『香水』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
香水はつけない
君が嫌がるから
君の嫌がることはしない
絶対…なるべく…極力…
君を喜ばせるために
私はいるのだから
ずいぶん前のことで忘れていたけれど、
新婚当初、夫が海外の出張先でCHANELの香水を買ってきてくれたことがあった
わたしはそういうブランドものの香水が似合うタイプではなく、欲しいと思ったこともなかったので受け取ったもののあまり喜ばなかった
その香水は結婚式に呼ばれた時などに
つけたりしたけれど、
二十数年過ぎた今でも、使いきれず部屋の隅に箱に入ったまま置いてある
香水に限らず夫からのプレゼントを
わたしはあまり喜ばなかった
さほど欲しくないものだったといえばそうだが、出ているお金は結局家計費からなので
無駄遣いして欲しくない、という気持ちのほうが強かった
今思えばなんて気持ちを踏みにじるようなことをしたのだろう…
もし素直に喜んでプレゼントを受け取る妻だったら、
夫もわたしの話にもう少し耳を傾けてくれたかもしれない
そして今とは違う家族の形になっていただろう
わたしが気づかなかった夫なりの好意を
いまでもきっと踏みにじっているのかもしれない
【香水】
香水の人を誘う匂いには騙されてしまう
いい匂い。
気持ち悪がられるだろう
だが、ふわりと香る素敵な匂いには振り変えざるを得ない
その日もまた振り返ってしまった
いい匂いだなぁ…
振り返るとその子もこちらを見ていた
まるで同じことを想っているかのような目をして。
〖 香水 〗
女の甘ったるい香水の匂い。
女は気があるようだ。
ちっさい胸を押し付けてくる
声も高く甘ったるい。
ホテルに行こうと誘ってくる。
今夜は此奴でいいかと、
態とお前に気があるように振る舞う。
ヤッたら如何する彼女にするかって?
勿論ysp
媚売り女なんてただの道具でしか無いからね
香水つけた?と君は言う。
匂いがするんだろうなと俺は思う。
つけたよと俺が言う。
そしたら、君は、やっぱり!と言った。
「香水」
香り、嗅覚は、五感の中で唯一、脳の「海馬」に働きかける。
普段は忘れているのに、香りを嗅いだら思い出す記憶、誰しもあるよね。
数年前に流行った「香水」って歌も、元カノの使ってた香水で昔の思い出が蘇ってましたね。
#40 香水
[怖いこと]
最近、
香水用の詰め替え容器「アドマイザー」に
ハマっている。
ミストの細粒が細かいから
心地よい水しぶきが来る。
少し高いけれど、買って良かった。
私は水が怖いから、
(水泳は得意だけど)
こういった霧の細かいミストで
水の苦手意識を薄める準備をする。
そうすると、
水を使う家事への抵抗感が無くなっていく。
こんな感じで、
怖いことも工夫して楽しんで生きたい。
初めて手にしたのは、親がどこからか見つけ出してきた物だった。
それはスッキリとした清涼感のあるシトラスの香りで、どこか背筋が伸びるような気がする。……気に入った。
耳の裏にほんのり付けると良い。
どこかで聞き齧った情報を頭の引き出しから引っ張り出し、一、二滴振って耳の裏に塗り込む。
今日は休日で部活だけの日。
誰かに気付いてもらいたいような、それでいて誰にも気付かれてはいけないような、少し大人になれた特別感を抱いて自転車を漕いだ。
「オッサンの匂いがする」
部室の扉を開けた先輩の開口一番がこれだった。
後々よくその香水を見るとメンズ向けだったことを知るのだが、この時の少女はまだ知らない。
耳の裏には太い血管が走っており、香水が揮発するのに非常に向いていた。要はめちゃくちゃよく香ったのである。
「ねえ、何でこんな臭うん?」
大きな声で眉を顰めた先輩がキョロキョロと辺りを見回す。
他の部員達は不思議そうに目と目を合わせている中、少女は顔を真っ赤にして俯くことしかできない。
少女はアレルギー性鼻炎で、あまり自身の鼻が利かなかったのも良くなかった。
「……あー、もしかしてそう?」
鼻の良い先輩に早々にバレてしまい、それ以上は追及されることも無く終わったのだが、この一件以降少女が香水を使うことは金輪際無かったそうな。
《香水》
キツイ香りの人とすれ違う
ウッ…
全ての人に
いい香りとは限らない
わかば
━━━
《香水》
あなたの香りに触れたい
あおば
ふと馴染みのある香水の香りがした
でもそれはすぐに雑踏の中に消えてしまった
一瞬の出来事の中にあなたと過ごした日々が鮮やかに思い起こされた
あなたがよく使っていた香水と同じ香り
もう二度と会うことはないのかもしれないけれど、今のあなたがどうか幸せでいてほしい
『香水』
香水って凄いと私は思う。
だってその香りを嗅いだらその場にいない人の事すら瞬時に思い出すから。
すれ違った人が知ってる香水を付けていたなら振り返ってしまうこともあるくらい。
人は香りと記憶が連動しやすいってどこかで聞いたことがあるけれど、納得出来る。
食べ物の香りでは連動なんて起きないのに、香水だと嗅いだ瞬間頭がフル回転する。
誰が付けていたか、どんな人だったか、思い出す。
それでも好きな香りを身にまといたいから、今日も今日とて手首にワンプッシュ。
幻の香水
