12/4/2025, 3:25:07 PM
「秘密の手紙」
わかってるよ、君たち
冬が来るんだろ。
イチョウが枯れて、枯れ葉たちが道に文字を浮かび上がらせる。
それは秋からの秘密の手紙
12/3/2025, 9:10:39 PM
「冬の足音」
枯れたいちょうを踏みつける断末魔。
彼らの死骸。みな、彼らの声は聞こえない。
彼らの叫び声すら、冬の足音だと楽しむ者さえいる。
いちょうは枯れるいちょうは枯れる
12/2/2025, 3:45:54 PM
『贈り物の中身』
大人になったら開けなさい。
亡き母に言われたまま、今も開けられないプレゼント。
贈り物の中身は何なのか。
大人になれない僕は、未だに知ることはない。
9/8/2025, 8:09:21 PM
「仲間になれなくて」
希望だって、絶望の仲間になれなくて泣いているかもしれないじゃないか。
僕は一人じゃない。君だってそうだ。
君が今立っている地面の中に蠢く虫たちと、世界の終わりについて語り合えばいい。
9/7/2025, 1:58:00 AM
「誰もいない教室」
忘れ物を取りに帰る。
どこからか吹奏楽部の練習する音が聞こえてくる。
日直が閉め忘れた窓から秋の風が漏れてカーテンが揺れている。
あの誰もいない教室の色を、もう二度と見ることはできないのだろう。