『空が泣く』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
空が泣く
雨が降ることもある
雷が鳴ることもある
雪が降ることも
黒い雲に覆われることも
それでも
青空が帰ってこないことはない
空が笑うまで
静かに待とう
虹も見えるかもしれない
空が泣くとお母さんはいつも僕を叱る。
空が先に僕のおもちゃを取ったのに。
人のおもちゃを取っちゃいけないってお母さんが僕に教えてくれたんじゃないか。
だから、僕は空にそれを教えてあげただけなのに。
なんで僕ばっかり。
_空が泣く
空が泣く
空は泣かない。当たり前だ。空が水を落とすのは単なる気象現象であって、空は泣かない。たとえ空がどんなに水を落としても。だとしても、だとしたら、いまわれらの頭上で起きているこの現象はなんなのだろう。台風の目に似たまなこのような雲はその中央に巨大な水滴を貯めており、今にもこぼれそうなのが地上で見て取れるが、同時にその涙をこぼすまいとする大いなる存在の意志も見て取れるのである。そう、人類はあの不可解な存在の意志や感情も読み取れる存在になった。それを誇る相手はあの今にも涙をこぼさんとしている存在なのが何とも言えない。われら人類はこのために進化したのだというものもいるが。あの存在は理解者がほしくてわれらを進化させたのではないか?
自分が悲しい時にいきなり雨が降り出したりすることがある。
それが何だか自分とリンクしているみたいで、ちょっと笑ってしまう。
私が泣いてて、空が泣いてて。
空が泣くなんておかしいかもしれないけれど、美しい表現だと思う。
「みんなが笑ってる お日様も笑ってる るーるるるるー 今日もいい天気ー」
「なんで『サザエさん』?」
「いやなんか、今にも雨が降り出しそうな空模様だからさー」
窓辺から曇り空を見上げるあたしの隣に、マグカップを持った彼がやってくる。同じ角度で空を見上げて、ああと目を細めた。
「あなたが教えてくれたんだよね、擬人法。去年の授業で。サザエさんの主題歌を歌ってさ、音痴だったなー」
「失礼だなー。まぁ否定しないけど」
「……授業そっちのけであなたばかり見てたな。声がね、好きだったのね、最初。顔は後から。よく見ると、カッコいいかもって」
彼は苦笑する。音痴だけどねと自嘲し、
「よく覚えてるよ。なんでこの子、俺をガン見するんだろって。睨んでるようにも見えたし」
と微笑む。
「睨んでないよ、見惚れてたの」
好きだったなぁと言うと、
「過去形で言わないで。現在形だろ?」
と突っ込まれた。
マグの中身を溢さないようにかがみ込み、彼はあたしにキスをした。
「……そうだね、好き」
「よくできました」
「そろそろ授業行くね、古文始まっちゃう」
あたしは椅子から立ち上がる。さっき昼休み終了のチャイムが鳴ったばかり。
「前園先生、開始早いからな。行っといで」
「ん。ねぇ先生、今日アパートで待っててもいい?」
戸口で聞くと、彼はちょっと考え、いいよと頷く。
「プリント作って帰るから、少し遅くなるかもだけど」
「わかった。ーー空が泣き出しそうだから、本降りになる前に帰ってきてね」
そう言うと、それはそれは甘く、うん、と笑った。
まるで彼の方が年下の生徒みたいに。あたしはじゃと手を振って国語科教官室を出た。
#空が泣く
【空が泣く】
よくさ、雨が降る表現を涙に例えるけどさ、ベタだよねぇって思っちゃう。でもまあ、安定感あって好きよ。実際、涙一つ流せない俺の変わりに空が泣いてくれてるし。ま、悲しいって感情なんざ分からないけど。恩師を殺っちまうってのは悲しい事だよな?俺をガキの頃から育ててくれた恩師を貫いてさ、血濡れの凶器を雨が洗い流してる。俺の面はびしょ濡れ。これって悲しい事だよな?な?
✦空が泣く✦
雨は空の涙に簡単に例えられるが
空で感情を表したらどうなるんだろ?
晴れは笑顔かな?
全てが輝くと元気な感じがする。
曇りは困ってたり不機嫌なのか?
湿気など雨が降りそうで降らないモヤモヤに
しっくりくるだろう。
雪は色々意見が別れやすいと思うが
僕的には緊張か?
寒いように凍えるほど緊張しているのかな?
そして雨は悲しいのかな?
泣いてるようだ。
たまにはこうやって呑気に
想像するのも楽しいな。
『空が泣く』
今までは空を見ると思い浮かんだはずのあなたのことが、最近は浮かばないことにふと気づいた。忘れたくなくて、忘れられないはずのあなたの顔が、だんだんと薄れていっている。
それでも涙すら出てこない私とは正反対に、空が泣いていた。
「空が泣く」
空が泣き始めたら
君は笑い出す
君は蛇の目傘を広げて
回り出す
「ワタシは雨が好き。
空が泣いてくれればワタシは生き延びるから」
君は回りの目を気にせずに蛇の目傘をくるくる
辺りに雨の飛沫が飛んでもお構い無しだ
僕は見てるしかなかった
こうなった君を止めるのは危険
空が泣いてるんだ
君を止めたら
君からの雷か落ちるからね
空知らぬ雨の下、きみと恋にならない恋をした。
空知らぬ雨………涙。
恋にならない恋…普通(周囲)からすると認められないが、本人達にとっては恋。すなわち許されない恋。
─空が泣く─ #66
〖 空が泣く 〗
空が泣いている。
分厚い雲は私を世界ごと覆い隠して。
空が泣いている。
分厚い雲は次の行く先を決めて。
空が泣いている。
世界を暗くして。
空が泣いている。
空が泣いている。
私の心模様みたいに
武器を海へ捨てるな
海が泣く
争いをするな
正しい政を行え
人が泣く
目先の儲けのために
木を切るな
山が泣く
その動物をどうする気だ?
