『風に乗って』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
風の唄に耳を澄まし 記憶と戯れて知った
側まで寄れるけど 重なったりはしない事
また一つ 大人に近付いた
昼下がり いつもの交差点
しんどいなあ…って目の前のことに手をつけ続ける毎日だけれども。
自分の中では爽やかなあの田舎の空を飛び続けよう。
忘れがちなあの空を
もう一度自分の中に入れて飛ぶんだ
風に乗って
(本稿を下書きとして保管)
2024.4.29 藍
風に乗って
春風は時に悩みの種を運んでくるらしい。
柔らかな陽気と土の香りを吸い込むと、鼻先に微かな棘を覚えた。今朝も花粉やら黄砂やらが飛び交っているらしい。外の世界に嫌われている私は仕方なくマスクを戻す。どこからか、同い年のアイドルの歌が聞こえる。
雨露の如し、と書いてジョウロと読むことを知ったのはいつだろう。雲の上の神様になった気分で、花壇に恵みの雨を降らせていた頃の私は、確かにこの庭の一部だった。胸いっぱいに息を吸っていた私。あの頃好きだった花は、もう思い出せない。
如雨露を手に、花壇を見つめていた。遠慮がちに咲いた花が、申し訳なさそうに私を見ていた。今年も生育が悪いのはどうしてだろう。肥えた土、日当たり、適度な水。こんなにも手をかけているのに良くならない。
庭の隅、コンクリートの割れ目に咲いた花が目に留まった。窮屈そうな場所に根を張ったその花は、誰に育てられるわけでもなく、ただ太陽に向かって咲いていた。
何が違うのだろうか。風に乗って生まれ落ちる場所は選べないというのに。それぞれの根の深さを思い、根性という言葉を思い、それから悔しさが込み上げた。
私は、どうすればいいのだろう。
平和な国に生まれ、衣食住に困らず、不自由のない環境で育った私は、今日も花開けずにいる。
そよ風が頬を撫でた。
私は大きなくしゃみをして、家の中へ駆け込んだ。
産まれたばかりの時に戻って たくさんの祝福をうけて
親や兄妹たちを懐かしみ
夏祭りの晩に出逢ったあの人の事を想い
可愛くて仕方がない子供たちに囲まれて…
気づけばもう、随分と遠くへ来てしまった事に寂しさと
少しばかりの後悔とたくさんの幸せを胸に
そろそろかと 旅の支度をする
あの人が迎えに来るのは何時だったかしら
私は何も忘れてはいないのに
【風に乗って】
風に乗って
進路ってむずかしいね。まだ18歳もう18歳
好きなことやりたいことは、沢山あるのに見つからない
色々と理由をつけては、色々な事を諦めて終わる日々
風に乗って飛ぶ紙ひこうきが、遠くに行けば行くほど焦燥感が増して、私もどこか遠くに行きたくなる
もうすぐ卒業だ
お菓子が好きだから、手に職をつけたい、なんて単純な動機で進んだ製菓学校
私の本当にやりたかったことってこれなの?
「風に乗って」
子供の頃は、本当に空を飛べると信じていた。
信じすぎたからか、とてもリアルな夢を見たことがある。夢だとは分かるのに、変な浮遊感が確かにあって、寝ているベットの上に浮かんでいた。
だんだんそれが怖くなって気がつくと…朝になっていました。
あれは、幽体離脱か何かだったのだろうか。
ただ、あの瞬間は怖さもありながら、これが空を飛ぶって感覚なのかと楽しさも感じていた。
今でもあの時の感覚は残っている。
今度はただ浮くのではなくて、風に乗って自由に空を駆け回ってみたいです。
飛行機やパラシュートなど、何かに頼って飛ぶのはどうにも不安がありますが、自分の力のみで飛べたときは、それはもうただただ気持ち良く飛べるのでしょうね。
君へのメッセージが今日も風に乗る。
「紙飛行機って。笑古いなあ。」
きっと明日もまた、紙飛行機が風に乗る。
ある日、僕の世界から音が無くなった。
顔を真っ赤にして、目をつり上げながら、大声をあげている(だろう)ママの声は、僕には聞こえない。
ママとパパはもともとあまり話をしなかった。
ママは仕事を辞めて、スマホで動画を作りインターネットにあげていた。
ある時、僕が小さい子向けのおもちゃを紹介する動画がバズり、ママは似た企画の動画を繰り返し投稿するようになった。
始めは僕も楽しかった。
だけど、TVのオーディションにも行かなきゃいけなくなったり、動画の撮影が夜おそくまでかかるようになってからは、楽しくなくなった。僕はママの為の仕事だと思うようにした。
僕はだいぶ前からママが怒り出すと音が聞こえなくなっていた。
今日も、ママは何かを怒っている。しずかな世界の中で、ママの顔だけが歪んだり、赤くなったり、震えたりしていた。僕は不思議そうな顔をする。ママはもっと怒っているようだった。
別の日の夕方、学校帰り。
僕の家のマンションまでのほそい路地で、どこかのお家からカレーの匂いがしてきた。
ママにカレーが食べたいって言ったら、怒られるかな。僕はそんなことを考えながら、俯き歩いた。
