『あなたとわたし』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
それぞれ異なる特徴を持つ存在。
あなたと私。
でも人間は他人の存在なくして生きることは難しい。
依存の関係になりたっている。
誰が他の人々の価値を決める権利を持っているのでしょう。
誰が人をけなせるのか。
私はそんな人間は知りません。
手と手を取り合うことが一番大事な
あなたと私
価値観の合う人でなくともよいのだ。価値観が人それぞれ違うことを理解していて、尊重できる人であれば。でも、それすらも価値観と言えるのかもしれないし、私にはやはり、価値観の合う人の方が好ましいのだろう。そして、相手にそれを求めるのであれば、自分のことを棚に上げてはならないのだ。
/お題「あなたとわたし」より
「なんかの歌詞みたい」
「そうだね。続きは何が浮かぶ?」
秋空を見上げる高い鼻筋。
バレないように視線でなぞる。
「せーので言お?」
「いいよ。せーの、」
あなたとわたし ここでバイバイ
あなたとわたし これからふたりで
「なにそれキショ」
「悲観主義? もてないよ」
ズレた会話を、今日も二人で。
2023/11/07 あなたとわたし
あなたとわたし
出会えたことの奇跡
例え悲劇でも
出会えてよかった
あなたとわたし。
二人の世界は、
大切で安らげる世界。
それが一人になってしまったのは、
いつからだっただろう。
「あなたとわたし」
「…いったい何が悪かったのかな…」
夕暮れ時の某カラオケ店。
そこで大量に買ったグッズの開封の儀を行っていた友人は、あらかた開けきったあとでそうぼやいた。
「ねぇ、あなたとわたし同じだったよね…?」
「いや、まあ…うん」
「だったらなんでぇ…?!」
「なんでと言われてもこればっかりはねぇ?」
絶望するのも無理はない。
いくつもバイトを掛け持ちして、一生懸命ためたお金でグッズを購入したのにも関わらず、ひとつとして彼女の推しが出なかったのだ。
かくいう私は購入した半分以上が推しだったというミラクル。
怨まれるのも仕方ない。
「こんなに愛を積んでるのに…!!」
「あー…、たぶんあれだ。
その愛の重さに世界が追いつけてないんだよきっと」
知らんけど。
あなたとわたし
あなたとわたしは正反対。
好きなもの、嫌いなもの、何もかもが噛み合わない。
ーでも、別に大嫌いって訳じゃない。
そうなんだねって納得して、まったく違う意見を聞く。
理解しにくいこともあるけど、できない訳じゃない。
そうやって、お互いを少しずつ知っていくのが、
あなたとわたし、唯一共通の好きなこと。
友達が多くて
休みの日は
出かけるのが好きで
料理が好きで
綺麗好きな
あなた。
親友が3人だけで
休みの日は
家でゴロゴロ
ダラダラしたくて
料理が面倒で
そこまで綺麗好きじゃない
わたし。
正反対だな
と思うからこそ
一緒にいるために
お互いに
ちょっとずつ
歩み寄って
どちらかだけが
我慢しないように
気を付けて
いかないとね。
#あなたとわたし
あなたとわたし
名前を呼ばれて飛び跳ねるわたし
きっと何も意識してないあなた
目が合ったかもと舞い上がるわたし
その後ろにいた子を見ていたあなた
席が近くなって運命だと思うわたし
友達と離れて悲しがるあなた
思い込みで魔法にかかり、
気づいてしまえば魔法はとける。
どっちが幸せなんだろうね
嫌い、あなたが嫌い。
小さい頃から隣の家で、いつも一緒に登下校。クラスも部活も一緒のあなた。
あなたはわたしよりも少し可愛くて、わたしよりだいぶ背が高い。わたしよりも頭がよくて、わたしが弾けないピアノが弾ける。部活は一緒にレギュラーだけど、わたしより上位に入賞する。
わたしだってそんなに悪くはないんだよ?あなたと違うクラスの時はクラス委員に選ばれるもの。
だけどね、あなたといると惨めになる。何をやってもあなたには勝てない。誰かが言っていた。あなたはわたしの上位互換だって。上手いこと言うなって可笑しくなっちゃった。
可笑しくて可笑しくて、思い出すたびに涙が出るほど笑ってしまう。涙が止まらなくて、布団の中で声を殺して泣いてしまう。
だけどあなたはいつも眩しい笑顔を向けてくれる。真っ直ぐにわたしを好きだって、親友だって言ってくれるね。
こんなにあなたへの嫉妬でぐるぐると醜い心の中も知らずに。
高校は遠くへ行って寮に入るんだ。
あなたとは滅多に会うこともないでしょう。弱いわたしはあなたから離れることでしか、笑うことができそうにないの。
今までそばにいてくれてありがとう。
親友でいてくれてありがとう。
大嫌いで、大好きで、大切なあなた。
#6 2023/11/7 『あなたとわたし』
不思議だなぁ
たわいない会話
ちょこっとしたつぶやき
そして
ちょっと真面目な話も
安心して話せる
笑って話せる
あなたとわたし、
やっと出会えたね
待ってたよ
【あなたとわたし】
あまり知られていないことだけど、この世の役目を終えて天へと昇った者の中には、天界の名を受けてあらゆる気象の分野を司る者がいる。