生き物が泣く
そして、天は見ているぞ
空が泣く。
【あくねこ ラト―空が泣く―】
何故ですか?何故泣いているのですか主様。私は生きています。ほら、こうして私は天使に勝つ術を探していますよ。
そう話しかけても主はいない。もう何年もみんなに会えていない。今は皆どうしていることやら。天使の大群に襲われてから何年経ったことやら、其れ以来会っていない。
空が…主が泣いている。天使を…どうにかする日が来る日まで。
涙を流した君に触れる
美しい雫が目から零れ落ちていた
何故かその時、空も一緒になって
僕も自然と泣いてた
“弟みたい”はもう卒業
彼女のテストを解きたいから
恋人の答え=幸せになること
それ一つわかっていれば
補欠でも合格だからいいんだ
アトラスクロックのように時を刻んでいこう
止まない雨がないように
零れ落ちる涙もいつか
止む時がくるから
雨宿りしてゆっくり休んだら
また歩き出そう
空が泣く
心乱れることを嫌い泣かなかった娘が
堰を切ったように泣き出した。
小4の頃の自分がキライだと泣いた。
ママが知らないことがあると
小4の自分を責めて泣いた。
限界を超えて動かない身体に泣いた。
やり直しても同じ選択をすると
だから後悔はないと泣いた。
溜まった感情が空を覆い尽くし
堰を切ったように溢れ出した。
仕事が終わり、家に帰って恋人とのんびり過ごす夜。
疲れた身体をソファに埋めながら、今日何があったのか彼女と話し合っていると、突然窓の外から強い雨の音がした。
水を弾く音、外壁を叩く音が尋常でなくて、ふたりはカーテンを開けて外を見つめた。
「雨、すっご……」
「ゲリラ豪雨ですかね?」
今日、雨の予定はなかったはずだと彼女はスマホで天気予報を確認する。
俺も彼女のスマホの画面を覗くと、一緒に見られるように画面をかたむけてくれる。
レーダーを確認する限り一過性の雨。
「ゲリラ豪雨だね……」
バケツをひっくり返したような雨とはまさにこの事……いや、バケツじゃ済まない雨の量だった。
「だいじょうぶだよ〜……」
空に向かって、彼女が小さく囁いた。
「なにが?」
俺の何の気なしに返してしまった言葉を聞くと、聞かれていたことに驚いたようで頬を赤らめる。
「いやぁ、聞かないでー!」
「え、そっちが言ったんじゃん」
「それでも聞かないで!」
「理不尽!!」
背伸びをして俺の耳を塞ごうと手を伸ばすけれど、両手をしっかり捕まえてしまった。
すると、観念したのか頬と耳を赤くさせたまま彼女は腕の力を抜く。俺も抵抗が無くなったから両手を離しつつ、彼女の腰に腕を回した。
「なにが〝だいじょうぶ〟なの?」
唇を尖らせつつ、彼女は俺に体重を預けてくれた。
「空が……泣いているみたいだなって思っちゃって……」
「ゲリラ豪雨?」
「はい」
それで、〝だいじょうぶだよ〟の言葉なのか。
彼女の感性は少し独特ではあるけれど、俺にはそれが愛らしく思えてしまった。
「雷だとお腹痛いのかなって……」
「ぶはっ!!」
予想していなかった斜め上の言葉に吹き出すのを抑えきれなかった。
彼女はぷっくりと頬を膨らませ、顔を上げて俺の胸を叩く。
「笑わないでー!」
「ごめんごめん」
俺は再度彼女を抱きしめる腕に力を入れた。
「君が心配しているなら、だいじょうぶだね」
「ん……」
天気にも、彼女の思いが伝わるといいな。
おわり
一二三、空が泣く
泣いていいから…
そう言われても…
ねぇ…
そう簡単には…
ねぇ…
泣いていいんだよ…
そう言えない…
俺もいる…
……
好きな歌詞に…
例え空がひび割れて嘘を落としても
信じることを止めない my mr lonely heart
……
天は沢山の無秩序を降らした
人の営みが割れてく…
覚えてきた事と時間との掛け違い
どうして手を染めた?
なぜ悲しみに唾を吐いた?
それを俺に吐けば善かったのに…
その悔し悲しみを覚えてたから
今も俺は生きているんだ
せめて…
その安らぎに有る時を絶すな…
俺はこのまま行くから…
水滴が一筋、天を仰いだ私の頬を伝った
タオルで拭って、天道様の下で笑ったわ
...目元の赤みは、見て見ぬフリをして
--二作目--
ポツリ、っと、其処に君が立っていた
唯静かに、雨が降っている事を知らないかの様に
ふと、君が此方に振り向いて、
ニコッと、太陽の様に明るい笑を浮かべた
そうして、君は何も言わずに其処を去ってしまった
...それ以降、君は自分の元から姿を消した
__空は未だ、陰り泣いている
...最後、君の頬を伝った水滴は
果たして、本当に雨水だったのだろうか__
#空が泣く
414作目
空が泣いていた
蒼く澄み渡っているのに
大粒の涙を流して泣いていた
雨は誰かの恋の涙だと短歌で知ったとき
私は雨を好きになった
傘に当たる雨音さえも愛していた
きっと叶いはしない敵わない恋もあるだろう
今日は泣いていた空も
明日には晴れ渡るかな
誰かを想い空が泣く