題:風に乗って
お題:風に乗って
君は、今どこでなにをしているのだろうか。
朝目覚まし時計で眠い目を擦り、着慣れたスーツに袖を通し、重い扉を開いた先で、眩い太陽を見上げているのだろうか。
BGMにしているテレビ番組の喧騒を背に、夜は1人で眠る寂しさに耐えきれず、誰かと連絡を取り合っているのだろうか。その相手は、私以外の誰かになっているのだろうか。
あの時伝えられなかった思いがーー鳥の羽根のように、落ち葉のように、一粒の雨のように、ふとした瞬間に肩に落ちたそれらに気づく程度で良いから、気まぐれな風に乗って、君に届いたら良いと今日も願う。
風に乗って
自転車を漕いで…
花の香りに誘われて
空を見上げる…
そんな小春日和に
心躍った青い時代
おもいでと一番つよく結びつくものは
香りだという
ひそかに抱いた恋心は
もう蓋をしてどこか影の中でほこりでも
被ってしまっているだろう
二度と会うこともないし忘れてしまえば
きっと涙を流すこともない
そう思っていたのに
あなたと出会った季節が春だったから
いけないのか
風に乗ってやさしくて甘い花の香りが
影の中に光をさす
風に乗って
風にのって、飛んでしまった子供のころ
今は、風にのることは
無理だけど
子供ならではの
楽しみでした✨
嵐の日にしようか、
より遠くへ行きたいね。
お題:風に乗って
風に乗って
タンポポの綿毛が飛んだり雲の形が変わっていくのを目にすることが出来たり
普段聞こえない列車の音が遠くからカタンコトンと聞こえてきたり
空気の温かさや寒さを感じたり
花や緑の香り、他にも近所の晩御飯の美味しそうな香りを運んできたり
パラグライダーで大自然の中を飛んだ時、鳥になれた気がした
バイクで新緑の中を駆け抜ける時は自分自身が風になった気がした
風はそれ自体では目に見えずとも、いつでもどこにでもでも存在し、いろいろなものを介して五感を伴って感じられる
時に優しく、時に恐ろしく
だからこそ、風に乗ってその時に伝えてくれていることに、ちゃんと気づける感覚を忘れず大切にしたい
なんて思った
拝啓 貴方様
10年前の11月、
あなたといっしょにお迎えした可愛い娘が
もうすぐ虹の橋を渡ってしまいそうです。
愛娘は最初 わたしよりもあなたに懐きましたね。
可愛いハントの姿を 愛娘に見つからないように陰からよく覗いたものです。
1歳を迎える前に 愛娘はFIPを患ってしまって
ふたりで悲しみに暮れましたね。
でも愛娘は 投薬が体に合っていたのか
FIPと共に9年このお家で元気に過ごしてくれました。
それが昨年12月 悪性リンパ腫が見つかって
治療で2回寛解したんだけれど
耐性ができてしまってからは もう治療も強制給餌もしていません。
あなたとは 一緒に暮らした時間がそんなに長くなかったけれど
やっぱりこの子は あなたとわたしの愛娘だから
知る権利は あるのかなって。
でももう 伝える手段がないの。
こちらにも 新しいパパがいるし。
でもあなた、たまに想ってるでしょう?
子供たちは元気かなって。
わたしとは 連絡するだけの用事も関係性もないけれど
子供たちのことは 知りたかったよね。
いま あなたに届くように 願っています。
届きますように。
◇風にのって◇
風が運んできたのは
夏の始まりを告げる便りだった。
昔から好きになれないんだ。
キラキラしていて
色鮮やかで
眩しくて
私はあまりに不釣り合いだから。
人はきっと心弾むんだろう。
夏の始まりに
心が踊るんだろう。
少し憂鬱になる私は
私の居場所はあるのかな。
だから今年の夏は
夏の好きなところを
見つけてみようと思うの。
きっとまだ気づいていないだけで
どこかに隠れているんだよね。
探しに行くよ。
「風に乗って」
見上げた空を飛んでいるのは、紙飛行機だった。
ふらふらと、ふわふわと、真っ直ぐとはいかず目的地も定かではなさそうな紙飛行機が風だけを頼りに飛んでいる。
動画を見ながら折ったのだが、簡単かと思ったのにどうやら全てがうまくいくわけではないようだ。
それでも、晴れ渡った空ではないが雨が降っていなくて良かった。
爽やかで朗らかな風ではないが、風が吹いていて良かった。
動画ではただ真っ直ぐに飛んでいた紙飛行機ではないが、ふらふらふわふわと飛んでいるではないか。
風に乗って、いつか目的地まで行けるようになるのだろう。
“風に乗って”
風に乗って
「さあ、外に行きなさい。そう風に乗って自由に何処か好きな所に…。鳥籠の中は窮屈で退屈だわ。貴方はこうであるべきだとかそういう檻。そんな檻に縛られる日々は懲り懲りよ。私も何処か飛んで行きたい。でも私は簡単にはこの王女の立場は脱げないわ。だからせめて貴方だけでも自由になって。それが私の小さな願いよ。」
風に乗って走れ
全力尽くして熱くなれ
って、小6のときに皆で考えた
運動会のスローガンだったわ