3匹の猫

Open App
4/6/2024, 8:51:03 PM

キミの目を見つめると
ボクはそのエメラルドグリーンの海で溺れそうになる

キミの瞳はとても綺麗な色だから
ずっと見ていたいんだ

この腕の中にキミをとどめるのは難しい
いつも追いかけるボクの手をすり抜け
時には触るなとつれない態度
どうやら今日も機嫌が悪いらしい

それでもボクはキミが好き
そのエメラルドの瞳にボクは写ってるだろうか

名前を呼ぶと
キミは目を細めて「にゃあ」と答えた

4/6/2024, 7:33:18 AM

星空の下、私たちは生まれた。
ひとりひとり違うけれど、みんな同じ愛しい子。
さあ行ってごらん。
その目で、その耳で、その体、全部で感じるんだ。
全てを愛して。
そうしたら世界は輝くだろう。
人生は長いようで短い。
キミの人生は始まったばかり。
今日が一番若い日。
何か始めるに遅いことはない。
一緒に踏み出そう。
新しい自分。

4/4/2024, 9:10:16 AM

世界に一つだけのもの
それを探しにボクは旅に出た

住み慣れた故郷を離れ
道なき道の森を抜け
右も左もない草原を過ぎ

暑い日も寒い日も
雨に打たれ強い風に向かって
ただ歩き続けた

色んな人に聞いても誰も知らない
世界に一つだけのものなんて見当もつかない
そう言って物珍しげにボクを見ては嘲笑う

いつしかボクは疲れ果て
そんなものが存在するのかどうか疑わしくなって
ここで最後にしようと人伝に聞いた賢者を尋ねた

賢者は言った
もうあなたは答えを見つけている
ここに用はないはず
故郷に帰りなさいと

ボクはまた長い年月をかけて故郷を目指した
いくつもの夜を明かして、ある日の朝、
ボクは懐かしい我が家に帰ってきた

父や母は腰が曲がって歳を取り
兄弟はすっかりシワが増えた大人になっていた
再会を喜び
世界に一つだけのものはとうとう見つからなかったと話そうとしたら
ボクが帰ってきたと知った幼馴染が駆け込んできた

幼かった彼女は大人の女性になっていた
彼女はずっと旅に出たボクを待っていたのだ
怒りながら泣いている彼女はそれでもボクを許した
息を呑むほどに美しい彼女の瞳を見て
ボクはやっと探していたものを見つけた

世界に一つだけ
それは愛
見つけるのが困難で遠回りしたけど
ボクはとうとう愛を見つけた

誰もが愛を探していて迷子になる
遠回りしてもいい
いつか分かる時がくる
愛とは許すこと
それが世界に一つだけのもの

3/30/2024, 10:30:31 AM

何気ないふりをしてやり過ごした。
この人は気付いていないだろう。
私がどれだけ傷付いたか。

雰囲気を壊したくなくて、また自分の気持ちに蓋をしてしまった。
傷付いたと伝えないと相手には分からないことなのに。

自分を誤魔化すことは人を欺くのと同じこと。
人を軽くみてるから自分も軽くあしらわれることが多いのに。

そう分かってはいるけれど、言えない私。
楽しかった空気をぬるくなったコーヒーで流し込む。
どうしようもない自分に深いため息をついた。

3/30/2024, 8:09:46 AM

「ハッピーエンドノススメ」

その本はシンプルなものだった。
著作者の名前もない。
約束まで時間があったので何気なく寄った図書館で手に取った本。
重厚な革の表紙と背表紙には金色の文字。
古めかしい味わいのある装丁が何故か気になって、アカネはページを捲った。


「人生においてハッピーエンドとは何かを成し遂げた時の区切りではない。
誰にも平等に訪れる最期の時に、自分の人生を振り返って納得することがハッピーエンドなのだ。

人生は時に理不尽で厳しく、辛く、絶望に打ちひしがれる時もあるだろう。
うまくいかないことを人のせいにして自らを省みず、不遇を嘆くだけの人生かもしれない。
あるいは、どうして自分はこうなんだと、自分を傷つけ続けることしか出来なかったのかもしれない。

それでもそんな自分を受け入れ、許し、愛すことで誰でもハッピーエンドを迎えられるのだ。
辛かったけど生き抜いた。
恨み辛みは残さないよう生きる。
自分を救うことが出来るのは自分だけなのだ。

ハッピーエンドのために人生はある。
色んなことを経験して、色んな思いを感じる。
辛いことや間違いもあったけど、それで良かったと人生を全うすることが、人としてただひとつの使命である。

いつでもハッピーエンドを迎えられるように、自分が納得できる生き方すること。
それが精一杯生きるということ。」


ハッとして腕時計を見るともう約束の時間だった。
慌てて元の場所に本を戻し、待ち合わせの場所に向かうアカネを後ろから眺める初老の男。
アカネが手に取っていた本を確かめると、タイトルが消え、何も書かれていない本になっていた。

今日は何の話だったのかな…
この本は不思議な力が宿る本。
手に取った人に合わせ、その人がその時に必要なことが書かれている。

あの子が何に悩んでいて、この本がどんな内容だったかは分からないけど、この先の生きるヒントになることは間違いないだろうと、表紙を撫でて男はまた本を元に戻した。

Next