"誰よりも"
僕は彼女の幸いにも、祖父母の幸いにもなれなかったから。
せめて貴女だけは、何処か遠くの陽が当たる場所で誰よりも幸せになって欲しかったのに。
折角あの地獄のような家から逃げ出せて、これからというところだろう?
なんで戻って来ちゃうかな、と半ば自棄っぱちに言葉を投げつけてみても、強い意志を持った瞳は小揺るぎもしない。
あーあ。
葬儀を終えて、諸々の手配を済ませたら、全部終わらせるつもりだったのに。
差し出された手を振り払うことができなかった時点で、僕の負けだ。
2/17/2026, 4:42:14 AM