とある恋人たちの日常。

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 なんか見覚えのある水色の封筒を見つける。
 どこから届いたのかも分からないけれど宛先は私になっていた。
 送り主は書いていない。
 
 直感で経年劣化をしていると理解してしまった。
 
 そう、記憶していたの。
 
 私は自分の文房具をまとめて収納していたボックスを開ける。
 探す必要はない。
 だってそれは一番上に置いてあったの。
 
 ううん。
 昨日買ってきて、そこに入れたから。
 
 出てきたのは、封を開けていないレターセット。
 それと手元にある手紙は間違いなく同じものだ。
 
 手紙を開けて中を確認する。
 見覚えのある筆跡は間違いなく私のもので。でも私はこの手紙を書いた記憶はない。
 
 どういうことだろう。
 
 内容に目を向けると涙が溢れる。
 たくさんの文章に込められている「私は幸せである想い」。
 
 大切なパートナーと一緒にいる。
 大丈夫、独りじゃないよ。
 
 そう背中を押してくれる手紙だった。
 
 最後には十年後の日付と私の名前。
 
 なんて不思議なことが起こったのだろうと首を傾げるんだけれど、こういう不思議が起こることは理解している。
 
 だって本当の私は……。
 
――
 
 それでもこんな手紙一つで幸せになれるなんて確信は持っていない。
 
 パートナーか、どんな人なんだろう。
 
 そして、未来の私はどんな思いでこの手紙を書いたのだろう。
 
 そう考えながら、この手紙は誰にも見つけられないようにしまっておいた。
 
 未来を自分に託して。
 
 
 
おわり
 
 
 
六四〇、一〇年後の私から届いた手紙
 
 
 

2/15/2026, 12:41:40 PM