『夏』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
中学生の夏休み。
部活動が楽しくて仕方がなかった私は、1日中練習に打ち込んでいた。
運動部と同じく、私が所属していた吹奏楽部も大会が夏にあったため、この時期はいちばん部全体が盛り上がっていたと思う。
とは言っても、うちの中学は所謂弱小校の部類だったので、朝から昼までのみの練習時間だった。
昼以降も音楽室は開放されていたけれど、残って練習する人はほとんど居ない。
それでも、自分の演奏に自信がなかったのと、早く先輩たちみたいに上手くなりたいと思っていたので、私は、1人残って練習するのが日課になっていた。
「今日も残ってるのか〜。すごいなぁ」
事務作業で残っていた顧問が見回りに来てはそんな風に褒めてくれたのをよく覚えている。
正直、こうやって褒めてもらえるのは嬉しいしモチベーションになった。
だからこそ、コンクールで結果が残せないのが悔しかったけど、着々と演奏の幅が広がっていくのを実感できて楽しかった記憶がある。
そんな、夏の思い出が詰まった母校の音楽室に、今は教師として立っているなんて不思議なもんだ。
まぁ、私は副顧問だから、直接指導するのは、あの時私を褒めてくれた、今は上司の顧問だけれど。
「それじゃ、練習始めようか」
コンクールの結果がどうであれ、この夏が生徒たちにとっていい思い出になるといいな。
そんなことを考えながら、生徒たちの奏でるまっすぐな音に耳を傾けていた。
お題『夏』
…♪
ふたりの夏は…
蒼い夕波の…
ブルーに染まる…
ふたりだけの…
シルエット…
腰越から見える…
Mt.富士を→(右)に見て…
イヤホンから浜省が…
夕べ眠れずに…
と流れだして…
(左)←には
風に揺れる髪と愛らしい君の頬…
誰かがワンコにじゃれる…
逗子側から来たランナーが…
夕陽の中に消えていく…
夕焼けに照れされて…
僕はかみしめた…
美佐子…♪
一人占めしたいと…
君を…♪
美佐子を…♪
君だけを…♪
君がいい…♪
君でなきゃ…
イヤだ…
美佐子…あいしてる…♪
お酒がなくても
火照りを実感できる
夏。
暑くても手を繋げる機会が増える
夏。
嫌なことばかりじゃないな。
私は夏が嫌いです。なぜなら暑いから。
暑くなると、寒がりの父がクーラーを嫌がり
それでもなんとか説得してクーラーにしてもらうと
イライラしだし話しかけても怒鳴ったり無視したり
今何度だ!と何度も室温計をチェックさせられたりと
俄然ウチの中の空気が悪くなります。
その上いつの間にか29℃に温度設定を変えて
リモコンをずっと握っちゃってます。
厚着して毛布かけてクーラーをいちいち睨み付ける。
夏にクーラーで下がった室温よりはるかに寒い冬だって
そんな格好してないだろうよ。
ま、何を言っても「嫌なら出てけ」なので
家にいる時は自分なりの熱中症対策をしてます。
母か私が熱中症で死ねば少しは考えを変えるかな?
変えないだろうな。
男は台所に入らないと言って、夕飯の支度が整うまで
寒い寒いと座椅子に座ってテレビを見ている父。
ああ、冬が待ち遠しい。
(夏)
「夏」
少し早い夏日和。
澄ませば聞こえる蝉の声。
眠りに就けば聞こえる虫の声。
少し早い花火の日。
見上げる空に花模様。
手には金魚、右には団扇。
少し幸せないつもの日。
今日も空を見上げて歩いてく。
私はなんて事の無い、ただの日常を今日も謳歌する。
「夏」
光と影。
強い太陽光によって木陰が相対的に強調される。
私にとって夏は楽しげでアクティブなイメージよりも、少し儚げで寂しい印象が強い。夏祭りの花火が終わったあの瞬間みたいな。楽しみにしていたイベントが終わり、嫌な現実が待っていることへの憂鬱な感じ。
夏
昨日は雨ふってても暑いと思ったけどしばらくたって涼しくなったし雨がやんだ今日も涼しい。恵みの雨とはよく言ったものだ。
そろそろ七月で本格的な夏がやってくるのか。エアコンも七月までは我慢って人もいるらしいね。俺は暑ければ六月でも全然つけちゃうけど。
しかし夏のいいところってなにもないよな。あえて言うなら冬は体がカロリーを欲して食べ過ぎちゃうけど夏はむしろ夏バテで食欲がなくなることか。
でも最近の俺は夏とか冬とか関係なく食べ過ぎてるんだよな。ストレスからの過食だと自分では思ってる。人生は辛いからね。
痩せなきゃと思ってもつい食べ過ぎてしまう。食事以外に幸福がない。食わなければストレスでどうにかなってしまいそうだ。
金があればおいしくてヘルシーなものを食べられるけど金がないから安くて太るものしか食べられない。貧乏人あるあるだな。
世界中で問題になっている貧困層の肥満問題。俺も正にそれなんだよな。これの最大の問題は本人に痩せる気力がないってことだ。
だって金がなくて死にたいんだもん。生きる気力すら失ってる人間に痩せる気力があるわけないんだよな。
しかし夏というお題からなぜか貧困と肥満の話になってしまった。今日は雨あがりで涼しくて夏って感じじゃないからしょうがないね。
夏は、
7月18日を思い出す
そして、悲しい日でも嬉しい日でもある。
その日は、春馬の命日でもあり、母の誕生日、私の後輩で友達の誕生日でもある
