『バレンタイン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
デパートの上でやっている
人気のバレンタインフェアの
可愛くって美味しいチョコは
なんともしゃれた紙袋
実は前には買えなくて
違う日もう一度ならんで買った
はしゃいでわたしに教えてくれた
あなたがとっても愛おしい♡
「これ、義理だから」
そう言ってアオイは俺にチョコを手渡した。
「義理だからって…まあそうだろうけど」
俺は半ば困惑しながらも受け取る。
一体どういう風の吹き回しだ?
「お前からかってんのか?」
俺はとっさに問いかけた。
「からかってねーよっ!とにかく義理!義理だからな!」
アオイはそう言って走り去ってしまった。
一体どういう風の吹き回しなのか。
俺は立ち尽くしたままアオイの後ろ姿を眺めることしかできなかった。
バレンタインってのは、女が男にチョコをあげる日だとばかり思っていたんだがな…。
【バレンタイン】
いつもありがとうと感謝を込めて、あなたに贈ります。
大好きですをたっぷり詰め込んで、あなたに贈ります。
そうして勿論わたしにも、おつかれさまのご褒美を。
明日も幸せにいきましょう。ハッピーバレンタイン!
君にバレンタイン
用意 買い物が 定員さん
困らせ 支払いとき、
片思い両思い運命は
100% ない 未来と
解っていて 情けないからか
涙が溢れた
私の゙気持ちを知ってしまうと
何時もと変らない会話は
無くなるが解っている
私に自分の好きなクラスで
人気もの ルックスも性格も
素敵な彼女を
どう僕になびくなかな好かれるかな 平然と相談してくるなんて
やめてよ さえ 言えない
義理だよ いるかな
聞いてみたら
くれるんだ 微かな微笑みに
胸は高鳴り 片思いで
いいと思うは 喜びは ただの
1分くらい
彼女もチョコ本命とくれたらな
台詞を言われたら そうだねなんて
笑っていうしかない
グサッと、心に、ささって
いても
バレンタイン 渡すを
軽く 持ってきたよと彼に
100キンで ラッピング用品
も購入し 私なりラッピング仕上げたのを渡しても
特別だよ なんて 全く
気づくはない
片思いでいい 話しできたらいい
なんて 本当は違う
誤魔化すしかないからだけ
会えない休み 日は
デートしたい とか
頭の中だけで 空想だけでは
もう 辛く切ない
彼女が好かれるのも
当たり前に納得だから
気持ち整理 割り切る
忘れよう 何度も思うのに
つい 君が話してきたら
やっぱり 仲よくいたいと
なるばかり 振り向くないのに
(学生のとき
体躯 今なら 片思いだったな
と 切ないもなく思い出すから
なんか 不思議)
学生の頃、
青春時代
いつも期待していた
今年こそはと、、
いつもゼロ個
結局
奥さんと付き合うまでは
バレンタインをもらうことはなかった
息子はもらってきた
奥さんから
毎年一個、
愛する人からもらえるようになっちゃうと
もうどうでもいい
そんなもんだ
バレンタイン
お題:バレンタイン
4作目
バレンタインのチョコを渡した時、素直になれずに「義理チョコ」だと伝えてしまった時の、キミの残念そうな顔が頭から離れない。
だから。
明日、もう一度。
もし、「本命チョコ」をこの気持ちと一緒に渡せたら、喜んでくれるかな。
喜んでくれるといいな。
戦争に巻き込まれてしまった
全ての皆さんに
バレンタインのチョコでも何でも
届くことを望みます
「今日は女の子からチョコ貰う日なのにまさかお前から貰うなんてなあ……」
男は親友からしょっちゅうお菓子を貰うのだが今日貰ったのはチョコレートだった。
「……誰からもチョコを貰わなかったよりまだマシだろ」
親友はそう言ってるがそういう問題ではない。今年も女の子から貰えなかった現実が男は悲しいのだ。
ふと男は去年のバレンタインを思い返す。まさか去年今年と連続で同じ人物からチョコレートを貰うとは。
「俺はお前がチョコ貰えなくて悲しむところを見たくないし、いっぱい食べるお前が好きだぞ」
「うるせえな。慰めになってねーよ」
今年のバレンタインも食べたチョコレートの味もかなり苦かった。
※作者的には、作品内で登場人物の性別を指定していないつもりで書きました。宜しければお好きな性別を二人に当て嵌めて読んでみて下さい( *´꒳`*)
《バレンタイン》
騎士団の規律として、団内での恋愛は断固として禁止されている。
