『力を込めて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【力を込めて】
あー…これは…。
「何とかしてよ郵便屋さん」
えぇ!?私ですか!?対処出来なくはないですが…。
「アンタしか頼れないべ」
うっ…押しには弱いので…。せーの!
―
サイバー?っていうのあれ。この辺じゃ見ない格好だけどあの郵便屋はよく見る。最新技術ってスゲーんだな。道塞いでた巨岩を拳で砕くんだもの。だとしてもだ。反動ヤバそう。やっぱり、あの郵便屋自体も強くないか?ん?郵便屋の見た目?気弱な女子だが?正直あの体躯でありとあらゆる場所に郵便物届けてるっての信じられない程にか弱そうだけどね。
5.力を込めて
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手首から力を込めて
握り殺す 気の毒なエゴは
目の前にすら吐き出せず
掌には紫の爪の跡
「力を込めて」
くじ引きをする時、当たれ〜と力を込めて
くじをひいたり、ガラガラを回す。
ビンゴも力を込めて穴を開けていく。
そしていつも当たらない。
何も考えず引けば、当たるのでは?と思うのだけど、
どうしても力を込めてしまう。
欲望のままに力を込めてしまう。
そんなんでは、絶対に当たらないよね。
赤信号から青信号へ
生を渡りきるまでは
「ごめんね」「がんばれ」
からだに力を込めて
「ありがとう」「がんばれ」
ひとりじゃないよ
点と点と続いて
今何度目かのステージを
力増し増しで飛び越える
力を込めて
力を込めて私はあなたに伝えたい
迷惑だなんて誰も思ってないよ
私は迷惑だ
なんて思って生きないで欲しい
自分が迷惑だと思って生きてるなんて悲しいよ
少なくとも私はあなたが大好きだよ
だから
自分は必要な人間だ
生きていますが何か?
くらい思って生きて欲しい
宜しくお願いします
大切な人が泣いていた。
私には手の届かない、遠いところで。
私には、
あの人の涙を拭うことも、
手を繋ぐことも、
あの人を傷付けるものを壊すことも、
なにも出来なかった。
私はただ、ペンを持った。
どうしようもなく遠い距離を打ち消すように、
どうしようもなく遠い距離を飛び越えるように、
私はただ、手紙を書いた。
[力をこめて]
力を込めて貴方にエールを
忙しくて、とても大変な日々を送っている貴方へ
私は頑張っている姿を応援して見守ることしか出来ないけれど、応援は少しでも貴方の力になると信じてる
どうかくじけないで
貴方の頑張りを見ている人は必ず居る
たまにはゆっくり休んで
私はいつでも貴方を応援してるよ
地図を見る。ここからは見えない場所を見る。胸がきゅうっとする。あの日のあのお出かけ。そこで今日も暮らしている人。
抱きしめる力の強さで伝えたい
言葉にならぬ熱い想いを
#力を込めて
【力を込めて】
力と、心を込めて、この愛の歌を歌う。
あの人に、届きますように。
『力を込めて』
見なくていい
これは私の生きている証明だ。
けれど見て欲しい
これは私の生きている証明だ。
笑っていて欲しい。
私が生きていた証明だから。
生きて欲しい。
私が生きる理由になるから。
あなたの正しさを。
あなたの清福を。
あなたの価値を。
私は私の言葉であなたの肯定を、続ける。
私は私の言葉でわたしの肯定を、続ける。
この生き様で私の証明とする。
力を込めて
10月7日、月曜日。午前8時13分。次の休みまであと5日。
数ヶ月に一回。滅多にない会話の機会の妄想に、
たてつけの悪いドアにひっかけた指先に力を込めて。
この喧騒のなかで、少し頑張る"力"にさせてもらうね、
力を込めて
「塩とって」
きみに塩を渡すたび
わたしは塩に
愛の魔法をかける
(魔)力を込めて?
もう
来年のことを
考えている。
あなたの
誕生日に
どこに行こう?
何をしよう?
YouTubeや
Instagramを
調べまくり。
あなたの
喜ぶ顔を
また、
隣で見たいから。
#力を込めて
はい!!!!!
見つけた!!!!!!!!
