小絲さなこ

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2/26/2024, 2:07:56 PM

「living」



 永遠のものなどないと、君はいつも言っていた。

 楽しい時間も、綺麗なものも、永遠ではない。
 そのかわり、苦しいことも、辛いことも、ずっと続くものではないって。

 それは、救いであり、不安でもある。
 だから信じるために誓うのだと、君は笑った。


 ゆれる炎。
 薪ストーブとソファは魅惑と誘惑の組み合わせ。
 猫のように微睡む君。

 これからもずっと、こんな風に君を隣で見ていたい。

 君は今、夢の中。
 その夢の中でさえ隣にいたいと言ったら、君はきっと呆れながらも「当たり前でしょ」と言うんだろう。

  
 永遠などないと、俺たちは知っている。
 それでも、信じたい。
 だから誓った。

 今も、これからも、きっと生まれ変わっても。



 君が今、ここにいることを確かめたくなって、手を伸ばす。 



  
 これからも、ずっと隣で、同じ気持ちでいてくれるって、信じてる。




────君は今

2/25/2024, 12:22:32 PM

「降水確率30%」





いっそ降ってしまえばいいのに。

持ってきた長傘の出番がないまま、交差点が近づいてくる。

今度会える約束なんて、ない。


いっそ振ってくれればいいのに。

はっきりと言わない貴方。
はっきりと言わないのは私も同じ。

狡さを比べる。


認めたくなくて。
いつだって前向きでいたくて。

「じゃあ、またね」

もう会わないという決意は、私の中でだけ。
振り返らない。








雨音は拍手。

赤い長傘に零れ落ちるものを隠す役を与えて歩き出す。







────物憂げな空


2/25/2024, 5:14:23 AM


「mother」




出生の秘密────なんて大袈裟なこと、知りたくなかった。
だから、母親のことなんて、名前すら知りたいとも思わない。


遺された子供の気持ちなど、まったく考えていない。
自分の命と引き換えに産むなんて、虫と同じだ。
二度と会えない男の子供を命懸けで産むなんて、正気の沙汰とは思えない。

俺はずっとそう思っていた。



だが、母のことを知る人物から語られる真実は、それを覆すことばかり。


俺にこの世界を見せたかった母。

最期の言葉は光を灯し、道標となっていく。









────小さな命