『花畑』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【花畑】
ネモフィラでも芝桜でも
向日葵でもコスモスでも
どの花畑も綺麗だ
でも私は
誰が植え、誰が手入れしたでもない
白詰草の花畑が一等好きだ
満開の花畑で笑い合おうよ
笑顔しかないようなふたりの間を
いろんなお花が咲いている
きみはぼくを見て笑った
ぼくはきみを見て笑った
花畑に埋もれながら息をしていた
綺麗だねとどちらともなく笑っていた
そんなふたりでずっといよう
『花畑』
私がウェディングドレスを着て、花畑の真ん中で笑う時には、あなたの隣がいいです。
花畑
今日はどこに行くの?
あなたにそう聞いてみると、花畑とだけ言って私を連れ出した
あ…この場所は…
そう呟いてみるとあなたはとても懐かしそうな表情をして
結婚しようとだけ言った
「花畑」とかけまして
「切腹の介錯」と解きます。
その心は「きれい/切れい!」です。
花畑
死んだのか?
本当にその場所があるのか?
それは分からないが。
イメージしながら生きていく。
虫のいないお花畑って無いの?
あるよ、天国に。 (^-^)/
赤 黄色 橙 桃 紫 緑 青緑
色とりどりの花や葉が野原いっぱいに広がっている
それに合わさるかのように、群青の空も広がる
とても、カメラには収められないや
初めて生きる意味を教えてくれました。
花は偉大ですね。
少なくとも私よりも、
強く生きていることでしょう。
【花畑】#49
花畑
昔話花を見てもなんとも思わなかった。
近くにお花畑があったとしても何とも思わなかった。
花が綺麗と思うことがカッコ悪いしお前の顔で花の事を語るなとか言われるのが嫌だからって思って昔話、ツパルことがカッコいいと思っていた、笑わない
けど、今は花を見て綺麗と感じれる心、気持ちがある。
花畑には目も心も圧倒されて、最高の気持ちになる。綺麗なものを綺麗と今思える自分を誇りに思い誉めてあげたい。
ありがとう。綺麗なお花畑を
彼女は俺に応えてくれた神様みたいな人で、彼女に出会ってから頭の中は彼女の事で埋まっていた
朝は彼女よりも早く起きて、少し贅沢な朝食を作り、穏やかに眠る彼女にそっと声をかける
向かい合って朝食を食べ、微笑む彼女に常に胸が騒いだ
朝食の後は彼女と小さな畑で野菜の収穫
近い内にもう少し畑を広げて彼女が好きな野菜を植えよう
昼は共にキッチンに立ち、彼女の好きな食材を沢山使って昼食を作る
満腹になって、またうとうとし始める彼女を視界に入れながら、彼女用のバランスの取れた夕食作りと自分用に夕食の残りで手早くサンドイッチを作る
とろんとした顔で外を眺める彼女に声をかけ、しっかりと施錠して仕事に出掛ける
夜中に帰ると眠る彼女の顔を見て、ごちごちに固まった仕事の疲れがするすると解けたようになくなった
そうして優しくて温かい彼女の隣で眠った
穏やかで幸せな日々を送っていた
ある日、弁当を作って町の外れにある小高い丘の上に広がる花畑に行った
こんな事を出来るようになったのも全て彼女のお陰だ
今の季節は丸くて可愛らしい薄紅色が一面染め上げていた
何処からか、微かに甘くて馨しいの香りが香っている
彼女が花を愛で、ふわりと香る空気の中で目を細めるのを見て、嗚呼こんなにも美しい景色は見た事ないと本気で思った
いつまでもこんな日々が続いて欲しいと、信じてもいなかった神に希った
でも、彼女は俺の前からいなくなってしまった
予兆はあった
何度も
彼女が不安気に俺を見る事が増えた
外でも家でも手を繋ぎたがった
眠りが浅くなり、日中ぼんやりしている事が多くなった
何度も俺に何か言おうと恐る恐る口を開いては「なんでもない」と笑った
それらの予兆を俺は恐くて見ないふりをした