私の誕生日がある8月も夏
春は、春はあけぼの
春がつく
三浦[春]馬
夏は好きだ。
全てのものが美しく見えるし、キラキラしているから。
命あるものは輝いているし、夏はイベントもキラキラしているものが多くて刺激的だ。
刺激的で美しい、それが夏だと思う。
梅雨時期になると
ズラリと、並ぶ傘マークの
天気予報に…少しため息を吐きたくなる。
土砂降りの中走らせる車
予報と、見比べながら干す洗濯
蒸し暑いような外気と
スーパーの効き過ぎた冷房。
ただ、どちらかというと
夏も苦手だったりして。
間も無く、訪れる7月を
どう乗り越えようか
ふとした瞬間に、思いを巡らす。
ただ、夏は年を重ねるほどに
幼少期の思い出も引き連れてくる。
川の水の冷たさや
手持ち花火の立ち込める煙
青空に大きく伸びる入道雲
そして、あの日の家族の笑い声。
夏、苦手だけれど
嫌いになれない。
そうしているうちに
きっとすぐ、夏が始まる。
【お題:夏】
夏、ありきたりの風景。
汗にまみれて歩く。
人を死に至らしめるほどの熱波が、ゆっくりと街を覆い尽くす。
人類の英知を以ってしても、地球規模の温暖化を止めることなど出来ないし、緩和させたとて、真綿で首を絞められるようなもんだ。
いずれ、誰もが想像し得ない夏が来る。
なんて恐怖を感じるほど、暑い。
最寄り駅に着いて、職場まで歩く。
汗にまみれて歩く。
職場に着いて、空調の効いたビルの中へ。
一気に汗が引いていき、アイスコーヒーでも飲みながら、仕事にとりかかる。
ただただ、ディスプレイとにらめっこして、俺のさっきまでの人間らしい苦しみはどこへやら。
汗にまみれて歩くのは、夏、ありきたりの風景。
それもいいじゃないか。
俺達の住む世界がそうなっているなら、それは仕方ない。
暑かろうが寒かろうが、人類の英知で乗り切るしかない。
今まで人類がそうしてきたように。
まずは、最新型のハンディファンを買って…。
痛いくらいの日差しに
うるさいくらいの蝉の声
空も緑もやたらと濃い
絶好調の太陽のもとで
それぞれが最大限に生きてる感じ
そういう激しい夏も好き
夕暮れの中彼と2人並ぶ帰り道は
ちょっとぎこちない距離を保って
駄菓子屋によって近所子供たちと選ぶアイスは
田舎の夏を感じさせる。
そんな子供たちに
「おねぇちゃん、彼氏いたの!!」
なんてからかわれる帰り道は
私を赤面させる。
こんな帰り道が私の青春で
この夏が好きだったりする。
─────『夏』
夏には冬の動画を見る。
雪の降るクリスマスの動画を、ただひたすら見る。
今日は、夏だから友達とプールに行くことに 友達の名前は、ひまり(私)となおみとゆうまと行くことになって、 今プールに向かっているときに
制服、海沿いの坂道、自転車で2人乗り、冷えたMATCHの微炭酸、、、
まるでレンジでチンされる青春の夏
これから問題を出します。
自由にお答えください。
貴方は突如不幸な事故で命を落としてしまう。
しかし、
幸運な事に脳だけは原型をとどめることが出来た。
とある研究者が貴方の脳を電極とコンピューターに繋いだ。
その甲斐あって、貴方は意識を取り戻すことが出来た。
意識を取り戻した貴方は、事故の記憶が無い状態で、生前と変わらぬ日常を過ごした。
美味しいものを食べ、喜びを感じ、風を感じた。
しかし、
それはコンピューターが見せている仮想の世界だった。
貴方は脳が電極とコンピューターに繋がれる前に
死んでいるのだ。
身体は無い、感覚があっても、それはコンピューターが作っている感覚なのだ。
とはいえ、
貴方はその世界がコンピューターで作られた世界という事実を知ることは無い。
疑うこともない。
ここで質問です。
この話を前提に貴方は、
今生きている世界が本当に実在していると言い切れますか?
窓を開けると
夏の香りがしてくる
雨上がりの午後
蒸される空気と
照りつけてくる日差し
今年も夏がくる
【夏】
あの日遊んだ
カンカン照りの
外も今では
人が死ぬ
「夏」
今年、最後の夏を迎える
時の流れは早いもので
気づいたらもう高校三年生
君に片思いして二年半
"今年こそは"を繰り返して
引けない所まで来てしまった
今を逃せばもう二度と戻れない
そんな事は分かっている
分かっているつもりだった
不安ばかり気にして
後回しにして
のちのち後悔するのなんて
分かっている筈なのに
言葉を飲み込み
苦しくて仕方ないのに
吐き出すことが出来ない
このままじゃいけない
取り返しのつかない事になる
きっと、高校を卒業したら
疎遠になってしまうだろう
立ち止まっている時間はない
刻一刻と迫る別れから
目を背けそうになる
これは多分試練だ
意気地なしの僕への
小さな勇気を握りしめ
眩い光に必死に手を伸ばすけど
足りない、まだ届かない
そんな事をしているうちに
君がまた遠ざかっていく気がする
それは嫌だ
咄嗟に君の手を掴んだ
不器用に言葉を紡ぎながら
君に愛を伝えた
"君の事が好きだよ"
余りにも途切れ途切れな告白
とても不格好で
それでいて純粋な言葉たち
君の笑顔は
まるで陽だまりの様だった
今年の夏は終わりを迎えようとしている
あの日見た花火は、どんな時よりも
美しく見えて、記憶の片隅で輝いている
色褪せることなく