『同情』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『 同情』
今日もあの人はいない。
アドバイス通り、チョコを渡して、あやまった。
が、しかしだ。
先日の出張がキッカケで、イベント開催が決定し、あの人はしばらく忙しくなった。
会社でもすれ違ってばかりだ。
平日はもちろん、週末も会えずじまいが、もう2週間。
同じ部署なのに、あいにく僕は別の班。
今日は午前中に会議があった。
昼前に終わって、部署に戻るために席から立ち上がる。
みんなの後ろをノロノロと歩いて会議室を出たところで声をかけられた。
「おつかれ」
「おつかれさま」
「あ、おつかれさまです、、、」
あの人の同期さんとチョコのアドバイスをくれた女子社員さん。
「今日はコッチなんですか?」
「いや、またこれから向こうに戻る。アイツもあっちだよ。俺よりアイツの方が忙しくて、だいぶ疲れてるっぽいけどな、、、」
資料が入った手提げ紙袋が重そうだ。
「私は今日だけお手伝い」
女子社員さんは、サンプルの入った紙袋を下げていた。
この2人は、仕事とはいえ、あの人に会える。
同じ空間で過ごすんだ、、、。
うらやましい、、、。
気を抜いてしまったんだ。
僕とあの人のコトを多分気付いている2人の前だったから。
「うらやましいです。
雪村さんに会いたい、、、」
2人が苦笑いを浮かべた。
「雪村さんが足りない、、、」
同情するなら、金をくれ。
有名なフレーズだ。
どこかのネット記事で、読んだ内容が印象的だった。
あの時は「貧困」が、エンターテイメントだったと。
果たしてあれから、30年。
女性の立ちんぼが社会問題になる時代。
あれ?
テクノロジーは進化した。
人の世はどうだ?
疑問を持つことが、まず第一歩だと思う。
『同情』
路地裏で犬を拾いました
それはひどく汚れており傷だらけで
やせ細っていて骨が浮いていました
屋敷へ連れて帰った私はお風呂に入れて
毛並みを乾かしふかふかのブランケットに包みます
起きてからもその犬は何も口にせず
いつも部屋の隅に丸まっていました
近づこうとすれば牙をむき出しにして威嚇します
その金色の瞳は何かに怯えているようにも見えました
ある日のことです
犬の様子を見に行くとそこには人間がおりました
こちらを睨みつけているその瞳も髪の色も
あの犬のものだと私は気づきました
「なぜ助けた」
なぜ?私にもわかりません
同情、憐憫、興味、好奇心、或いは…
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
それが彼との出会いです
今では名前を呼ぶとすぐに私のもとへ
駆けつけてくれる頼もしい相棒です
ね、セバスチャン
同情の表情を向けられるから、
自分が周りから見て不幸だと知る。
悲しい。
同情
やなことば
でも なんでか嫌いじゃない
海に映る鏡像の月みたく
揺れて 姿が見えないからかな
何重にも想いが重なって
分厚いどこかの壁みたいだけど
私が疲れて立てない時に
いつも 寄りかかれるからかな
いつもありがとうね
SNSで見かけたひとつの投稿。
インフルエンサーになった友達のInstagram。
まるで韓国の女優みたいな美人。
彼女のインスタは俳優の彼氏とのデート、ブランド品で埋め尽くさせている。
最近、とある投稿でネットニュースになるくらい大きな炎上をしたらしい。
女優が彼氏と共演したから文句を言ったとかで。
フォローは30万人くらいだったらしいけど減少しているみたい。
DMが来たけど同情は全くしない、自業自得でしょ。
同情
とっても近くて、とーっても遠い存在
交わることはないのだけれど、隣にふらっと座ってくれて気持ちを一つに合わせてくれる
覆ってくれた手から温かみを感じる
それだけでありがとう
rainbow's end.
