月海月

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11/15/2025, 12:11:53 PM

「さっきまで晴れてたのに…」
お気に入りのワンピースの裾を摘んで、
小さなバス停の軒先に駆け込めば
しっとりとした湿気と雨の匂いに包まれる。

小雨を降らせる雲を見上げれば
遠くの山肌に下りる天使の梯子。


#木漏れ日の跡

11/11/2025, 2:01:08 PM


「休憩にしようか」
そう言って彼は席を立つと、こじんまりとした給湯室に向かい
お湯を沸かし始める。
「そういえば、誰かが置いてったんだよね」
お湯を沸かす彼の脇の棚から焼き菓子を出すと
「なら、紅茶にしようか」
給湯室には似つかわしくない二脚のティーセットを取り出す彼に思わず苦笑を洩らす。
「2人だけだし、特別に」
手に持たれている“イイ茶葉”と彼の言葉に少しの照れを浮かばせてはにかんだ。

#ティーカップ

2/15/2025, 3:42:14 PM



纏わりついた鎖は僕をヘドロの底に沈めていく

薄れ行く意識の中で

最後に聴けるのはあなたの声でありますようにと願った

#君の声がする

12/15/2024, 12:59:19 PM


マフラーに顔を埋めて待っていれば

「遅れてごめん」と走り寄る姿

「遅い」

「ごめんって」

ジトリと睨めば眉を下げて笑うその人は
自然な流れで手を取って上着のポケットに。

「そろそろ降りそう」

「もう、すぐそこまで来ているよ」

明日の朝は真っ白な街になっているだろう

# 雪を待つ

10/29/2024, 3:02:06 PM

人目に付く所にあるはずなのに

私のものはみんなに見えていないみたい

何かもらえるだろうと期待して

期待するだけ無駄だと分かっているのに期待して

ああ。埋もれて何処かに消えてしまった

もう誰の目にも留まらない

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