そんなはずはないと
俺も眠れなくなって、彼女を繋ぎ止める方法を調べてみたりしたが、都合良く見つかるはずもなく、彼女はいなくなってしまった
沈む日々を過ごす時間も勿体なくて、彼女を連れ戻す為にやれる事は片っ端からやった
色褪せた景色に鬱々としながら、いつの間にか出会った時の彼女の年齢を追い越した
時間はかかったが、もう一度彼女を迎える準備は整った
今度こそは彼女を失わない
必ず繋ぎ止めてみせる
もう一度、あの花畑に
共に
お題「花畑」
妄想昔話 2話
このころ西日本では
冬なのに異様に温かい日が続いて
空は隅々まで青く晴れわたり
道や田畑が乾き
時折強く吹く南風により
地面はほこりが立つ有様でした。
後に"長禄・寛正の飢饉"といわれる大天災です。
この村も例外ではありませんでした。
例年は春には一面の花畑が
綺麗に咲きほこって降りましたが
この年は全くありません。
夏にはひどい旱魃がおこり飢饉になる。
村人たちは恐怖に押しつぶされながら
雨をいまかいまかと待ち侘びていました。
この村人たちが苦しむ光景を
目にする者がいました。
狐族の霊狐という若い女狐です。
霊狐には弟の天狐がいましたが
1年程前に村人に殺されたこともあって
人間を憎んでいたのです。
『弟と仲間を殺した奴らなんか死んでしまえばいいのよ。稲荷の神、宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)様の神罰が下ったのよ』
と吐き捨てて、その場を去っていきました。
次回テーマに続く
"花畑"
『花畑』
(ホラー)
満開の花畑なのに人っ子一人いないことに、カメラマンの小木は首を傾げた。
「こんなキレイな花畑、観光スポットになりそうなのになぁ。まぁ良いか、独り占めだ」
じっくり撮影出来ると思って、カメラを構える。
パシャパシャとしゃがみ込んで何枚も花を撮影していると、ふと隣に気配を感じた。
小木はカメラから目を離し、視線をやると一人の可愛らしい少女が大きな瞳でじっと見つめていた。
「っ……」
誰もいないと思っていたので少し小木の心臓が跳ねた。
10歳前後に見える少女は、白っぽいが水色が混じったような色のワンピースに大きなつばの付いた帽子を被っている。
「何してるの?」
少女が口を開く。
「……何って写真撮ってるんだけど」
見れば分かるじゃないかと思いつつ小木が答えると、少女はふーんとその場でくるりと回った。
「私も撮ってよ」
「え?」
「撮って撮って撮って!」
愛らしい顔を向けてくる少女の純粋な表情に、小木はカメラを向けた。
「人物は専門じゃないんだけど……」
2〜3枚撮ったがどれもモデルのように出来た笑顔を見せている。
少女に写真を見せると、とても嬉しそうに笑い
「ありがとう! また撮ってね!」
と少女は走り去っていった。
「なんだったんだ……」
――
その夜、小木はホテルにて今日撮った写真を見返そうとカメラのスイッチを入れた。
「は?」
そこに写っていた光景に小木は戸惑いを隠せない。
なぜならあんなにあった無数の美しい花が、枯れているのだ。
小木は確かに花畑にいき花を撮った。しかし枯れた草木しか写っていない写真に心臓のバクバクがとまらない。
「ぅわぁあっ」
震える指を動かし写真をチェックしていると、小木は突然声をあげてカメラを放り投げた。
何なんだ何なんだ!?
カメラの液晶画面には、あの可愛らしい少女などではなく顔が真っ白で目が真っ黒の何かが映し出されていた。
「何なんだよこれ!」
撮ったはずの花畑は枯れた草木に。可愛らしい少女は世にもおぞましい姿に。
自分は幻を見ていたのか?そんなことがあるのか?
小木がパニックになっていると、ふと背後に気配がした。
「……っ」
振り向けない。
逃げないと!