「可哀想。」
その言葉を聞きたいわけではないのに、何故か彼には苦悩を話してしまう。
"同情"
同情する優しさも、薄情なことをする優しさも
どちらもあるんだよね。
「となり、いい?」
自分でも何故声をかけたのか分からない。
でも、公園で見かけたその子は酷く辛く今にも泣きそうな顔をしていたので何となく放っておけなかったのだろう。
その子は特に何も返してこなかったが、特別嫌な顔はされなかったし自分の隣に人1人分座れるスペースを空けてくれたので遠慮なく座った。
特に何を話すわけでもなく時間は過ぎた。
ただ一言だけ、
「親が離婚しちゃったんだ」
とその子が言ったっきり。
次の日も、その次の日もその子はそこにいた。
毎回僕が来る度に1人分空けてくれる。
僕がそこに座る。
ただそれだけだった。
会話はない。
何日か経ったある日、その子が急に口を開いた。
「、、可哀想だと思ってる?同情してる?」
「うーん、いや別に?」
「君の気持ちは君にしか理解出来ないから、可哀想だなんて軽々しく思えないかな」
「!、そう、、」
僕の言葉にかなり驚いた様子を見せた。
続けてポツリポツリ少しづつだけど確かに言葉を発する。
「周りの友達や大人がね、私のこと可哀想って」
「そう言って気を使って優しくしてくれるの」
「でも、それが辛いんだ」
僕は黙ってその子の話を聞く。
「お父さんとお母さん、親がちゃんと2人ともいてっていうのが1番幸せかなんてきっとその人によって変わるのに」
「少なくとも私はね、今の方がお母さんも前より心から笑ってて幸せなの」
「それにさ、同情って残酷だとも思わない?」
「それって結局、他人が幸せかどうかを勝手に自分のものさしでで判断して決めて、それを相手に押しつけてるんだよ」
そこでその子は言葉を一度切った。
そして少し躊躇った後に、僕にこう尋ねた。
「君はさ、私のこと可哀想って思ってないなら、同情してる訳じゃないなら、どうしていつも隣に座ってくるの?」
「特に理由なんてないよ」
「だだ、、君は僕が来るといつもちょっとだけホッとしたような顔するからさ」
「それだけだよ」
「!」
その子はだいぶ驚いた顔をしていた。
その様子を見て僕は続ける。
「君が言うように同情っていう行為が押し付けがましいのよくわかる」
「だし、相手には悪気がないのも難しいよね。」
「だからね、同情っていうより寄り添うってことが大事なのかなと思って」
「僕は君に可哀想な子ってレッテルを押し付けるんじゃなくて、君の苦しみに寄り添いたい」
「、、ありがとう」
その子は少しだけ顔を伏せて言った。
最初は変なこと言っちゃった!?た思ったけど、どうやら違うらしい。
髪から覗く耳が少し赤くなっていた。
「全然いいよ!」
再びその子が口を開こうとする。
「あのさ、あ、えっと、、」
何かを言おうか言わないか迷っていたようだか、、決めたようだ。
「もし君が悲しかったり苦しかったりする時は、私が君の心に寄り添いたい!、、です」
ほんのり心が温まっていくような気がした。
でも、きっとそれだけじゃない。
「うん、ありがとう」
僕たちは打ち解け合うと同時に、
お互い恋心を抱いてしまったらしい。
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『同情』
あなたの生きる音をコピーして
繰り返して再現する
あなたがここに居なくとも
あなたの生きた印をいつも刻んでいた
生きてもない私の心に
いつもあなただけが生きていたの
あなたに会いに逝きたい
お題 同情
同情するなら初めっからそんなことするなよ
僕は毎日同情してる人に思う
言いたいけどそいつらはどうせ話は聞かん
意味が無いから無視するだけだ
「え!?雪(ゆき)いつの間にアイツと別れたの!?」
「シィーッ...!!声が大きい...!」
「あ、ごめん」
居酒屋の一室、私は久しぶりに雪と飲みに来ていた。雪と私は友達で大学のサークルの飲み会で知り合った。偶然隣に座ってて、話すと似た者同士だったから意気投合したのがきっかけだったはず。
ちなみにアイツというのは雪の彼氏......現在は元カレである。名前は実(みのる)。
「...でも、あんなに言っても別れてくれなかったのになんで?...あ、ごめん。言いたくなかったらいいよ」
「ううん、聞いて欲しくてさ.........俺さ、大学で話してた時の実が超タイプでさ、もう本当に付き合いたいぐらいだったんだよその当時。でもな」
雪がグラスを回すと、氷がカラカラと音を立てる。
「…確かに葉瀬(ようせ)に言われた通り、夜遊びが超酷かった。でも俺好きだったから許してたんだよ...」
「あ、雪の悪いとこ出たよ。自分に悪いことされても、好きな人には強く言えないとこ」
「うぐっ...」
「で、それで?」
「......許してたんだけど、この前の一年記念に俺とした約束守ってくれなくて。俺、気づいちゃって。『あーあ、俺が好きなのは付き合ってる実じゃなくて、憧れてた実だったんだな』って。そこからなんか...さ...」
雪はそのまま机に顔を突っ伏した。
「......そのまま別れよう、って言って飛び出してきちゃった」
「あー、雪の良いところ出たよ。そうと決めたら思い切るところ。私は好きだよ」