男女問わず能力のみで登用されているが故の規律らしいが、理由は単純、恋人を優先して貴族を守らない馬鹿が過去にいたせいだ。
皆そう嘲るが、私は少し不満だった。
愛する人の為に、貴族よりも優先して身を呈して庇うことは悪なのか。
それがずっと胸の奥で燻っていた。
それなのに、バレンタインデーとかいう日がやってくると、男女関係なく皆チョコを渡したりしている。それも、本命だってあるのだろう。
つまり、表向きはそうされているだけ、ということなのかも知れない。
それならそれでいいが、
「……あの、これ……受け取って貰えませんか!」
「……ありがとう。美味しそうだね、嬉しいよ」
にっこりと甘い笑顔を浮かべる先輩を見るのは、今日で何十回目だろうか。
色素の薄い髪に同色の瞳、端正な顔立ち。高身長に、出自は侯爵家の四姉兄の末っ子と来た。騎士団の制服も全員同じ制服な筈なのに、どう見ても先輩の着ている方がお洒落に見え、スタイルの良さも感じるのだ。おまけにそれらを鼻に掛けずに、誰でも影日向なく接する。
これでモテない筈がない。
その手の話にてんで興味がない私でも、時折はっとさせられてしまう人物だった。
「……待たせてごめんね。これ、一旦部屋に置いてくるから……もう少しだけ待っててくれないかな?」
「私のことはお気になさらず。任務の時間まで余裕はありますから」
騎士団では先輩と後輩の二人でバディを組んで、共に任務を行う。
本来であれば大人気な先輩とバディを組めることを歓喜し、周囲はそれに嫉妬するのかも知れない。
だが、生憎と私は先輩に尊敬こそすれ恋慕はしていないし、特殊な環境もあって嫉妬に晒されているということもない。
つまり、色々と事情はあれど、一番バディとなっても問題ないと私は認識されているのだ。私を緩衝材か何かと勘違いしてないか。
「争いが起こらないように私と組むって……本当に、人間なのか怪しい……」
人々を惑わす悪魔か何かかと、私は溜息を吐いた。
足音が聞こえ振り返ると先輩がいた。
「お待たせ! 結構ギリギリになっちゃってごめんね。悪いけど急ごうか」
「いえ、大丈夫です。行きましょう」
私は頷きを返し、任務場所へと向かった。
任務内容は見回りだ。
昼を少し過ぎたこの時間からは、余り犯罪は起きない。それでも警戒は必要だった。
結局四時間ほど街を回って、けれど町は平和そのものだった。
「……何事もなく終わりましたね」
「君の日頃の行いがいいからかな、何も起きてなくて良かったよね」
さらっと人を上げる発言をする。
そういうのが最早癖になっているのだろうか、先輩の対人スキルを感じつつ騎士団の駐屯場へと帰る。
「そういえば先輩、街でも貰ってましたね、バレンタインだって」
「皆さん優しいからね。ありがたい限りだよ、全く」
流石に、パン屋の娘さんからパンを一袋貰ったときは驚いた。
思い出話をしながら、時間が経つのが早いと思った。
「そうだ、ねぇ、君」
「……なんですか、先輩」
「君からもバレンタインのお菓子くれたっていいんだよ? 受け取るよ?」
「そういうのは他の人にやって下さいよ」
何を言い出すんだこの人。
「えぇー、バディなんだからこう、日頃の感謝です! ……とかないの」
「ないですよ」
そう答えてから、たしかに何か送るべきかもしれないと気付く。
「……先輩、私からバレンタイン渡しますよ」
「お、何くれるの?」
「夕方って鍛錬後は任務入ってないですよね。もし時間があったら私と街に行きませんか」
「…………いいよ、行こうか」
暫し考えた後、先輩は頷いてくれた。
そうと決まれば準備をしなくては。
「……大胆だなぁ」
先輩の呟きの意味は、わからなかった。
そして迎えた三時間後。
騎士団の制服ではなく私服に着替えた私は、正門の前で先輩を待っていた。
ちなみに、騎士団が任務外で外出をする際は外出届を提出する必要がある。一応、目的地だけは把握しておかないと有事の時に招集できないからだ。
それも提出済で、準備万端である。
「……今日だけで何回も君を待たせちゃってるよね。珍しい体験をしてる気がするよ、遅くなってごめんね」
「気にしていませんし、まだ約束の時間より二十分も早いですから。気にせず行きましょう」
遅くなった原因というのも、団員同士の言い合いを仲裁していたからだと知っている。
というかそんなことよりも。
私服姿の先輩を見るのは何気に初めてだった私は、そのかっこよさに改めて思う。
こんなの見たら誰でも惚れるんだろうな。
「……私は馬鹿か」
小声でも口にしてしまうほど、思考回路がおかしい。きっと、いつもと服装が違うから、混乱しているんだろう。
