筑紫菜月

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9/29/2024, 10:15:32 AM

静寂に包まれた部屋




部屋はしんとしていつもより広かった

僕と猫以外誰も居ない

夜の静けさが街を包むころ

君の不在を思う

今ごろ元気でいるだろうか

僕は自由だ

独りになりたいと思っていたじゃないか

これで良かったはずだろう

君ひとりいない
君ひとり居ないだけじゃないか

僕の好きな
君の苦手な
騒がしい音楽が鳴り響いている
静寂に包まれた部屋には
君が居ないというだけだ

































9/28/2024, 9:48:24 PM

別れ際に



僕が言い残したことがあるとするなら
愛してるという言葉だった

一度も口にしたことはなかった

愛などという簡単なひと言では表せなかった

その朝の最後の言葉は
じゃあね行ってくるよ

君は何も知らぬ微笑みで
行ってらっしゃいと言った

どこまでやれるか
できるところまで闘いたかった
だがそんな事は君に聞かせる事じゃない

いつも本気は本音では言えないもの

冷たいと君は泣くだろうか
それとも僕を憎むかい

もう少し待っていてね
届くはずのない返事を書くから




































9/26/2024, 1:44:01 AM

窓から見える景色



目をあげると
通りに面したラウンジから見える
窓ガラスの向こうは広い舗道になっていた

西向きなのに
天井まである大きな窓のせいでとても明るかった

目の前は建設現場だった
よく見るとあちらこちらで建築作業が行われていた

ここは病院通り
大きな病院や薬局が建ち並んでいる
これからまだ病院が増えるようだ

なにか釈然としない思いがする
病人を作っては金を吸い込んでゆく
そしてその金はより豊かな者にのみ還元されてゆくのだった

病人を作り搾取する経済が出来あがっているのだった

富める者がより豊かに
貧しき者はより貧しく

病める日も
貧しき日も
人の欲の分だけ
まるでネズミ講のように物は増え続けるのだった

健やかなる日も
富める日も
人の欲の分だけ
その富の中で幸せに生きる者は増え続けるのだった

それがこの国の幸せの形なら
名も無き者の詩う歌など誰の耳に届くのだろうか

病院の窓から見える景色は
今日も青い空に覆われていて
希望が胸をナイフのように切り裂くのだ































9/24/2024, 10:49:41 AM

形の無いもの



あたたかさ
笑顔
甘える声

あの人が私にくれるもの全て





































9/21/2024, 1:04:42 PM

秋恋



秋になり
あの人からの
返事来ず

ひとつの季節が終わりました












































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