お題[どうしてこの世界は]
とっても綺麗なのにとっても汚い。とっても明るいのにとっても暗い。表裏一体で。それが嫌いで。
私は素直じゃないから、嫌いなものばかり目に入る。いや、進んで探しているのだろう。そんな私のことが何よりも嫌いだ。暗くて弱くて普通じゃなくて。誰が好きになるというのだろう。それでも最終的に、全ての嫌いなものも好きなものも十把一絡げで愛してしまう。いつかそんな私のことを愛せる日が来てしまうのだろう。それまでは、今まで通り嫌いなところを探しながら生きようと思う。ああ、素晴らしい世界だ。
お題[君と歩いた道]
あの木はあの日の桜かな?あんなに鮮やかなピンク色だったのに、今ではすっかり爽やかな緑だ。いやでも月日が経ったことを感じされられる。そんな景色を目の当たりにして気分が沈む。
「あの時に戻りたいな…」
お題[さあ行こう]
待ちに待った合格発表の日。自宅で見るのが怖くて、学校へ向かうことにした。
早めに向かったつもりだったが、道中何度もトイレへ行ったおかげで、着く頃には人でいっぱいになっていた。これではトイレへ行けないではないか!なんて気を逸らしながら、トイレの場所の確認をした。今は最重要事項だ。なんだ、近くにあるじゃないか。なんて安心したのは一瞬で、結果のことを考えるとお腹が猛烈に痛くなってしまう。さあ、俺は掲示板とトイレ、どちらに先に向かうべきだろうか__
お題[水たまりに映る空]
どんよりとした空気とは対称に、空はどこまでも澄んでいる。それがどうしようもなく恨めしい。キッと睨みつけたところで素知らぬ顔だ。精一杯の抵抗として、道にできた水たまりを1つ1つ踏んでいくことにした。水面に映る綺麗な青が歪んで、暗い泥に塗れていく。それがなんだか楽しくて、落ち込んでいたことなどどうでもよくなってしまった。
お題[恋か、愛か、それとも]
今日も目が合った。すぐ逸らされたけど。
「最近よく目が合うなぁ…」
彼女は数年前から通ってくれてる常連客だ。すっかり大人びたな。なんて思いながら見つめていると、何かを探している様子。この見渡しのいいカフェの店内で何を探すというのだろう。不思議に思った僕は、彼女に近付き声を掛けた。
「何かお探しですか?」
少し躊躇したあと不安そうな顔で、ここに来ると視線を感じることを打ち明けてくれた。恋人が行方不明になっていることも、捜査に進展がないことも。何年も彼女を見てきた僕には知らないことなんてなかった。もちろん恋人の行方も知っている。それでも、不安そうな彼女を見ていられなくて
「お家までお送りしますよ。僕がついています。」
なんて言ってしまった。やってしまった…と焦る僕とは裏腹に、彼女は嬉しそうな顔を見せてくれた。
やっとここまで漕ぎ着けた。