『別れ際に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
{出会い」の時の会話よりも「別れ際」の時にした会話の方が鮮明に覚えてる。誰かを思い出す時はいつも別れ際に見たときの顔。
君は幸せだった。
そうでなければ今生の別れ際で、あんな笑顔になれるわけなかったんだ。
幸せだった。
そう心に言い聞かせて、
きっと心が壊れてしまうから。
僕は君のいない明日を生きる。
君を昨日においてって。
別れ際に。
一度は振り返ってほしい。
別れたくないんだと、勘違いでも良いから思わせてほしい。
別れ際に私は言った。
「"大好きでした"」と。
アラバマ州ジェファーソン郡の子供たち
ほんとのことは、分からない。
ただ、僕らはアメリカ南部の人間であること。そして、先祖はもともとアフリカ大陸のどっかから連れて来られた奴隷だったこと。
だけど、先祖がヨーロッパ人を恨んでいたかどうか、ほんとのことは、分からない。
僕らはタクシードライバー。でも、あの映画みたいに元兵士のドライバーなんて一人もいないよ。ほんとさ。ただ、このアラバマのタクシー会社の社員はほとんどがアフリカ系アメリカ人なんだ。僕を含めてね。
僕はジェファーソン郡に生まれたから、たぶん死ぬまでこのふるさとを出ないと思うよ。こうやってタクシーを乗り回すのが大好きだからさ。
何不自由ない。そうやって僕らは様々な人種で溢れかえるこの軍事大国でうまくやってるんだ。うまくやってられないヤツはクスリに手を出したり、犯罪を犯したりするけど。僕はこの街が気に入ってるんだ。1981年に大学生の頃、僕はパリを訪れたことがあるけど、やっぱり僕はジェファーソン郡が好き。
デパートのタクシー乗り場で停車してると、白人の一家が僕の車に向かって「ヘイ!タクシー!」と叫んだ。銀行員風の男の手を握る小さな女の子、清潔な服装の女は赤ん坊を抱えていた。僕は笑顔で扉を開く。四人だったから、助手席に女の子が座った。小学生くらいの。僕の娘より少し小さい。
僕はこの仕事が好きだ。女の子の顔を見て笑った。
「どちらまで?」
2人きりの帰り道。
もう夕暮れが綺麗に全てを紅く染めて。
何となく話しながら、ゆっくり歩いて、とりとめなく話した。
まだもう少し。
そう思っても足と共に道も進む。
あ、ちょっと。
そう言って足を止めたきみは、ぼくの耳元に。
寄せたくちびるを頬に軽く当てた。
またあした
逆行に隠したきみの顔と、陽に照らされた僕の頬は。
あつく、あかく。
柔らかなしあわせを映していた。
「別れ際に」
別れ際の挨拶は「また明日ね」
それが当たり前だった時間があった
社会人になってからは、代わりに「お疲れ様でした」になった
一人暮らし、誰もいない部屋に電気をつけて思う
会いたい人に毎日会える日々を幸せと呼ぶんだろう
無くなった「当たり前」を「幸せ」というラベルに貼りかえて、見えないように鍵を締めた
別れ際
放屁をかまし
早歩き スタスタスタ~…( ˘ω˘ )
ねえちゃんいつまでいるの?
別になんでもないけどさ、
それが恭の最期の言葉だったね。
何が言いたかったのかな?
