夜空を越えて
スターリンク衛星が輝いている。
まるで銀河鉄道999のよう。
それを見たのは私と母が2人で家出をした夏の日で、
母の実家の田舎に着いたときだった。
突然現れた私たちに祖父母はびっくりしていたが、
何を言わずに寝床を用意してくれた。
祖父母たちは夕食を済ませていたので、私たちは近くのスーパーまで歩いてお弁当を買いに出た。
田舎は夜空がきれいだね、と父と弟の大喧嘩の記憶を搔き消すほどに美しい夜空を見上げながら夏の夜を歩いた。
そこにあり得ないほど眩しい光の列が現れたのだ。
それは見間違いではないほどの明るさで、飛行機よりも早く私たちの頭上を横断する。
UFO、、、?
こんなに堂々と目の前にUFOが現れる?
UFOって不規則に動いて、現れたり、消えたりするじゃなかったっけ?
そう母と話した。
光の列は等間隔で列車のように連なってる。
これはまるで、銀河鉄道999の列車だと母は言った。
私たちはすべてを忘れてその光の列が過ぎ去るのを見ていた。
家に帰ってから調べてみると、それはスペースX社が3日に一度のペースで打ち上げているスターリンク衛星たちだと書いてあった。
YouTubeでも私たちが見た光の列の映像を見つけることができた。
携帯電話の電波塔がいまや地上ではなく、夜空にある。これによって電波塔から遠い山奥ではこれまで電話が繋がらなかったが、今ではどこにいても頭上にスターリンク衛星がいて通信ができる。まるで衛星電話のようだ。SoftBankではすでにスターリンク通信が始まっている。
世の中の進化は凄まじく、人の叡知には際限がない。
これを一人の人間の一生でこなしてしまうイーロンマスクとは何者なのか、想像を絶する。
12/12/2025, 8:33:28 AM