『君と一緒に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「今日は少々予定がありまして、十七時頃になるまで貴方の元にいけませんので、昨日の復習をしていただけますか?」
朝六時に顔を出したウィルは申し訳なさそうに眉を下げながらそう断りを入れた。
「大丈夫です……! むしろ、ボクに時間を使っていただけるなんて申し訳なくて…………」
「また、そのようなことを言うのですか。貴方の教育係として任命されてるので、時間を使うべきなのは貴方であり、むしろ今から向かわなければいけない事の方が私の時間を割いていると言えます。分かりましたね?」
若干の圧を残しながらそう問いかけて答えを聞かずにウィルは扉を閉めて去っていた。どういうわけか、扉の鍵を掛けられてしまったらしく、外からしか鍵を開けられないためにサルサは部屋の中に閉じ込められてしまうことになった。
が、そこまで気を悪くしなかったらしい。扉が開かないことを確認したサルサは少々不思議そうな顔をしただけで、部屋にあるテーブルの前に腰掛けたのだった。
「……やるか」
小さく呟いたサルサはノートを開いた。そこには昨日書庫で教わったことが事細かにメモされている。
「月は赤と青があって、赤が太陽と同義……。太陽も赤いから色で統一されてる感じがする。…………まさか、そんなわけないか。デウス様はボクら人間の信仰する対象。そんなお方が合わせるなんてはずはないか」
サルサは一つため息をついて、窓の外を見やった。赤い月が空の半分くらいの高さで光り輝いている。
「……少しだけど怖いな。まるで、神様が生きてる世界じゃなくて……」
『地獄みたいだ』そんな言葉が零れ落ちそうになったのを受け止めるかのように口を塞いだ。
「……まさか、ここが……いや、そんなわけがない。だって地獄は悪いやつが来るとこだ。デウス様はボクたちのことを導いてくださる神様。悪いやつなわけがない。だからここは天界。そうだ、きっとそうなんだ」
まるで言い聞かせるように呟いた彼の顔は微妙に歪んでいる。
ふと思いついてしまった些細な違和感は気になってしまったら、忘れない限り気になり続ける。そして、忘れるのはなかなか難しい話である。
「はぁ…………」
ため息をついてノートに向き直るもすぐに顔を上げてしまった。立ち上がってカーテンを閉めれば、景色は確かに遮られたが白いカーテンが赤い月の光を部屋に写した。
「…………ボクはここで生きていかせていただくんだから、変な邪推はしてはいけない……。いけないんだ…………」
頭を抱えながら座った彼は、少しの間目を閉じた後に首を振ってからノートに向き直った。
「復習をしなくちゃ。…………えっと、ここの世界は一ヶ月が三十日で、それが十二月まであって、十三月が五日間ある。人間界が閏年の時は一日増える……」
ノートのメモを音読した彼は、ふと眉をひそめた。
「……十三って、悪魔の数字、とか聞いたことが………………」
今度は口から言葉から零れるのを止められなかったらしい彼は、小さくため息をつきながら、首を振った。
一度不信感を抱いてしまえばもう駄目なことは誰の目にも明らかである。
「……ウィルさんと一緒に勉強をしていた時はこんな思考が浮かぶことなんてなかったのに」
サルサは小さくため息をついた。
「だから言ったでしょう! 思考回路を一部塞いでないとめんどくさいことになると!」
そう問い詰めるように言ったプロムに対してデウスは若干目を逸らしながら言った。
「……あまりにも従順だったから良いかと思ったがやはりダメか」
「当たり前でしょう。アイツだってダメだったんですよ」
「あぁ……分かった。これからは掛けるのを忘れぬようにしよう」
「……そうですね」
プロムは満足気にそう言った。
昨年は、君と一緒に過ごせることが少なかった。
とても寂しい思いをした。早く会いたいって思った。
今年は、今年こそは、君と一緒に………。
『君と一緒に』
引っ越しをするので荷造りをしている。
荷造りをしているとアルバムが出てきた。
そのアルバムを見るとその時の記憶が蘇ってきた。
あれは確か10年ぐらい前の高校生の時だっただろうか。