今思えば、
もっと耳👂️傾けてあげればよかったなぁ…
後悔だけ残るなぁ✨
ゴメンね。恭
もっと話したいことたくさんあったのに…
なんだかね。
#別れ際に
「お前なんか、誰にも幸せにできない」
別れ際に放たれたこの言葉が、脳裏に突き刺さって抜けない。
幸せになれなかった腹いせなのだろうとは思うけれど、きっと私は幸せにできない不幸の存在なんだという呪いが解けない。
きっとこれは、一生解けることはないのだろう。
そう思っていたのに。
「いやそれ、あんた悪くないよ」
ふとした拍子で連絡が来た友人から、バッサリと言い放たれた。
「え……?」
「どうみても幸せにできなかったアイツが悪いじゃん!男のくせに捨て台詞とかなっさけな……とりあえずさ、アンタが幸せにできないとか、そういうの悩んじゃダメだよ。人は誰でも幸せにできるもんなんだからさ」
そういって友人はタバコを手に取り、一服した。
「……うん、気いつかわせてごめんね、ありがとう」
「この言葉が素直に受け取れないんじゃ重症だな。ま、アイツのことなんて忘れてパーッと遊び行こうよ」
私の発言を遮るような友人の言葉に、私は静かに頷いた。
別れ際の君の寂しそうな顔が浮かぶたびに胸の奥がぎゅっとなる。
初めて出会ったときは嫌いだったけど、いつの間にか毎日一緒に過ごしていた。春に出会いサクラと名前を付け、10年目の春に死んでしまった君の姿を忘れることはできない。
別れ際の君の寂しそうな顔を忘れられない。
「ごめんなさい」
そう言う君の胸元に僕の贈ったペンダントがきらめく。
ああ、今までの事は嘘だったのか。そう思うと、目の縁が熱くなる。
そして僕はあまりの悲しさにこう叫んだ。
「ペンダント返してよ!」
#別れ際に
小人の彼女は映画が好きだった
彼女はじいちゃんの空き家でこっそり暮らしている
住む場所を転々として今の家に越してきた。
普段は決して合うことはできないが
唯一彼女が姿を見せる瞬間がある
それが週に1回の僕とじいちゃんの映画鑑賞会だ。
カーテンの端から顔を出してスクリーンを観ていた。
別れ際の彼女はなんだか楽しそうだった
君が私に別れ際に言う言葉が「消えてください」であることを望んだ、私もそう思っているからこれはただの痛み分けだ、けれど君は何も言わずに消えたし私はブロックされたメッセージアプリにひたすら愚痴と悪口と暴言を投げつけている、恋は怨みになる。それを教えてくれたひとだった。最後のメッセージ、既読無視するならせめて罵詈雑言でも投げてくれないかな。そうしたらせめて可愛さ余って憎さ百倍からただの「嫌いな人」に成り下がってもらえるんだけどな。あぁ、君は面倒なことが嫌いなんだっけ?だから面倒な私から離れた、と言えば聞こえはいいけど結局捨てられたんだろうな。先に捨てられるのはいつも私だね。
別れ際に
最後に貴女と交わした言葉は今でも覚えている
「もしいつか、今の君みたいに困った人を見かけたら力になってあげてね」
あの日からどれくらいたったんだっけか?
貴女の笑顔も手のひらの温かさも、時間が押し流してくれたおかげで、思い出すこともなくなってきた
もう、どんな顔もだったかも覚えてない
けれども、あの時の言葉だけは今でも覚えてる
それがいまの俺を支えてくれているんだ
ありがとう
大切なことを伝えてくれた、貴女のキモチが今なら少しは分かるようになったよ
本当にありがとう
〜別れ際に〜
「別れ際に」
「またな」
「うん、また連絡する」
と言い合いながら もう何年間も会ってない
この歳になるとそんなのばっかり
私が学生の頃仲の良かった友達と別れ際にバイバイをして帰った。
次の日から友達は学校に来ることはなかった。
先生が言うには家の事情で引っ越してしまったとのことだった。
だから、友達はあの時すごく悲しそうだったのだと気づいた。
別れ際に。そんなことより最近暑い。もう秋になったんじゃないのか。
昨日も今日も部屋の温度が普通に30度とかで耐えられないわ。まぁ温度は高くても蒸し暑さはないから我慢しようと思えばできるけどそういうことじゃないのよね。