(ここでペロッと舌なめずり)
見つかった
年末。
久しぶりに帰った実家で、ゴロゴロしながらスマホをいじっていたときのこと。
『もういなくなりたい』
『私なんて生きてても意味ない』
SNSを眺めていたら、そんな投稿が流れてきた。投稿時間は5分前。
何気なく投稿主の名前を見て、私はガバリと起き上がった。コートとマフラーを雑に身につけて、家を飛び出す。
投稿主は、幼稚園からの幼馴染のカナちゃんだった。私が上京して以来疎遠になって、もう5年は会ってない。今は、SNSで繋がってるだけの間柄だ。
確か、まだ実家に住んでいたはず――。
記憶の中のカナちゃんの家へと走る。
頭の中を巡るのは、今走っている理由。小さい頃一緒に遊んだ思い出もそうだけど、一番は、高3の終わり。受験に失敗して浪人決定して、絶望してた私の手を握ってくれた、カナちゃんのぬくもり。「大丈夫だよ。」優しくて強い、言葉と眼差し。
私は、根拠のないその言葉に、カナちゃんの優しい力強さに、救われたから。カナちゃんが傷ついてどうしようもないときは、私がカナちゃんを助けようって思ったんだ。
きっと、今がそのとき。
左手に三角公園、カナちゃんの家までもうすぐだ、と思ったとき、公園のベンチにうつむき座る女性を発見して、私は急ブレーキをかけた。
「カナちゃん!!!」
叫べば、女性は顔を上げた。私の顔を見て、目を見開く。
「もしかして、アキちゃん……?どうして……?」
その目から、ポロリと雫が溢れ落ちた。
私は駆け寄り、思いっきり彼女を抱きしめた。
「受験のとき凹みまくって死にそうだった私を助けてくれたこと、今でも感謝してる!ありがとう!!」
彼女が身じろぐ。私は、構わず続けた。
「この5年、SNS見て、カナちゃんもどっかで頑張ってるんだと思って、私も頑張ってた!一緒に頑張ってる気持ちになってた!」
抱きしめた腕を緩めて、彼女の濡れた瞳をまっすぐ見つめて、私は、言葉を伝える。
「だから、大丈夫!!」
何の事情も知らないけれど。めちゃくちゃかもしれないけれど。それでも、あなたに伝えたい。
“私は、あなたに生きててほしい”
たったそれだけの思いを、力を込めて、言葉に乗せた。
力を込めて叩く叩く叩く
汗を散らしてひたすら叩く
体はどんどん熱くなる
心もどんどん熱くなる
その場の温度を上げていく
見るものの熱気も上げていく
太鼓の音が周囲に響き渡り
人々の腹を震わせ
人々の心も震わせ
力を込めてまだまだ叩く
力を込めてドンドン響かす
力いっぱいいい音を鳴らす
それも大事だけれど
心を込めて叩く
これも同じくらい大事なこと
【力を込めて、ドロップキック!】
ターゲットが、フリフリした女を連れてここに来た。
彼を落とした場所にデートに来るなんて、やっぱりあのクソ男は狂ってやがる。死神として殺るならいいって閻魔様直々に許可を頂いたくらいには地獄にいる方がいいクソだからな……。
「先輩、こっちに来てください!此処からでしたら、花火が綺麗に見えますよ!」
「ははっ。そんなに急かさなくてもちゃんと側に行くから」
「きゃ…♡もう、先輩ったら!」
…込めろ。私の悔しさと怨みを!
…込めろ。私の哀しみと怒りを!!
…込めろ。私の力全て、全力を!!!
それが今の私ができる、最大の復讐だ!!!!!
『落下死しやがれクソ男!!!死神!ドォーロォーップー…キィィ⸺ック!!!!!』
「⸺な…??!」
「先輩!?⸺イヤっ、先輩!!!」
急に来た背中からの衝撃に驚きながら、訳も分からず落ちていくクソ男。やがてその肉体はグチャリと音を立て、地面に赤い水溜りを広げていく。
もっと痛みがある方法で苦しめても良かったかもしれないが、私としては生前からやりたかったドロップキックで落とせて、軽く納得している。これ以上の苦しみは閻魔様や地獄の方々が与えてくださるだろう。
『これで晴れて死神見習いとして卒業出来たし、彼のとこに行ってお話してもいいか許可もらってこようっと♪』
*
『鳴知、なんでそんな危ないコトをしたんだ?』
『学さんの仇…取りたくて』
『そんなこと、考えなくても良かったのに。……早く兄さんから自立しなかった生前の僕も悪いから』
『学さんは悪くない!悪いのはあのクソ男だけだから!』
『…そう言ってくれてありがとう、鳴知。けど、死神になるって良かったの?鳴知なら記憶を持った転生も選べたのに』
『……それだけ、あのクソ男に私自身で死の鉄槌を下したかっただけだよ』
『そう…僕は順番を待ってから、転生させてもらうよ。しばらくしたら、鳴知とはお別れだね』
『うん。けど、寂しくないよ。だって、最後まで一緒にいられるから!』
『⸺!そっか…鳴知、ありがとうね。僕でいるまでずっと愛してるよ』
『私もだよ、学!』
力を込めて
祈りを込めて
怒りを込めて
気持ちを込めて
心を込めて
「入れて」より「込めて」の方がより強い意志や感情があるような気がする。
力を込めた演説は人の心を揺さぶるけれど、こちらの心を揺さぶったのならそれだけの何かを成し遂げて欲しい。
そう思うのは私だけじゃないと思う。
END
「力を込めて」
#力を込めて
「……はる? もう寝た?」
「ん、起きてる……。どうかした?」
「あぁ、えっと……」
街は寝静まった、空も漆黒に染まっている時間。
さっきたっくんにおやすみを告げてそれぞれの部屋に入った、はず。
保湿だとかケアも全て終わっていた私は、少しSNSを覗いてすぐ布団に入っていた。
眠りにつこうとまぶたを閉じたところで控えめにノックする音とたっくんの声が聞こえて、聞き逃さないよう耳を澄ました。
「……いいよ、入ってきて。」
いつも薄着で寝がちな私は起きる頃に服がはだけていることがたまにあって、見られたくなくて夜から朝にかけて『部屋に入ってこないで』と言っていた。
でも今日は特別、たっくんが心配だから。
いつも布団に入った瞬間寝てしまうようなたっくんが、まだ起きていて私の部屋を訪れる、それだけで何かあったのかと思う。
「はる、……抱きしめていい?」
「うん、おいで。」
「ん……」
少しやつれた顔で、目は不安そうに彷徨っている。
今日朝も夜も一緒にいたけど、全然そんな感じじゃなかった。
強がって平気ぶってたのかな。
「……ごめん、……っ」
「大丈夫、疲れちゃったんだよね? 竜也、いつも頑張ってるもんね。お疲れ様。」
声を押し殺して泣く竜也の腕には、離れまいと言うように力がこもっていた。