『星になる』
小さい頃に夢見たことがある。
数多輝く天を照らす星になりたいと。
母親は一生懸命に生きたらお星様になれるかもねと言った。
だから、私は一生懸命になった。
それでも、いっぱい頑張っても、1番にはなれなかった。
クラスで、1番になったらもらえる星のシールを、私は一度も手にすることができなかった。
私は星からいちばん遠い存在だった。
でも、母親は、私のことを抱きしめ、私はぼろぼろと大粒の涙を流して泣いた。
「お母さん、あの星は、なんて言う星?」
「木星っていうのよ」
「……すごく、輝いてる。綺麗だなぁ……。」
「……木星はね、自分の力で輝いていないのよ。太陽の力を借りて輝いているの。」
「太陽……?」
「そうよ。太陽。
星は、独りで遠く輝いても、届かない時もある。
でも、誰かと一緒になったら時には一番星にだってなれるの。」
「一番星……」
「それに、この宇宙の星は、全ての星が一番星なのよ。ただ、見えないだけなの。
あなたはもう、輝いているわ。私のお星様。。」
お母さん
あの時は、ありがとう
私は、本当にその言葉にどれだけ救われたか分かりません。
お空にいるお母さんへ
聞こえてますか。
私は、今も、誰かの宇宙で輝けているのでしょうか。
12/14/2025, 4:31:05 PM