そう結論付けた私は、
「あっ、すみません。こっちです」
真逆の道を歩みかけた先輩を引き止めた。
目的地知らないんだから、私より前に行かないで貰えますかね。
なんて、流石に気まず過ぎて言えない。
日がすっかり暮れる頃、私は目的の店の前で立ち止まる。
「……ここは?」
「見ての通りです」
先輩が面白そうな表情をしているのを気にせず、私は店員さんを呼んで席を指定する。
「どうして……バレンタインなのにわざわざディナーに招待してくれたの?」
話しかけながら椅子を引いてくれる先輩ってなんなの、とスマートさに驚きながら私は大人しく座る。
「おかしなことしましたか? だって先輩……甘い物、苦手でしょう」
「……一言も言ってないけどね、そんなこと。というか、寧ろ皆から沢山受け取ってるし、見てたでしょ」
「そうですけど……受け取るときに毎回、困った表情してましたし」
まあ、無駄に本人の顔がいいせいでそれも笑みの一部として成り立っていたが。
私が普通に返すと、先輩は不思議そうな、おかしそうな笑みを浮かべていた。
「よく見てるねぇ、君ってば。騎士として悪人と接するときに使える技術だね」
「普通に図星って言って下さいよ。甘い物はさておき、苦手な食材とかありますか?」
「そういうのは特にないよ。何でも好き」
先輩にぜひ食べて欲しいメニューがあるのだ、私はそれを注文した。
「ところで、なんで急にバレンタインくれようとしたの?」
「先輩にはお世話になっていますから。バディを組んでそろそろ一年経ちますし」
「そう言えばそうだったね。最初に比べたら、随分警戒心も解けたみたいで嬉しいよ」
「久しぶりに会った親戚みたいな反応しないで下さいよ。……あの頃は仕方がないでしょう」
過去は過去、今は今、だ。
なんて話をしていると、運ばれてくる。
「お待ちしました。こちらがご注文の品になります」
店主のこだわりスパゲティ。
それが、私が先輩に食べてほしいメニューだ。
熱々の内に食べて欲しくて、会話を中断してスパゲティを勧める。
「いただきます」
「……いただきます」
「……ん! 初めて食べたけど、何だか……あたたかい味がするね。なんて言うか……」
「よく知らないですけど、家族の作る味、って気がしますよね」
「そうそう、安心する……みたいな!」
ふわりと笑う先輩の表情は、甘い笑顔でもなく、初めて見るものだった。
それを見れただけでも、十分だったと言えよう。口に出さないけど。
「……最後の最後にいい贈り物貰っちゃったな」
「何言ってるんですか。最後じゃないですよ」
しみじみと言う先輩をぶった切って、私は先輩に箱を差し出す。
私は先輩に思い出をバレンタインに送るほど、ロマンチストではないのだ。
「へ?」
「これ、バレンタインです。よろしければどうぞ」
「お菓子……な訳ないか、この流れで」
ありがとう、と言いながら先輩は箱を開ける。
中から出てきたのは、ネックレスだ。
小さいけれどたしかに揺れる宝石は、偽物だろうが、蒼く美しい。
「……綺麗だね、これ」
ぽつりと呟く先輩に、
「そうでしょう? 先輩はいつも、私から見てこんな騎士なんですよ」
見るものを魅了し、けれど純に輝く色。
私にとっての先輩とは、そんな存在なのだ。
「……ありがとう。凄く嬉しい」
ふにゃりと笑うのは、本当に珍しい。
けれど。
「ホワイトデーの日。お返し、期待していいよ。ちゃんと待っててね」
にやりと笑った先輩の方が、もっとずっと珍しかった。
「チョコレートと合わせて告白なんて、まるで物で釣ってるみたいじゃない」
バレンタイン当日。
彼女はそう言って、不服そうに唇を尖らせる。
校則に引っかからないギリギリで制服を着崩して、いつもはしない軽い化粧。手にはピンク色の可愛い紙袋を持って、彼女は教室の隅に立っていた。
悲しそうに伏せられた瞼に乗ったアイシャドウが西日でキラリと光る。
「告白、失敗したんでしょ」
「違うわ。タイミングが悪かったの!私より1時間早く告白した子のチョコレートに彼が釣られたのよ!」
チョコレートに釣られたわけではないだろうが、傷心中の彼女にそれを言ったところで火に油を注ぐだけだ。
私は「それはタイミングが悪かったね」と同調してみせる。
「それでそのチョコレートはどうするの?」
「タイミングのいい男子にあげるわ。誰にも渡さないよりはホワイトデーのお返しが望めるでしょう」
「お返し目当てであげるの?ヤな女って思われるよ」