そう思ったときだ。
「ねぇ、撮ってよ」
あの少女の声が耳元で聴こえた。
創作 2023/09/18
(よくありそうな話)
花畑
目の前にはひまわり畑。鮮やかな太陽の花が咲き誇る。
高一の夏、私は父の転勤のため引っ越しが決まった。
あと引っ越しまで一週間となった日、私は幼なじみに連れられて、ひまわり畑にやって来た。
暑い。汗が止まらない。
それでも、青い空の下いっぱいに咲くひまわりはとても綺麗だった。彼はここの持ち主と知り合いで、時々畑の手伝いなどしていたそうだ。
「わあ、やっぱりすごいね」
私の声に頷くと、彼はポケットから愛用のフィッシングナイフを取り出した。折りたたみの刃がきらりと光る。
「何するの?」
「大丈夫、いいって言われてる」
ザクリ。ひまわりの茎にナイフが入った。一本、二本、三本、四本、五本。
葉を何枚か落とし、バンダナでまとめると、彼はそれらを私に差し出した。
「引っ越し前で悪いけど、これ」
「えぇ、これ?」
彼がどういうつもりなのかはわからない。渡されたひまわりは結構重い。でも腕いっぱいの鮮やかなひまわりは格別だった。
「ありがとう」
「ん」
彼はいつものように柔らかく笑った。
その二日後、彼の姿は消えた。スマホも繋がらなかった。
「いなくなっちゃったんだって、何か知ってる!?」
「ううん、何も……」
驚いたけど、それほど意外でもなかった。
彼は家族と上手くいってなかったし、何よりいつもどこか遠くを見ているような気がしてたから。
(でももう少し、話してくれてもいいんじゃないかなあ)
胸の中でそう文句を言ったら、彼がいつもの柔らかい笑顔で、ごめんなと笑った気がした。
騒ぎが治まらないうちに引っ越しの日がやって来た。
私は最後にひまわりを持った。
ひまわりは日持ちの良い花で、ちゃんと手入れをしたからまだ何とか保っている。ここに捨ててはいけなかった。
一番の心残りだった彼が消えてしまってから、私は何だかすっきりとした気持ちでいる。
ねえ、元気にしててね。
やっぱり寂しいよ。でもあんたを置いていかなくて済んで、良かったのかな。
これから彼のそばにいる人は、どうか彼に優しくしてあげてください。彼があんまり辛い思いをしなくていいように。どうかお願いよ。
#30
『花畑』
小さな頃、宇宙の外側には花畑があると思っていました。
今は、宇宙の外側には別の宇宙があると思っています。
でも、宇宙の外側に花畑があったほうが、たとえ非現実的だとしても、天国みたいで、なんだか嬉しい気がします。子供の想像力は、無駄な情報がない故にどこまでも自由で、どこまでも純真ですね。
大人になると忘れてしまうのは、花畑が枯れるように童心も枯れていくのかもしれません。
(「しばらく」とは2〜3日以上1週間以内らしいので、慌てて復帰しました。マイペースに参加していくつもりです。)
頭の中はお花畑。
そんな状態がずっと続けばいいのに。
現実なんて見たくない。
なんにも考えたくない。
〜花畑〜
「冒頭とか無しに、質問を君に投げかけようか。
なぜ、カナリアは走ってると思うかい?
では、手始めにカナリアは誰か。僕が先に答えてあげよう。カナリアは酒屋でバイトしている小娘だ。
語り手は誰かって、君は僕のことを聞かなくていい。
カナリアは走っていた。
踏めば歪む黒土。その黒土から、月に向かって真っ直ぐ伸びている謎の植物をかき分けて。
されども前に進んだ気はしなかった。
何度も植物を左右にかき分けたが、目の前は緑一色に染まっている。謎の植物は一向に消える気は無い。
そして足は黒土にどんどん嵌っていく。
進めば進むほど、まるで底なし沼のように足が嵌っていく。
ついには足の感覚は無くなる。
まるで……じゃなくて、本当に底なし沼だったんだ。
ああ、可哀想だね。カナリアは。
虚ろな目で絶望したように泣き叫ぶカナリア。
では、ここでカナリアの第2の情報を与えよう。
カナリアは残虐な大量殺人鬼だった。
何百人もの子供を可愛がっては弄び、殺した。
鉄パイプで気絶をさせてから、爪を一枚一枚剥ぎ、第1関節からハンマーで粉砕し、幼い子供の泣く声を聞きながら絶頂する。
さて、ここまで長話でした。君はカナリアに同情するかい?」
花畑といえば、ラベンダー畑を思い出す。
一面紫色の花畑。
そして、一面青色のネモフィラ畑もある。
もうすぐこの秋頃になると、秋桜畑も見ごろだろう。
どれもこれも美しい花畑である。
まぁ、私は行ったことないんだけど。(w)
■テーマ:花畑
“ネモフィラがいい”。
どこぞの観光スポットに感化されて、単純なキミはそう言った。新居の庭に植える花。もう少しガーデニングに最適なものにしたら、と言う僕の助言に耳を貸すことなく。そんなに広くないんだから好きな花を植えるべきでしょ、って。我が家にも青い花畑作ろうよ、って、得意気に笑って。