最近はずっとエアコンをつけてる。エアコンなしで過ごせたのは数日だったな。これまじでいつまで続くんだろ。
今日は新しいゲームを買ったからしばらくはそれで遊べる。ゲームを買ったのはモンハンサンブレイク以来か。楽しみだ。
季節の別れ際に彼は風邪を引いた。
はぁ。
ずっと溜め息ばかりついている。
熱は下がり体は動くが少しだるい。
明日は仕事に復帰しなければならない。
風邪さえ引かなければ。
そう思うがどうしようも無かった。
好きな秋の始まりは風邪からだった。
そう思っても秋を嫌いにはならない。
ただ、溜め息ばかり。
「5月頃に、『突然の別れ』ってお題は書いたわ」
お題に限らず、現代・日常ネタ、続き物の連載風で文章上げてるから、「別れ」そのものはチラホラ題材として出してるわな。某所在住物書きは録画済みだった某魔改造番組を見直しながら、それでもちょこちょこ、スマホの通知画面を確認している。
今回の題目は「別れ際に」。日常的な別れから、セーブデータ誤削除等による悲劇、恋愛沙汰、人生最大の際まで、執筆可能なネタは幅広い。
広いのだが。
「だって今回、S社参戦だもん……。いつかNも出てきて、リアル大乱闘魔改造兄弟ズとか、しねぇかなぁ」
当分、執筆作業は始まりそうにもない。
――――――
中秋の名月を数時間後に控えた都内某所、某アパートの一室、朝。
部屋の主を藤森というが、昨晩の夕食の余りをサッと加熱調理し直し、サンドイッチとして挟んで、ランチボックスに詰めていた。
ブリ大根の出世前の出世前、イナダ大根。その出汁を存分に吸った鶏の手羽元。アジフライならぬイナダフライ。それから、少しの栗にしめじ。
秋を取り入れたラインナップ、特に魚メニューの豊富さは、ぼっち生活では到底食いきれぬ秘技「一尾買い」によって、大幅なコスト削減を実現。
食費節約と仕事の効率化を理由として、昨晩まで職場の後輩が、藤森の部屋に来ていたのだ。
昨今急速に整えられた非出勤型。社外勤務である。
後輩は5:5の割り勘想定で藤森に現金を渡し、
藤森は金額に見合った昼食と夕食をシェアする。
在宅のリモートワークは、低糖質のスイーツと緑茶を伴い、順調に進んだ。
なにより理不尽な指示を飛ばすクソ上司や、妙な難癖をつけてくる悪しきクレーム客の機嫌取りをしなくて良いのは、非常に大きかった。
(で、……昨晩の「アレ」は、何だったのだろう)
薄くタルタルソースを塗ったパンでイナダフライを挟みながら、藤森は昨晩の後輩を思い返していた。
食後の茶を飲み終え、土産に弁当用の手羽元煮込みを持たせて、その日のリモート業務を終えた後輩。
別れ際に言われた言葉が意味深だったのだ。
『私、先輩がちゃんとハッキリ言ってくれるまで、待ってるから』
「何」を「ハッキリ言う」のだろう。
藤森はひとつ、心当たりがあった。
(バレているのだろうか。私が、この部屋を引き払って、田舎に戻ること)
雪降る田舎出身の藤森。13年前上京して、9年前初めて恋をして、その初恋相手が悪かった。
恋に恋する極度の理想主義者・解釈厨だったのだ。
縁切って8年、ずっと逃げ続けてきた筈が、今年の7月相手に見つかり、8月には職場に突撃訪問。
9月最初など、藤森の現住所特定のため、後輩が探偵に跡をつけられる事案が発生する始末。
自分が居ては、周囲に迷惑がかかる。
藤森はひとり、誰にも相談せず、10月末で離職し、アパートから出て、故郷へ帰る決心をした。
これ以上、初恋相手が己の職場を荒らさぬように。
初恋相手が、己の大事な後輩と友人を害さぬように。
『ハッキリ言ってくれるまで、待ってるから』
別れ際の後輩は、藤森の離職と帰郷について言及したのだろうか。
(そう言われてもなぁ)
初恋相手から縁切り離れる際も、藤森は誰にも言わず、相談せず、己個人の選択と責任のもと、職を辞し居住区を変えた。
今回もそのつもりであったし、今更どのツラで「実はな」と言えば良いのか。
「……はぁ」
仕方無い。 難しい。
藤森はひとり、ため息を吐き、首を小さく振って、サンドイッチを詰めたランチボックスを包んだ。