僕は新しい環境でまだ高校生活に慣れていなかった。
そんなある日、隣の席だった君が話しかけてくれた。
それ以来、君とは良く話すようになった。
休み時間にも話していた。
そんな生活を送っているうちに家の方向が同じだと知った。
そして僕は勇気を出して、「今日、一緒に帰ろう」と君に伝えた。
すると君は笑顔で「うん!」と答えた。
そして放課後。
いつもと同じように楽しい話をしながら帰った。
すると空がオレンジに包まれた。
夕焼けだ。
とてもきれいだった。
その夕焼けを君と一緒に見た日を僕は忘れない。
今でも一緒に見に行く。
君と楽しい話をしながら今を生きてる。
氷雅
君と一緒に、
君はいつも私を受け入れてくれる、ふわっと優しくつつみ込むように、
そのおかげで
ゆっくりできて、肩のカが抜ける、今日は、体がつらく
1日寝てすごしたなの肩の痛みは、減ったけれど動きが、にぶいのは一緒かと。
「夜(よる)、聞いてください。明日200年に一度の流星群が見られるんです。見ませんか?」
吹雪(ふぶき)は充電中に、姿勢を正して夜に話しかける。
「吹雪、僕達は与えられた役割をこなす必要があります」
「いいじゃない、ですか。時には、休みも必要ですよ」
「否、機械に休みは必要ありません」
「そんなこと言わずに、一緒に見、ましょう」
にこっ、と吹雪は夜に笑いかける。
「吹雪、声帯に異常あり。検査をオススメします」
「確かに最近調子、が悪いんですよね。風邪でしょ、うか?」
「否、機械は風邪を引きません」
「それ、もそうですね」
ふふふ、と吹雪は手を口に当てて笑う。
「とりあえず、明日一緒に見ましょ、う。流星群」
「何故一緒に見ないといけないのでしょうか。一人で見ても、二人で見ても変わらないはずです」
「人は誰と見るかで見方が変わるそ、うですよ」
「否、僕達は人間ではありません」
「しか、し僕達は人間と似ています。なら、人間の真似事をしたって、いいじゃないですか?」
吹雪はこてっ、と首を傾げる。その首を自分の手で戻すのを見なければ、可愛いものなのだが。
「わかりました。吹雪の要望に応えましょう」
「ありがとうございます」
あ、充電終わりました、と吹雪は背中からコードを抜いた。
お題 「君と一緒に」
出演 夜 吹雪
遠くなくていいからさ、
綺麗なものなんてなくていいからさ、
君と一緒に。
君と一緒に海に行ったのを覚えてる。酷く静かな波打ち際に、僕と君の2人だけで、冷めた肌を合わせて手を繋いでゆっくり歩いた。
今日は波が静かだから、君から目を離しちゃいけないと思った。目を離したら、静かにひとりで沈んでいってしまうような気がした。
だから僕たちは手を繋いで、2人だけで、静かに話すことも無く海へ入る。喋らず、顔を見ずとも、君と繋がっている手だけは、暖かく火照って君を感じさせた。
手を繋いだ僕たちは、きっとこのまま消えるのだと思った。
「寒いね」
マフラーに埋もれながらそう嘆く君。既に指先は冷え切っていて、感覚が麻痺しているのではないかと心配になる。けれど、君は自由で。こんな寒い中でアイスに釣られてしまっていた。
「今日も頑張って生き抜いたから」
たっぷりのクリームもいいが、ほろ苦いカラメルも悪くない。引き換えにカイロと金を握らせた。
夜風に首を狙われながら、今日も俺達はアイスを味わっている。
「甘美なる誘惑」
お題
君と一緒に
君と一緒に時を過ごすと
早く時計が進む気がする
夢を見ている
そんな感じがする
快楽を感じる今に
密かに僕は涙する
幸せとは、辛いことを経験したことがあるからこそわかる体験のことである。例えば、寒い中待ち合わせしててドタキャンされて歩いて帰ることになったけど、歩いてると、段々と冬晴れ模様になって、持っていたホットドリンクが、丁度いい温度で美味しく感じられて、思いきって君と一緒に行くはずだった買い物を、一人で満喫してみた結果。意外とめちゃくちゃ楽しい体験が出来たみたいな。
幸せとは(1/5)冬晴れ(1/6)君と一緒に(1/7)
障害を持つ保護犬のノンとココ
辛い記憶が消えますように
昼食をご一緒する日が来るなんて
夢のよう バチ当たらないよね?
