#104「枯葉」
ここにいる誰もが一度だって願ったはずだ
書き連ねた言葉が誰かを救って、本になる
そうして有名になることを
そんな希望なんか捨ててしまえよ
なんて子供の私に言わないでくれよ
否定ばっかりが肥料になるか?
だからって期待もしないでくれよ
枯葉に明るい存在価値を見いだせるのは
子供しかいないだろう
ただの枯葉に哀れむのは大人しかいない
そんな同情もいらない
昔のわたしは青々とした美しい言の葉を
光沢のある宝箱に詰めていたはず
しかしどこにもそんな箱は見つからない
見つかったのはカビの生えた木箱と
指で擦り合わせるとぼろぼろと
鱗粉のように脆い枯れ葉だ
こんな言葉を連ねることになんの意味がある
枯れ葉の山の中から「素敵」だと
拾われる落葉は運が良い
そんな運が与えられるほど私の運は良くない
湿った土にまみれ穴だらけの枯れ葉
誰かが拾って、情けで読んでくれたとして
それは平日の冷めたコーヒーにも満たない供給
くしゃくしゃになったレシートのように
誰の心にも残らないのだ
分かっている、私の言葉は誰も救えないのだろう
作者すら救えないのだから当然だろう
努力もしない無礼者
元はと言えばただの自己満
分かってるはずが欲張った
私の言葉が喜ばれた日が寿命だったらしい
その日を境に私は物書きを始めた
枯れ葉が積もって山になったとして
それはただの枯れ葉の山なのだろうか
それとも努力の塊になるだろうか
どっちも燃やされたら無に帰ってしまうというのに
2/19/2026, 11:47:17 AM