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10/4/2025, 1:52:46 AM

【誰か】

私はここにいます。
誰か私を見つけてください。
私はここにいるの…あなたの前に。

私の視線から目を離さないで、
私の涙をないものにしないで、
私の声をしっかりと聞いて、
私の手をすり抜けないで、
私の身体をしっかり抱いて、
私の近くから遠ざからないで、

私はここにいるのです。あなたの側に。
もしも誰かが――たとえばあなたが、
私を見つけてくれないのならば、
私がここに存在したその確かな証明を、
いったい誰がしてくれるのでしょうか。

10/1/2025, 3:41:11 PM

【秋の訪れ】

我が家の簾をひらりと揺らして、
きみが家の中を走り回る。
縁側に吊るした干し柿をつまんで、
囲炉裏の起こした炎を消して、
七輪で焼く魚の匂いに釣られてくる。

きみはいつもこの季節にやって来る。
私が寂しくないか確かめるように…。
そんな優しい子を我が子に持てて、
私は本当に、本当に幸せでした。

惜しむらくはきみの大人の姿を知らないこと。
それでもきっと、あなたは優しく思いやりのある、
素敵な男性に成長したのでしょうね…。

私の好きな赤いコスモスの花を持って、
あなたが手を引くあなたの子を…私の孫を、
毎年毎年こうして会わせてくれるのだから。

10/1/2025, 7:14:34 AM

【旅は続く】

それでも、旅は続く。
行き先も分からず、目的も分からず。
ただ同じ過程を繰り返すだけの旅―――。

だけどひとつだけ分かるのは、
その旅が、私のただひとつの望みだということ。

その先に願ったことはすでに擦り切れ、
白紙に向かうような道だとわかっていても、
旅を続ける――それだけが私を維持する。

何百万、何千万、数億の旅を続けようとも、
私が私である限り、旅は終わらない。

9/28/2025, 2:06:36 PM

【永遠なんて、ないけれど】

ここにあの人の遺した言葉がある。

軌跡が、文書となり、文書が、石碑となり、
石碑が、歴史となり、歴史が、紡がれる。

永遠なんて、ないけれど―――永遠は確かにある。

けれど只人である私たちに、
永遠は…存在しないのでしょう。

それは神に愛された者たちだけに与えられるものだから。

9/27/2025, 2:25:38 PM

【涙の理由】

ときおり、理由(わけ)もなく涙が出ることがある。
もちろん映画に感動したとか、小説に感情移入したとか、とりとめのない理由で泣くこともあるけれど。

けれど、一番はっきりと覚えている涙の理由は、
―――あの人にもう二度と会うことができない。
その真実を突きつけられたときかしら?

記憶というものは残酷だわ。
声も姿も、匂いも温もりも、
すべて、すべて忘れてしまう。
あの人の存在が…無になるの。

そうしてあの人を完全に失ったとき、
わたしは人目も憚らずに泣いていた。
人生であれ以上に泣いたことなどないくらい…。

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