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(12/24 「揺れるキャンドル」)
ぼ〜ぼ〜、と燃える火に、ふわりふわり、といった風な揺らめきが見える。
鼻腔をくすぐる甘い香りは、
ともすれば惨状を匂わせもする赤の表出を
神秘的なものへと昇華させているようだ。

「ねぇ、もう電気を点けてもいい?」
退屈そう、というには余りにも活力に満ちた声が静けさを裂き、
闇を晴らそうとする。

「もう少し、もう少しだけ、ね。」
私はそれに日の出の様な有難みを感じながらも、
幻想に包まれていたいという我儘を
つい、押し通してしまうのだった。

12/24/2025, 8:40:03 AM