とらた とらお

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2/27/2023, 1:59:39 PM

あれしなきゃ
これしなきゃ
ほら、あれだって
目につくことを片っ端から処理していく
やけに今日は軽快だ

普段の重い腰は何だったのかと
いつもこれくらい軽快であればいいのにと

ひととおり処理し終わると
やるべきことが見つけられない

いいや、ある

本当はある
もっと大きな爆弾が

何かした気になってる間に
安心感を得ようとしている間に
どんどん危険度を増していく爆弾が

そう、今までのことは現実逃避
すべきことから目を反らす

小さな達成感の積み重ねと
増す罪悪感を萎ませる
悪魔の誘惑

2/19/2023, 3:05:15 PM

枝先に
今にも離れていきそうな枯葉が踊っている

ビュッと風が吹いた拍子に
はらり はらはらと
宙を舞う

ひらりと地面に着地した枯葉は
風雨と微生物の力を借りて
時間をかけて次なる植物の栄養となる

世代を越えた循環を織り成す




そんな腐葉土で思い出した話がある。
大学生の頃、砂防学の講義で聞いた話だ。

よく土砂崩れが起きた時に
「80年住んでて山が崩れたのは初めてだ」
「何十年もずっと崩れていなかったのに」
とインタビューで答えるのを聞くと思う。

山というものにおいて
80年崩れていなかったのは
安全を示す指標にならない
むしろ、危険であると思ってもいい

たしかこんな話だったように思う。

日本において、山には傾斜があり、崩れて平坦になろうとしている途中にある。
平坦になった状態が安定なのであり、傾斜があるうちは崩れるのが『当たり前』なのである。
(厳密には安定勾配で安定するのだが、割愛する)

木の葉が落ち、腐葉土となり、年々、崩れる素材である土壌が堆積していく。
崩れなかった年月が長ければ長いほど、より多くの土壌が堆積しているわけだから、「急な傾斜があるのに、長年崩壊していないところ」ほど、危険なのである。

専門家ではないため、齟齬があるかもしれない。
けれど、長年崩れていないところほど、崩れる危険があると知った時、私の中の安全神話は大きく崩れたことを覚えている。

2/18/2023, 11:53:38 AM

海を歩いてる人がいる
いったい何をしているのだろう?
最初見た時は意味が分からずぎょっとしたが
どうやら潮が引いてるらしい

真上を空港から出たばかりの飛行機が
何機も通過していく

横須賀、横浜、東京、千葉
きらびやかな光が海の向こうで輝いてる

真上の空は心なしか
いつもより星が沢山見えているようだ

そんなこの場所は富津岬
なにも考えず車を走らせて
気がついたらここにいた

今日はここから
さよならするかな

2/17/2023, 1:48:54 PM

お気に入りという感覚。
子供の頃はすごく強くあった。

あの独特の感覚。
いったい何なのだろう。

うっすいパンダの顔型まくら。
肌身離さず持ち歩いていた。
でろでろになってもいつまでも持ち歩いてるから、「今日は持っていけないの」と取り上げられた時、心をガッポリ持っていかれたような心地がして、ひどく悲しくわんわん泣いたことを覚えている。

あれほどの感覚、
今はまったく抱くことがない。

ほんと、何なのだろうか。

2/16/2023, 12:24:07 AM

家に帰るとお母さんから手紙を渡された。
「あんたに手紙が届いとるで。
 ただ、切手代が普通より高いけどなぁ?
 返信するなら、間違えてますよってそれとなく伝えてみんさい。」

『手紙?
 手紙くれるようなまめな友達、おらんはずだけど…。
 あ~…、先生とかかな。
 ありがと。』

宛名はたしかに自分宛で、大人の綺麗な字で書いてある。やっぱ先生か。誰だろ?

差出人を確認したくて、本文よりもまず差出人の名前を探した。
…?自分…??
自分の字にしては…、整いすぎてる。
普段の荒れ狂った字を真似されても困るけど、イタズラするなら多少真似ればいいのに。


《急にこんな手紙ごめん。
 あと、挨拶書こうにも過去の自分に宛てた手紙で、なんて挨拶すればいいのか分からなかったからやめといた。

 私は10年後の君です。嘘っぱちに聞こえるかもしれないけどほんとなんだ。
 君は今、大学受験真っ只中の18歳だね。
 とても今、苦しかろう?

 動物感覚って本、分かるだろ?
 急にいくら読んでも先に進まなくなったろ?
 何度も借り直して、読み終わろうとしたよな。
 けど、読み終わらなかった。

 そして誰にも言ってなかった秘密。
 文字、読めなくなったろ。
 文字が大小に重なって、なんて書いてあるか読めなくなったよな。
 受験生なのに問題文が読めなくて、学年順位が下から数番目になったはず。
 辛かったろ。
 只でさえ自分は死刑囚で死ぬべき人間だって思ってるのに、文字さえも読めなくなった…って、思ってただろ?

 ぜ~んぶ、知ってんだぞ?
 10年前、全く同じことを経験したんだから》


驚いた。
ついこの前までの地獄の一端がそこに記されていたからだ。
誰にも言ってない、隠して何とか対処してた地獄の一端が。そこにあった。


《よく頑張ったよ。
 冷静に分析して考えて、自分の感情は差し置いて皆と同じ地面を歩かせるために、地道に、けどめちゃくちゃ頑張ったんだよな。
 ほんと、よく頑張ったよ。

 そこでの努力は、10年後の自分にもちゃんと還ってきてる。大丈夫。
 大学進学後も考えて、努力していくと思うけど、そこの努力もめちゃくちゃ自分に還ってくる。
 しといた方がいいんじゃないかと思う努力は、時間かかってもいいからするといい。
 ちゃんと、還ってくるから。

 ほら、字、綺麗になってるだろ?
 荒れ狂った字、治せないと思ってたもんな?笑

 あの崖を登ってこれたのなら、もう大丈夫。
 この先10年、いろいろあるけど、君が頑張ってくれたおかげで難なく進めるから。

 自分にたてた誓い、覚えてるよな。
 死なないこと。
 まずは死なないことだ。
 死にさえしなければ、大丈夫だから。

 10年後から先のことは自分にも言えないけど、そこを乗り越えてる君なら大丈夫。

 無理をせず、ぼちぼち進め。》


先のことは正直どうでもよかった。
あの壮絶な日々を認めて貰えただけで、知ってくれてる誰かがいてくれただけで、救われた気がした。

『ぼちぼち何て言われたけど、またしっかり頑張るかな!』


(いや、頑張りすぎるな、ぼちぼち行け!)

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