#君と一緒に
「置いて行ったりしないから」
よちよち歩きしていた頃から一緒にいたから、今さら離れるなんて思わなかった。
「泣き過ぎ!」
そう言う彼女も、今にも泣き出しそうだ。
「だ、だってさぁ……」
「もー。なんであんたが泣くわけぇ……」
「うう……情けねー、俺……」
「まぁ、今さらだけどね」
「……うう」
志望校に合格した彼女にお祝いの言葉を言おうとしたら、涙が溢れて止まらなくなってしまった。
物心つく前から一緒にいるから、今まで散々みっともない姿を晒してきたが……
「たった四年じゃないの」
「四年もだぞ!」
県外の大学への進学が決まった彼女と、県内の大学を志望する俺。
初めて離れ離れになる。
俺は将来やりたいことが定まっていない。大卒というステータスを得るためだけに大学に行こうとしている。
それに対して、彼女には夢がある。真っ直ぐにその夢を追う彼女に対して、置いていかれてしまうのではないかと不安なのだ。
「大丈夫、置いて行ったりしないから」
彼女の唇が頬に触れる。
「私だって、ずっと一緒にいたいんだよ」
眉を下げて微笑む彼女の頬を、一筋の涙が流れた。
────君と一緒に
君と一緒になんて
制約を楽しめる
そんなエネルギーは
どこにもないよ。
と、君と呼べる
誰かはいない人間の
独り言。
(君と一緒に)
君と一緒に
君といつまでも一緒にいたい。
一緒に笑って喧嘩して。僕らにそんな未来を過ごせる時間がまだ残されてたら良かったのにね。
明日は、職場内の昇進に関わる試験の日。ベッドの中、ついつい明日のことを考えて眠れず、ゴロゴロと頻繁に寝返りをうつ。
「緊張してるの?」
隣から、同じベッドで寝ている妻の声が聞こえてきた。
「うん。わるい、うるさいよな、ごめん。眠れなくてさ」
俺が情けなく返すと、
「いいのよ。昔から緊張しいだものね、あなた」
と言い、ふふっと笑った。俺はその微笑みに少し救われた気持ちになる。
「……ねえ、手、繋いで眠らない?」
妻が柔らかい声音で言う。
俺がどういうことかと顔を向けると、妻の優しい眼差しと目が合った。
「昔、あなたが、就活で不安がってた私の手、握って添い寝してくれたことあったじゃない?あれ、すごく安心したの。だから、どうかなって」
何年も前、俺たちが学生だった頃のことだ。確かに、そんなこともあったか。
「では、よろしくお願いします」
そう言って、俺は右手を差し出す。妻は、俺のかしこまった言い方をおかしそうに笑って、自分の左手を繋いでくれた。
2人で仰向けに寝て、目を閉じる。右手から妻の体温が伝わってきて、ゆっくりと全身に染み渡っていく。ゆっくりと、緊張が解けていくのがわかった。
「大丈夫だから、心配しないでゆっくり寝ましょ。
おやすみなさい」
妻が小声で言う。“大丈夫”。決して力強い言い方ではなかったけれど、妻にそう言われると、本当にそんな気がしてくるのだから不思議なものだ。
明日、大切でちょっと怖い試験があるという事実は変わらない。だけど、妻と一緒なら、その壁も越えていける。そう信じられる力を、この人は俺にくれるのだ。
「こういうとき、君と一緒になれてよかったなあって思うよ。ありがとう。おやすみ」
心から湧いてきた想いを素直に告げて、俺はやってきた睡魔に身を任せた。
君と一緒に食べたかったな。
学校帰りにドーナツ屋に寄り、
新作のドーナツが2つ入った箱を片手に
あの子との待ち合わせ場所に向かう途中の
交差点。
暴走した乗用車が視界に入った直後、
痛みとともに、自分の身体がもう動かないことに
気がついた。
ドーナツ片手に君と喋って、
2月14日にどこかに出かける約束でもしようかと
思っていたのに。
潰れたドーナツが、青春の終わりを告げる。
君と一緒に
「こんなところで見られるなんて、奇跡みたいね」
いつもと違うデートにしない? 君から誘われるなんて本当に珍しい。
二人でのんびり過ごすのが好きなの。そう言ってどちらかの家で映画を見たりそれぞれに本を読んだりを提案されるのが常だった。
ずっと片思いをしてた君と付き合い始めてまだ3ヶ月。俺は君といられるならどこでも、何をしてても嬉しいんだ。だからサプライズを考えてる時でなければ君を尊重するに決まっていた。
秋も深まり、紅葉が美しい。都会の真ん中の公園の端の方、人通りの少ない静かな小径を並んで歩くだけ。大した会話もなくても、澄んだ穏やかな空気を一緒に感じるだけで幸せだった。
「実は行ったことないの。上まで登らない?」
白い指先が指したのは赤いタワー。そう言えば俺も、上の展望台までは行ったことがなかった。