「チョコレート代だってタダじゃないのよ?実らない恋より実のある現物に変わった方がよっぽどマシだわ!」
チラホラと生徒が残る教室。
彼女が言うタイミングのいい男子となり得そうな、可哀想な男子を一緒に探す。
「田中くんなんてどう?」
「彼は先週から趣味が貯金になったらしいの。そんな人がホワイトデーにお返しをくれるとは思えない」
「鈴木くんは?」
「彼女持ちにチョコレートなんて渡したら女に殺されるわ」
「佐藤くんは?」
「名前にサトウが付くのに甘いものなんて渡したらからかってるって思われそうだわ」
「…なるほど?」
文句が多いってことは分かった。
仕方なく、私は彼女のチョコレートを奪う。
「アナタ、何するのよ?」
「ホワイトデーにお返しが来れば男の子じゃなくてもいいでしょ?」
「友チョコはさっきあげたわ」
「ならこれは親友チョコって事で」
観たいテレビがあることを思い出して、私は鞄を掴む。
少し驚いた顔をした彼女に「また明日ね」と声をかけると、小さく手を振られた。
本当にお返しさえあれば誰でも良かったみたいだ。
「ホワイトデーのお返しはブランドのリップがいいわ」
彼女の言葉は聞こえないふりをした。
純粋で甘ったるいホワイトチョコレート。
嫉妬や独占欲で苦いビターチョコレート。
隠し味には恋に恋する盲目のブランデー。
ビターチョコを多めに入れて、白と黒を混ぜ合わせる。
黒が強いマーブルチョコ、貴方への想いにぴったり。
私は、誰かを愛したことも、
誰かを妬んだこともなかったのに。
貴方に出会ってから変わってしまった。
それなのに、分かってくれないなんて不公平よ。
苦くて苦しくて、それでも少しの甘さに酔わされる。
ああ、本当に貴方にぴったり。
今日だけは、私の愛を味わって。
思いきって言おう。
あ、あの人に愛の告白❤️などではなく。初めて好きな子にあげたチョコレートの話。
中学1年の頃、なぜかわからないけれど、今でいうイケメンではない普通の彼に恋をした。(すごく失礼、ごめんなさい)ついでに申しますと私の容姿は言わずもがなと言うことであしからず。(じゃあ言うな、ですね)
何がきっかけが覚えてないのだけど、めでたくその彼と両想いになれたその年のバレンタイン。
初めて作ったのが、直径15㎝はあろうかと言う大きなまん丸のチョコレート。家にあったホットケーキ用の型を使ったんだろうな。
その厚さ1㎝弱。
そこにチョコペンで何やら書いたと思うけれど記憶にない。よかった。思い出したくない。
おそらくハート形のナントカくん大好き❤なんて書かれたチョコを想像して開けたであろうあの彼。
どう思ったのだろう。
知りたくない。
謝りたい。
ただ忘れて欲しい。
私は忘れられないけど。
end
「バレンタイン」
わたしはお菓子の国のお姫様。
ケーキとシュークリームでできたお城に住んでいるの。
この国とその民は忘れられた少年少女達の夢と秘密の魔法でできていて、美しくて可愛いものしかいないの。
とても素敵な国よ。いつかあなたもおいでなさい。
でも、わたしはとっても退屈しているの。
何故なら、満たされすぎているから。
異国の宝石も、楽園のドレスも、望めば全部手に入っちゃう。
嗚呼、今日も退屈。アイスクリームみたいに融けてしまいそう。
そう思っていたある日、わたしは運命のひとに出会いました。
お隣の、猫の国に暮らす王子様。
三角のクッキーみたいな耳。
夕焼けに照らされると菫キャンディーの色になる柔毛。
鼈甲飴のように輝く円い瞳。
わたしはつい、貴方に声をかけてしまいました。
でも貴方はわたしには一瞥もくれず、綿菓子の花に夢中でした。
それからというもの、わたしは貴方に
お手紙を送るようになりました。
春には桜の花びらをラングドシャクッキーに、
夏にはひまわりの花をタルトに、
秋には紅葉をゼリーに、
冬には雪の結晶をシャーベットにしたためて。
貴方はとても気まぐれなお方だったので、
お返事は殆ど来なかったけれど、ある時猫の国から来たお使いの少女が言っていたの。
お菓子の国のお姫様からのお手紙が来るたびに、
王子様は尻尾を立てているって。
どういうことかしらとお聞きすると、
猫は嬉しさを尻尾を立てて表すと教えてくれたわ。
嗚呼、わたしの王子様。
わたしのかわいい、気まぐれな王子様。
おくびにも出さないけれど、わたしのお手紙を
喜んでくださっているのね。
そういえば、もうすぐバレンタインだわ。
もし、この日に愛のチョコレイトを贈ったら、
王子様は喜んでくださるかしら?