私はそう言って突っ伏したままの雪の隣に座って、背中をとんとん、と優しく撫でた。
「...未練あるんだけど......」
「忘れなーーあんな屑野郎。男なんてね、星の数ほどいるんだから。雪は顔も良いし、何でも出来るし、きっと次は上手くいくよ」
「......本当か?」
「逆になんだと思ってるんだよ。私より顔良いんだから、ふんだんにそれ使いなー」
そうやって暫くぽんぽんと撫でていると、雪は落ち着きを取り戻したのか机から起き上がった。
「お?」
「...メイクする」
「ん?」
雪はすっ、と立ち上がる。そして
「俺メイクしてめっちゃ顔良くして実に『あんな素敵なやつに振られちゃったんだ』って思わせる!!」
と高々に宣言した。
「おー!なんでそうなったか分からないけどそのいきだー!応援するよー!!」
「流石俺の友達!!今日は飲も~!!」
「いえーい!」
なんでこうなったのか分からないけど、雪が元気になってくれて良かったと思った。
お題 「同情」
出演 葉瀬 雪
屁理屈なパンケーキは言いました。
人に寄り添うとか言う奴ほど信用できない
他人の不幸を見て安心しているんだ
彼は私に言い聞かせました。どうして?助けてくれるならいい人なのに。この人はいつもツンツンしています。
不幸を比べることはいい事じゃないよね
でも、全員がそうではないじゃないか
無重力のハリネズミが言いました。無重力のハリネズミはいつもニコニコしていて優しいです。
全員とは言っていない ただ胡散臭いだけさ
純粋な奴ほど損をする だったらそいつにも防御を備えるべきだと思ったんだ
私にはよく分かりません。でも、人を悪く言う屁理屈なパンケーキは良くないと思います。
私がそう言うと、屁理屈なパンケーキはフンッと鼻を鳴らして、無重力のハリネズミは困った顔で笑いました。
寄り添い方にはいろいろあるよね
同情というのもその方法のひとつなんだ
そこにどんなニュアンスを持たせるかは人それぞれ
だから屁理屈なパンケーキが言うのもあながち間違いではいないんだと無重力のハリネズミは言います
彼が言うならそんな気がしてきたけど、私はいまだモヤッとしていました。
とりあえず、屁理屈なパンケーキは嫌いです。
私がそう言うと、屁理屈なパンケーキはそっぽを向いて、無重力のハリネズミは苦笑いして彼に蜂蜜をかけてあげていました。
.同情
下取りセール開催中とのことで、ちょっと性能の良い体重計を買ってみた。型落ちだけど。
体脂肪率が結構な精度で解るやつ。
試しに乗っかってみると身体年齢は二十代、体脂肪も基準値以内だった。
朝のウォーキングってかなり効果的なんだな、なんて思いながら体重計から降りると、洗面所のドアの隙間から君の恨めしそうな顔。
「おかえり」
……そういやあ、腹周りがブニってきたとか言ってたな。
ただいまの挨拶もそこそこに、道端の雑草を見るような目で我が家のニューフェイスである体重計を睨む君。
「『量るだけダイエット』っていうのが有るらしいよ」
恐る恐る言えば、キッと此方を向いた君が口を開いたところで、キッチンの炊飯器が音痴なアマリリスを奏でた。
これ幸いとキッチンに捌けて夕飯の支度、今夜はレンコンのはさみ揚げ。
大きなレンコンを、割らないように気をつけながらザクザクと包丁を入れていたら、洗面所から君の何とも情けない叫び声が谺した。
……揚げじゃなくて、蒸しにしようかな?
テーマ「同情」
かかとにかかと、脚に脚、お腹にお腹、腕に腕、からめて頬を寄せあい、ふたりしっとりと眠った。なにもかもこわくなくなった。たとえば暗やみ。たとえばかなしみ。するどい黒と、あらゆるかなしみはいつもわたしを包んだけれど、きみがとんとんと赤子をあやすようにわたしの背中を叩くので、その間、平気でいられた。こっそりと、きみの腕のなかで少しだけ泣いていたら、ぐったりとつかれてしまいいつのまにか朝になっていた。
題 : 同情
「同情されるのは嫌だ」
そう思いつつも、心のどこかでは同情でもいいから気にかけて欲しいと思っている。
SNSで承認欲求を満たす日々。
誰でもいいから、「私」という存在を少しでも気にかけて欲しい。もう少し大人になれば、こうした気持ちも落ち着くのだろうか。
まだまだ未成熟な子どものわたし。
別に同情なんかしない
けど、彼女と別れて苦しんでる彼
「興味なんてないけど、後悔だけするなよ、」って
自分も辛いのに、
結局彼の幸せを願う醜い私
どうせ、復縁するって分かってるのに
同情
「俺は精神的にも肉体的にもアイツを傷つけちまった。
だから、どうすればいいのか分からねえんだ…」
サンドラとロード、凱に説得されて少しだけカイの部屋に行くことに前向きになった三四郎がポツリと呟いた。
「俺が自分に向けた苛立ちとか不甲斐なさを、カイは自分への同情だと誤解してて。…アイツ、同情されるの死ぬ程嫌いだろ?エムパスで感じ取るからきっと疑ってない。
俺も言葉で伝えるのが下手だから何言っても信じてもらえない気がする」
三四郎らしくない弱気な言葉にサンドラとロードはお互い目を見張って確認しあう。
ずっと、彼ら二人の雰囲気を見守ってきた夫婦はその言葉を聞いて微笑んだ。
「三四郎、何を言ってもムダだと思っちゃダメ!