・幻の香水をつけると、自分のネガティブな思いが全て消え、全てがポジティブな思考になる
・幻の香水をつけると、パーティで周りの異性がこぞって私に興味を示し、異性を選び放題になる
・幻の香水をつけると、匂いの効力が及ぶ範囲にいる周りの人たちがみんな笑顔になる
現実
・香水で、夫の嫌な匂いが消えてほしい
売り場での 印象と違う 香水と家具
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花と見れば匂いを嗅ぎたくなるくらいには匂いは好きだ。柑橘系の木の花の匂いが特に好きだ。前世のどこかでアゲハ蝶の幼虫になったのかもしれない。
香水は、気に入った匂いのものを探したくなるし、贈り物でいただくとなるべくデートにゃつけていこうと思うのだが加減が難しい。普通につけると他人はもちろん自分がしんどくなることも多い。何より食事の良い匂いが消えるのは嫌だ。香る系の柔軟剤も苦手。だから特別な日以外は、だいたいはデオドラントスプレーかハンドクリームに落ち着く。
夏場の汗の臭いは香水と同じくらいしんどいので無頓着な家族にデオドラントスプレーを持って朝追いかけることになる。冬場はハンドクリーム。気になれば手を洗うだけにして弱められるのが良いし、無香料のものに自家製ブレンドの精油を入れて楽しめたりもする。こちらは匂いが飛ぶのも早くて良い。
そうそう。夜寝る時にだけラボンのファブリックスプレーを使ったりもする。
脳内BGMは、瑛人さんの香水か、Kis-My-Ft2のCHUDOKU
しんどいから普段はつけないけど、「コレって何付けてるの?」と言われる女にはやっぱりどこか憧れがある。
とはいえ、たまにつけたくなるのが香水。休みの時にたまに香りにひたる。何度も失敗はしたけれど、ずっとエルメスのナイルの庭だけはお気に入りだ。
他人にも辛くないパンの匂いの香水があれば良いのにと思ったら…あるのか。セルジュルタンスのジュドゥポー。うわぁ欲しいな。えー!廃盤か!
No.106『香水』
君の香水の匂いが好きだった。
人は声から忘れていくらしい。
実際僕はもう君の声を思い出せない。
だけどいつまでも残ってるのは君の香水の匂い。
だから僕は今日もその匂いを追ってしまうんだ。
君じゃないと分かってていても。
香水
お姉ちゃんの部屋の棚に並んでいる
香水の瓶
私が触ろうとすると「あんたにはまだ早い」とぴしゃりと手を叩かれる
ぷっくりと頬を膨らませ私が不満を
露わにするとお姉ちゃんは
苦笑して「あんたが大人になったら
付けてあげる」
私は、その言葉を信じ大人になるのを
待ち望んでいた
そうして、大人になり初めての彼氏が
出来るとお姉ちゃんが私に
プレゼントをくれた。
初彼氏記念と書かれたカードと共に
プレゼントの包みを開けると
中には、ピンクの液体が入った小瓶が
入っていた。
「掛けてみて!」とお姉ちゃんがにっこりと
言うので私は、首筋にプシュッと
噴射口のボタンを押して首筋にピンクの
香水を掛けてみた。
鼻から妖艶な甘いローズの香りがした。
お姉ちゃんが「私とお揃い!」と私が持っているのと全く同じ瓶を掲げてにっこりと
笑っていた。
私もお姉ちゃんに笑い返した。
こうして、私は、お姉ちゃんと同じ
大人になった。
古い図書館の中庭フィトンチッド
知的な君の纏う香水
♯香水
私の好きな香水には哀しい名前がついている。
でもその香りをかげば、自分の胸の奥に確かに響くものがあるのだ。
ちょっと薬くさいこの香水。
包装紙のにおいにもちょっと似ていて、お香の様な雰囲気もある。
残念ながら「いい香りする」とはまだ言われていないけれど、本当の自分を出したい時に選ぶのは絶対にこれでなくてはならない。
つかみどころのない陰の薄さ。
嘆きと孤独と諦念の香り。
ああどうか廃盤になりませんように!
香水、ねぇ…。
香水って聞くと
匂いのキツすぎる知らないばあさんがよぎる。
だからあんまりいいイメージがないんだよなあ。
せめて彼氏彼女の匂いとかだったらいい話かけた
…かもしれない。
…自分の匂いは柔軟剤と汗の匂いがしてるかな。
私の高校の先輩は
フルーティーな香りの香水が似合う人だった。
ベビーフェイスで
明るくて笑顔で接し、思いやりがあって
誰とでもすぐに打ち解ける、
そんな人の鑑みたいな人。
私も先輩のようになりたくて必死だった。
でも、どんなに頑張っても
彼女のようにはなれなかった。
誰にでも向き不向きがあるように
人の性格って変えられないと
なんとなく思った。
そんな時、私はその先輩に相談した。
「どうしたら、先輩みたいになれますか?」
答えは一つだった。
「あなたにしか似合わない香水があるの。
その香水さえ見つけられれば、
きっとあなたは『自分らしさ』を見つけられる。
あなたにはあなたの良さがある。
それを忘れないで」
その日からさまざまな香水をテスターで試して
金木犀のような甘い懐かしい香りの香水を選んだ。
風に乗って運ばれた香りは
記憶の扉を開けた少しだけ
あなたを探した雑踏の中に
いるはずはない分かってる
閉じ込めていたわたしの心
愛を探していたわたしの瞳
まだ幼かった二人の出会い
誰かが囁く言葉は要らない
ただ真実をみたいそれだけ
欲望が溢れているこの街は
あなただけいないこの街は
『香水』