退屈だった日々に恋の夢と彩りを与えてくださったあの方の為に、わたしは国の総力を尽くして、
世界一我儘で、世界一愛のこもった、
世界一美しいチョコレイトを沢山作りました。
あの方はレーズンがお好きかしら?
それともオレンジ?
ミルクをふんだんに使った生チョコレイトがいいかしら?
ひとつにしようと思ったのに、貴方への気持ちが
溢れて止まらないから全部贈ることにしました。
でも、わたしが贈ったとみんなに知れてしまったら
国中のスキャンダルになってしまうから、
名前は書かずに、ひっそりと。
貴方は喜んでくださるかしら?
わたしは貴方の反応が気になって、三日三晩眠れなかったわ。
豪華絢爛、百様玲瓏のチョコレイトを届けてから数日。
わたしは貴方が永遠の眠りについたと聞きました。
なんでも、あの方は2月14日に誰かから贈られた
「毒」を沢山飲み込んでしまったから、
三日三晩、国の総力を尽くして治療にあたった末に
彼岸へと旅立ったのだそう。
どうして?どうして貴方が?
毒。どく?あの方が毒を?
わたしの心を奪った、あの王子様が、何故?
わからない。わからないわ。
もしかして、わたしの「愛」は猛毒だったの?
わたしのせいで、あの方は命を失ってしまったの?
突然のさようならを受け入れられるほど、わたしは強くない。
どうすれば、どうすればいいの?
あの時贈り物をしなければ、
わたしが彼に恋をしなければ、
あの方は生きていたかもしれない?
わたしは なんということを してしまったのかしら
わたしは、夢と魔法でできているの。
でも、わたしに恋の夢を与えてくれた貴方がいなくなった。
だから、わたしの夢もなくなってしまったの。
この国の人々は夢をなくすと、
魔法が解けてただのお菓子に戻ってしまう。
わたしも彼らと同じように、ただの飴細工になってしまうの。
ただの あめざいくに
そのこころを とじこめて
そのつみを ぜつぼうを
そのからだが とけて なくなるまで
えいえんに せおいつづけるの
また貴方に逢いたい。
でもきっと もうあえない
だって わたしはもう
ただの あめざいく だから
♯バレンタイン
「ね、今日なにかあるの?」
帰り道ふいに聞かれて答える。
「何ってバレンタインでしょ」
「え」
愕然とした顔をしている。
「どした?」
「忘れてた…」
「そっかー。でもコンビニでもスーパーでも特設コーナー出来てるし、CMでもやってたろ?」
俺が聞くと神妙な顔をして答える。
「うん。美味しそうだなー。自分の買うとしたらどれにしようかなー?って思ってた。どうりで学校のみんなそわそわしてる訳だよね」
「気にしてなければそんなもんじゃない?」
「気にしてたのに、気づかなかったの」
俺がそう言うと拗ねたように絞り出した。
「ねえ?誰かからもらったりした?」
「は?もらってるはず無いじゃん、彼女いないし」
「じゃーさ、今からでも間に合う?ちょっとダッシュで行ってくる!」
今にも走り出して行きそうな同級生を思わず引き止めた。
「は?どーゆー意味!?」
「チョコあげたいの」
「はあ!?」
思わず固まる。
「だから、すきだって言ってるの!!」
一瞬が永遠に思えた。
「もう!!馬鹿!!」
走り去る彼女の耳まで赤かった。
バレンタイン
朝からそわそわしてしまう…普段は、お菓子メーカーのイベントだ、とか言っているけど…口では、気にしていないふりをしながら、心の中では、あの人の事を想ってしまう…年に一度だけのイベントにかこつけて、想いを伝えたいって焦ってしまう…周りの、そわそわドキドキを感じ乍ら、一緒になって、このイベントに紛れて…
バレンタイン
「… ꐦ」
今日は2月14日、そうバレンタインの日だ。
漫画でおなじみの靴箱に、な〜んてない。学校にお菓子なんて持ってきてはいけないから。校則ナクナッチマエ!
