ビリビリとページを破り取った。破った先から紙片が更に細かく引き裂かれる。
「あっ、あっ、あっ」
 手を宙に差し伸べ間抜けな声を上げるだけで何もできない私に、
「アシカじゃないんだから」
 とあなたが笑った。
「悩むために書いてもらうんじゃないって言ったよね?」
「……はい」
「これはいわば、凍った鏡みたいなものでしょ」
 大きめの紙吹雪と化した私の『なりたいことリスト』が目の前で振られる。
「映したい現実を映すためには、今と違うやり方を試さないと。そのために一旦割ったの、あなたの中の凍てつく鏡」
 割るか替えるか、一緒に考えましょう。






『凍てつく鏡』

12/28/2025, 9:58:53 AM