近いように見えたのに、なかなか辿りつかない。
「意外と遠いね」
「思ったよりね。でももうすぐよ」
ぽつん。見上げた頬に雫が落ちた。
ぽつ、ぽつぽつぽつ…
あっという間に本降りになった。軒先までそれほどの距離ではなかったし、走ったからそれほど濡れずに済んだ。
「降るとは思わなかったわ」
「…どうする? 上まで上がってもあんまり見えないかも」
自動ドアをくぐりながら尋ねた。低層階は土産物店が立ち並ぶ。フードコートもある。ここだけでも十分、遊べると言えば遊べるのだ。彼女もそう思ったらしく、しばらくは服についた雫を払いながら目を彷徨わせた。
「…せっかくここまで来たし。きっと空き始めてるわ。二人で雨が降るのを見下ろすのもいいんじゃない? 神様みたいで」
そうして高速のエレベーターに乗ったのだ。
やはり雨が降ったことで下りのエレベーターは満杯、上りは空いていた。中継の大展望台でもまばらになりつつあった人混みは、小さなエレベーターに乗り換える時にはさらに減っていた。
展望台に着くなり、彼女は窓に張り付いた。
「高ーい! あ、雨、やみ始めたみたい!」
ぱらぱらと窓を打ちつけていた雨粒があたらなくなり、見通しの悪さが軽減していく。こんな高いところまで来て、下よりも上ばかり見ている。雲が徐々に高くなっていき、薄日も差し始めた時。
「見て! キレイ!」
雲の切れ目に一筋の陽光。彼女が示したその指先の向こうには、ビルとビルをつなぐ七色の橋があった。
「こんなところで見られるなんて、奇跡みたいね」
はしゃぐ君の笑顔に雨上がりの空が眩しい。こんな間近で君の笑顔を見ることができるようになるなんて、それこそが奇跡なんだよ。
君と結婚して家族になって
君と一緒に何をしよう?
僕と君の趣味。スイーツを食べに、いろんなお店に行ってみようか。
ホールケーキを切らずに、2人で食べてみたい。って言ってたよね。それもしよう。
2人でいろんな場所に旅行に行く。そういうのもいいよね。
けど僕は、何もしないで部屋でのんびりする。それだけでもいい。
だって、君と一緒にいられるだけで、僕はこんなにも幸せだから。
富士山の上を茄子が飛んでいた。頂上で鶏の鳴き声をあげた茄子は、二番目に着いた鷹にうるさいと足蹴にされていた。瑞々しい青紫のからだに三本の白い傷。鋭い爪で引っ掻かれたのだろう。理不尽だ、と思った。赤い画用紙を貼り付けたようなハリボテの太陽が昇っていく。次第にどこからともなくピピ……ピピ……という音が聞こえてきて、意識した途端何もかもが白く消し飛んだ。
真白な光景は一変して象牙色の天井に切り替わり、目覚めてすぐヘッドボードに置かれたデジタル時計を手探りで止める。規則正しい無機質な時の報せは役目を果たし沈黙した。
「随分おめでたい初夢だこと」
年明け開口一番は、なんとも間の抜けた一言になった。
芳醇な香りのする苦めのブラックコーヒー片手に、大窓の遮光カーテンを開け部屋に朝日を入れる。眩しい陽射しが否応無く日付を跨いだことを示しており、自然と視線を寄せるのはシーツに刻まれた皺の跡。年を越す間だけでも、と強請った願いは叶えられた。けれど、年中多忙な彼は正月も仕事があると言っていた。約束を守った後、私が寝静まったころを見計らい自宅に帰ったのだろう。久々に逢っても変わらぬ律儀さに口角が緩む。
欲しい時に欲しい言葉をくれる人物は総じて誰からも好かれている。彼もまた例に漏れずその類であり、人気者故に一緒に年越しを過ごせたのは幸運だった。屹度、私以外にも過ごしたがった女性は居ただろうに。
ほのかな甘みを纏った熱が喉を潤し、苦味を残しながら溶けて心臓まで辿りつく。血液と同化し体に巡るそれは毒にも似ていて、文字通り中毒と表すほか無い。毎回別れた翌朝に飲むブラックコーヒーは彼の名残りだ。普段とは真逆の味を渇望し、口にする。罪深いひと。カップの中で熱い吐息に滲ませた独白を飲み込む。少しひりつく舌に昨夜の情事を思い出した。絡め合った末、噛まれた先が火傷を作る。この痛みすら、彼が与えたものだと錯覚させてくれるからやめられない。傍に居ても居なくても私の中に存在してほしい──なんて。本人には口が裂けても言えないのだけれど。
#日の出
君と一緒に
なんでもできる君とは私違うくて。
早くも出来ないから。
きみと一緒私は出来ないの。
言われてることは正論なのに。とてもとても悲しくなる
ボッーとしてしまう。腹が立つ。
なんで私なの?でもね。自分が1番わかってる
社会人してもう2ヶ月。
求められるスキル。私に出来ないことを君は あの子は
すぐできている。わたしはなに、?遅いし、遅いし
ダメダメだね。