『はぁ〜、今年もチョコなしかよぉうピエン』
と言っているのはクラスメイトの██。通学路も一緒とそれなりに仲良くしているつもり。
██は顔は中の上くらい顔はいいと噂される程度。でもはっちゃけたりと子供っぽさが抜けてないのがモテてない理由だ。と思ってる。
「はぁバレンタインだ言う前に試験勉強でしょ?」
『えぇ、今日くらい良くない??ダメ?』
██は勉強に集中してやらない。勉強してくれないのが気になって私が勉強できないから、
██に集中させる策はある。そう_____
「集中しなさすぎ」
『やる気でねぇもん』
「集中するには糖分いるらしい、だからはいっ」
私はチョコを置いて
「じゃっ、あ!あげたからには集中してよね?!」
好きな人からはマジ思考ショートだわ…
「(これで出来たら来年もあ〜げよ)」
バレンタイン
趣味でお菓子作りをしている甥っ子が
チョコレートケーキを作り過ぎたからと
こっちにも持って来てくれた。
ハート型にカットされたイチゴが
ケーキの上に飾られていた。
どうしてこんなに美味しいのだろう。
ホワイトデーも何か作ってくれるそうだ。
甥っ子よ。叔母は幸せだ。
今日、バレンタインだったのか。
起きたら午後の4時で、狭い4畳間からは夕焼けが見えた。布団に横になったまま、日が暮れるのをぼんやり眺める。
子供の頃はモテたのにな。
中学生の頃は、登校して靴箱を開けるとチョコと手紙がたくさん入っていて、カバンに隠しきれずに持ち物検査で引っかかっていた。
夕日がビル街の向こうに沈んでいく。街がガスっているせいで、太陽の光はにじみ、溶けていくチョコレートのようにも見えた。
どこで道を間違えたんだろう。
「ねえまだ?」
「やっと起きた」
「ごはんごはん」
「はいはい、今やるから」
声にせかされて、ようやく布団から起き上がる。
枕元には、白玉みたいにもちもちした生き物たち。台所に向かう俺の後ろを、ぴょこぴょこ跳ねてついてくる。
「おいしごはん」
「たのしいごはん」
「やったやった」
冷蔵庫から昨日作ったチョコを取り出す。小分けにして皿に盛り付けて床に置くと、白玉たちはわーわー言って飛びついた。
こんなパティシエ崩れの作ったチョコでも、喜んで食べてくれるんだな。
この部屋に越してきたら出てきた、謎の白玉たち。
なんなのか分からないが、大の甘党の彼らの腹を満たすのが、なんの取り柄もない俺の、日々のささやかな楽しみだった。
【お題:バレンタイン】
『バレンタイン』(創作)
「何時に帰るの?」
家から出ようとする息子に声を掛けた。
「時間なんて数えてない。」と、靴を履きながら応える息子に、「時間って数えるものだった?」と問い直したところで、わたしは、しまったと思った。案の定、息子は「っるせーな。どうでもいいだろ。」と、毒づいてドアから出て行ってしまった。
しかし、彼はすぐに帰宅した。
「おかえり。早かったね。」と出迎えると、彼は手に紙袋を提げていた。可愛いらしいピンクの紙袋で、彼の風貌には似つかわしくなく、すぐ目に入った。
わたしの目線を察した息子は、「っるせーな。」と言いたそうにそっぽを向く。
今日はバレンタインだ。
あれは、きっと、チョコレートなのだろう。
わたしは、親として、なんとなく嬉しくなって、“バレンタインって素敵なイベントね”と、心の中でつぶやいた。
"バレンタイン"
「よう、お疲れ」
今朝、夕方にいつもの休憩スペースに来るよう、メッセージを送って数分後に【分かった】と返信が来たので、約束通りの時間に休憩スペースに来たら、飛彩の姿が無かったので座って待っていた。
五分程経って飛彩が来たので、片手を挙げて労いの言葉をかける。