確かにエムパスは素晴らしい能力だけれど、そこに甘えてないかしら?
カイにはカイの真実があるように、三四郎には三四郎の真実があるでしょ。それが同じものとは限らない。
どんなに下手でも拙くても、自分の言葉と気持ちでカイに言わないと本当の意味で彼に伝わらないわよ」
「サンドラの言うとおりだ。
エムパスはカイから見たフィルターなんだ。とても便利だけどいつも正しいかと言われるとそれは違う。
三四郎、カイは君を拒否しているんじゃないんだよ」
「…そう、なのか?」
不安そうに、しかし少しの希望を見出して三四郎の声のトーンが明るくなる。
そんな三四郎の背を押すように3人は力強くうなづいた。
「どんな事でもいいから言葉にしてカイに話す。
それが仲直りの一歩です。真剣に話せばちゃんとカイに伝わります。
エムパスであろうと無かろうと気持ちを届ける意思を見せなければ関係は変わりません。その努力はきっとカイも感じ取るはずです」
ようやくカイの部屋へ行く気になった三四郎を励まし、送り出した3人はホッとひと息ついた。
「結局のところ、三四郎の気持ちの問題だね。
カイは三四郎を完全には突き放せないからね」
「私たちの同情と三四郎の同情はカイにとっては意味が違う。カイは三四郎と対等で有りたいから同情されるのが嫌なのね」
「どちらも相手に対して素直になれないところが問題を大きくしてしまうのでしょう。
アドバイス通りにすればすぐに結果はでますね」
すったもんだを繰り返すはた迷惑なバディに思いを馳せながら、3人はゆったりとしたブレイクタイムを過ごすのだった。
「同情」
(2/14「バレンタインデー」と一緒に読むと面白いかもしれません)
ここは罪の国。幼子の悪戯から裁かれていない巨悪まで、
多種多様な罪の数々がコレクションにされる国。
俺はこの国に送られてきた数多の罪を管理する役人だ。
最近、この国に新しい大罪が加えられた。
なんでも、お菓子の国の姫君が猫の国の王子を毒殺したらしい。
噂には聞いていたが、まさかそんな大事件が本当に起こっていたとは。「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったものだ。
姫君は色んな飾り付けをしたチョコレートをバレンタインの日に王子へと匿名で贈ったようだ。それを喜んだ王子は何にも考えずに全部それらを口にして、結局命を落とすはめになったと聞いた。
彼女は自分の好きな相手のことをろくに知りもせず、相手の命を奪ったんだ。少しでも調べたらわかることだろう。猫にとってチョコレートは毒だってことくらい。
とにかく、一国の王女が異国の王子の命を奪うという罪を犯した。理由はひとつ、彼女はあまりにも無知だったのである。
犯した罪は裁かれなければならない。
しかし俺は無知故に生まれた罪について、考えを巡らしていた。
俺たちは知らず知らずのうちに誰かを、何かを傷つけていないと言い切れるのだろうか?
己の無知によって自分の首を絞めてはいないか?
だが、無知であることはある意味幸せなのかもしれない。
「知らない」ということは、悩みが生じないということでもあるから、ある種の心を守る手段でもあるだろう。
それでも、だいたいの場合「無知は罪」とされるのだ。
彼女は、「恋するひとにバレンタインの贈り物を届けた」だけなのだ。しかしそれが仇と、罪となった。
飴細工でできた罪を大きなキャビネットにしまいながら、俺は彼女に同情した。君だって、無知による罪の被害者だもんな。好きな人を失ったんだから。
さて、今度はどんな罪が届くだろうか。
次の仕事に取り掛からなくては。
大きな伸びをしながら、俺はこの部屋を後にした。