例えば太陽を司っているヒナタは、天界が定める年間計画に基づいて日照時間を調整する。そして、雨を司る俺はこれまた天界が定める年間計画に基づいて降水量を調整している。
1度は天寿を全うしたはずのヒナタと俺だったが、なぜかまたこの世で出会ってしまった。しかも、なぜかお互い高校生になっているのだから気恥ずかしいことこの上ない。
ただ、太陽と雨をそれぞれ司る者同士が近くにいると打ち合わせがしやすい。天界の年間計画は晴れの日と雨の日がそれぞれ定められいるが、日照時間や降水量は1年間のトータルしか決められていない。だから、あまり雨を降らせてほしくないときにはヒナタが事前に俺に依頼をしてくる。
「ねぇ、ミナカミ。お願い。お〜ね〜が〜い!明日、少しの間だけ雨を降らせないようにしてほしいの」
「お〜ね〜が〜いって、いったい今年何度目だと思ってんだ、ヒナタ。またここで雨量を抑えたら、年の終わりに帳尻合わせで災害級の大雨を降らせなきゃいけなくなるじゃんか」
「それは困る!…けど、明日はどうしても降らせてほしくないの。放課後の数時間だけでいいから」
以前、ヒナタがお願いしてきたのは妹の中学受験のときだった。その前は、弟が野球の試合に出場するとき。両親の結婚記念日というときもあった。そのたびに、俺はぶつぶつ文句を言いながらも降水量を限りなく最小限に近づける努力をしていた。
ただ今回は、その時間帯だけどうしても雨を降らせないでくれという。ヒナタとは長いつきあいになるが、そんな依頼は初めてだ。
「放課後だけって、今回は何が理由なんだよ」
ヒナタはしばらく黙っていたが、意を決したように口を開いた。
「ツカサがね、生まれて初めて好きな人に告白するの」
「ツカサって、おまえがこの世に戻ってきて1番最初にできた友達の、あのツカサ?」
「そう、そのツカサがね、ずっと想い続けている人に告白したいから力を貸して欲しいって。私には日を照らすことしかできないけど、彼女の力になってあげたいの」
いや、むしろ雨を降らせない俺の方が彼女の力になるんじゃね? と俺は思ったが、親友の一世一代の決心を何としても後押ししたいヒナタの真剣な表情を前にして、何も言えなくなってしまった。
「…15時から17時まで。それ以上はムリ」
「えっ、いいの? うわぁ〜、ありがとぉ〜、ミナカミ!」
「うわっ!急に飛びつくな‼︎」
こういうことを無邪気にしてくるのが、ヒナタのいいところでもあり悪いところでもある。毎回、何だかんだいいように振り回される俺の身にもなってほしいもんだ。
それにしても、今までヒナタは1度も自分のために願ったことはない。もしもヒナタがこの先誰かに告白するとしたら、そのときはまた俺に雨を降らせないようにとお願いしてくるんだろうか。
何だかモヤっとした気持ちになりながら、俺は天界から渡されたスケジュール帳を取り出し、明日の欄に「15-17 降水量ゼロ」と書き込んだ。
あなたとわたし
あなたは右利きなのに私は左利き
あなたのことをよく知らない。好きな食べ物、嫌いな食べ物、苦手なこと、好きな音楽、趣味、特技、家族構成、身長、血液型。きっとわたしと違うところはたくさんあるだろう。でも、どこかで共通点があったらいいなって思ってる。あなたのことを知りたいから、あなたもわたしのことを知ってほしいな。
分かり合えないものが
絶対にあって
分かり合えることも
絶対にあって
会って合ってあって。
愛し合って、
違うことも同じことも
まるでこの世が
二人きりの世界になって
何言ってるのかわからないって?
それくらい君が好き
–あなたとわたし–
あなたはあなた
わたしはわたし
わかっているのにわからない
”あなたとわたし”の切り離し方
あなたとわたし
右利きと左利き
男 と 女
文系 と 理系
泣き虫と暴れ者
辛党 と 甘党
きのことたけのこ
凸凹コンビ
あなたは いつも うつろなめで こくうをみている
わたしのことなんて みてくれない
わたしのことをすてたあなただけど わたしは あなたをすてないよ
あなたが わたしをみてくれなくても そのぶん わたしがあなたをみつめるから
あなたはわたしで わたしはあなた
もともとはおなじもの
いつかはきっと きえると わかっているけれど
そのときくらいはわたしをみてほしいな
20231107 あなたとわたし
楽しくもない話をするあなた
わたしは「あはは」と相槌を打つ
楽しかった話をするわたし
あなたは「あはは」と相槌を打った
~あなたとわたし~
「あなた、本当にわたしとそっくりね!」
部屋の前に立っていた人物は、容姿や髪型、服装や趣味までもわたしと同じだった。
「そう?世界には自分と同じ顔の人が3人いるっていうし、今会えたのは奇跡かもね。」
不思議なことに彼女が言ったことは、まさにわたしが話そうとしていた内容だった。
「へへ、そうかも。実はわたしも同じ事考えてたんだ。ねえ、友だちにならない?」
「それはちょっと、私には難しいかな。」
「理由を聞いても?」
「それはね。」
「あなたが失敗作だから。」
わたしは、銃で頭を撃ち抜かれた。
そして私は、血溜まりの床を眺める。
「ごめんね。いくらあなたが"私"のクローンと言っても…私に似すぎているのは困るんだ。」