「待たせて済まない」
そう言いながら近付いて、椅子を引いて座ると率直に聞いてきた。
「急にどうしたんだ?」
連絡したその日に呼び出されれば、気になって当然だ。
テーブルの下の、もう片方の手の中の物がその答えになる物だ。
百均に売っている、安っぽい小箱。
中には、ココア生地のチョコチップクッキーが入っている。
本当は市販の物を買って渡そうと思っていたが、それは目の前の甘党には、市販の物を渡すなど高難易度すぎるので即却下となった。
そうなると手作りのチョコレート菓子になるが、チョコレートケーキやチョコレートマフィンなどは手間と時間が大幅にかかる。作っている時間が無さすぎる。
消去法で結局、いつも作っているクッキーにアレンジを加えるだけとなった。
生地に溶かしたチョコレートを混ぜようと思ったが、それは牛乳やバターの分量を細かく逆算する必要があり、そこまでしている時間も無かったので、ココアパウダーにチョコチップを混ぜ込む事に決めた。
だが問題は一つ。ちゃんといつも通りの温度と時間で焼いたはずだが、黒っぽい見た目の為焦げているかどうか確認しづらかった。
箱に入れる時に軽く見たが、本当に焦げていないか自信が無い。
「どうした」
黙りこくる俺に痺れを切らしたのか、言葉を促すように言葉を投げかけてくる。
意を決して、箱をテーブルの上に出す。
「……これっ」
やる、と小声で続ける。箱を手に取って「これは?」と箱に向けていた視線を上げて聞いてきた。
「今日……何の日か知ってんだろ」
バレンタインだ、と言うのがとてつもなく恥ずかしくて、遠回しな言い方になる。
だが目の前の本人は「今日?」と呟いた。
──まさか……。
「今日は何日だ?」
と聞いてきた。
「はぁ……」
──やっぱり……。
数週間前、今後の予定の為いつものように分かる範囲内のスケジュールを教えてもらった時に、その可能性を考えていた。
「お前……徹夜したりしてねぇよな?」
「していない。必要な睡眠時間の確保をした上でのスケジュールだ」
「ならちゃんと毎日カレンダーを見ろ」
仕方ない、とスマホを取り出してカレンダーアプリを開き、今日の日付けとその下に【バレンタインデー】と書かれた画面を突き出す。
数秒後「あぁ」と声を漏らして顔を上げた。
「中身はチョコレート菓子か」
予想を呟き、「開けていいか?」と聞いてきた。どうぞ、と箱を開けるよう促すと、丁寧に箱の蓋を開けて中を覗き込んで、中から一枚取り出す。
「チョコチップを混ぜ込んだクッキーか。生地はココアか?」
「正解」
一口齧って咀嚼する。数十秒後喉仏が下がって、嚥下した事を確認すると、緊張で心臓の拍動が速くなる。
「……美味い」
その言葉を聞いて、胸を撫で下ろす。
「そりゃあ良かった」
だがそれを表に出さぬよう、平静を装って言葉を発する。
飛彩は静かに一枚を平らげる。気に入ったのか、その顔は僅かに綻んでいた。
平らげると自前のハンカチで手を拭って箱の蓋を閉じた。
「残りは家で大事に食べる。お返しは必ずする」
「いらねぇよ。後で感想くれるだけで良い」
そう言うと「分かった」と答えた。
──これ絶対分かってないやつだ。
小さく呆れのため息を吐く。
「時間大丈夫か?」
そう聞くと、腕時計の文字盤を確認して「そろそろ行かなくては」と小さく呟いて顔を上げる。
「早く行ってこい。俺ももう少ししたら帰る」
「そうか」
そう言って立ち上がり、踵を返して廊下に出ると、こちらを向いて「また」と告げる。俺も「おう、またな」と返す。
俺の言葉を聞くと、柔らかく微笑んで壁の向こうに消えた。
その背中を見送ると、テーブルの下で握り拳を作った。