だから週末には土いじりする約束だったのに。
叶わなかった。
普通の日常が、突如として失われるという感覚は、こんなにもあっさりとしているのだろうか。他人事な感想しか浮かばないほどその時は呆気なくて。僕はまだ夢を見ているのかもしれない。そう思ったけど、夢は夢でも残酷な悪夢だった。
キミが事故に巻き込まれ、病院に運ばれ、我が家に戻ってきたは良いがまたすぐに逝ってしまった。キミが小さな箱になってからの滞在期間もほんの一瞬だった。涙なんて出る暇さえなくこんなことになって。わけが分からなくて。僕は生きる力を放棄してしまった。食事も睡眠もできなくなった。次第に衰弱しながら、このままキミの待つ空の向こうに行けるのならそれでいいや。そう思ったけど、周りが許してくれなかった。病院に担ぎ込まれ適切な処置をされ、僕は命を手放すことなくこの世界にまだいる。あの頃の僕は“生かされている”、と思っていた。だってキミの居ない毎日なんて生きてたって仕方ないだろう。なのに生きているのは僕の願望なんかじゃないんだ。
結局、死ねなくて何の希望もないまま季節が過ぎてしまった。また春が来る。キミを失ったあの春が。今度は1人で迎えなきゃいけない。
テレビにはあの青い花畑が特集されていた。テレビなんて、見るつもりないけど時々静寂に呑まれそうな時ただつけておく。夕方のニュースの中で紹介されていたネモフィラ畑は、僕らがデートで何度も行ったあの場所だった。
そう言えば。
彼女は庭にネモフィラ畑を作りたいって言っていたんだ。あんなことがあって、僕の記憶から忘れ去られていたことが、テレビの映像を見て呼び起こされる。うちにも青い花畑作ろうよ、って言っていた。
――彼女の願いを叶えなければ。
それだけが僕を突き動かした。突然の使命感に駆られ、僕は夜のホームセンターに走ってネモフィラの苗を買った。このお店にあるそれ、全部ください。息巻いて購入して、もう夜中なのに取り憑かれたように荒れ放題だった庭を再生し始めた。
作業が終わったのが夜明け前。朝日が昇る頃、流石に疲れ切った僕は庭に座り込んてしまった。そよそよと風が吹いた。なんてことない風。
だけど、今、確かに――
“ありがとう”
そう聞こえたんだ。キミの声が聞こえた。
はっとして空のほうを見る。その後自分の周りに視線を移した。僕を取り囲んだネモフィラたちが、風に揺れて踊っていた。青い花畑は朝日に照らされ気持ちよさそうに輝いている。優しい青色なのに今この時だけは目に染みた。小さな青い花達が寄り集まって、物凄い生命力のようなものを感じて、僕に何かを訴えかけてるような気がした。生きて、と。ネモフィラを通してキミが話している気がした。それを思ったら途端に視界が歪み出した。涙で滲んでも小さな青たちは美しかった。
キミにも届いているよね。僕が作った青い花畑が。もう僕は大丈夫。心配かけてごめんね。
心の中で呟いて、青い絨毯に寝転んだ。また風が吹いた。優しくて心地よくて、僕はようやく哀しみじゃない涙を流した。
遠い昔に見た朧げな記憶の中に、それはそれは広大な花畑があった。
見渡す限りの向日葵畑。右を見ても、左を見ても、前も後ろも、果てしなく続く花畑。
何故……そんなところに行ったんだっけ。確か、誰かと一緒に行った気がするが。場所も相手も思い出せない。
壮観な景色にうっとりして、1日中そこに居たような、居なかったような。
「あぁ……だめだね……この歳になると……」
まったく、思い出せないことばかりだ。
「ばあさん、なに落ち込んでいるんじゃ」
湯呑みを持って、爺さんが後ろから声をかけてくる。それで思い出した、あぁそうだ、爺さんと一緒に見に行ったんだっけか。
「昔に見た、向日葵畑のことを考えていたんだよぉ……。あれは、どこだったかね……」
「忘れちゃったのかい。あの向日葵畑は、ワシの土地じゃ。ワシがばあさんに贈ったものじゃよ」
「そうだったか、私に贈ってくれたんだったかい」
「そうじゃ。どうか死ぬまで忘れないでおくれよ」
爺さんにそう言われて、少しずつ記憶が鮮明になる。あの日、サプライズで連れて行かれた先に向日葵畑があって。そこで爺さんに手紙を貰ったんだ。
『999本の向日葵を贈る』と書かれていた。不器用なくせにロマンチックな爺さんらしくて、その気持ちが嬉しくて、この人と一生歩いていこうって決めたんだ。
「爺さんや」
「なんだい、ばあさん」
「いつまでも愛しているよ」
「な、なんだい急に! ……ワシも、ずっと想いは変わらんよ」
「いつまでも、私の運命の人は貴方だよ」
「それはそうさ。何度生まれ変わろうとも、愛しているからね」
999本の向日葵
――何度生まれ変わっても君を愛している
#花畑