心の羅針盤
「最近、心の羅針盤が狂ってきたんだ」
『なにそれ?』
「自分がどの道に進むべきか検討もつかないんだよ」
『人生の道に迷ってるってこと?』
「そういうことだね。」
『でも、最近の君は以前よりずっと楽しそうだよ』
「進むべき道がハッキリしていないのに?」
『道が見えないから楽しいんじゃないか。』
「でも羅針盤がなきゃ道を間違えるかもしれないよ」
『羅針盤が指す道を進めばきっと困ることなく
人生を歩めるだろうね。でもその道が正しいなんて
誰が言ったんだ。』
「それもそうだね。」
『そうだろう?』
またね
次があるとはどれほど幸せなことだろう。
たった三文字で幸せを与え、得られるとは
どれほど素晴らしいことだろうか
泡になりたい
人魚姫じゃあるまいし、そんなことは不可能だ
「泡になって消えてしまいたい」とどれだけ願おうと
本当に消える人など存在しない
そんなことはきっと周知の事実で
消えたいと思う人が痛いほど感じていることだ
それでも願う人がいるとはなんと惨めなのだろう
そして、そんな惨めな人間を生み出すこの世界が
1番惨めである。
ただいま、夏
少しの間、涼しい部屋にいるだけで
今が夏であることを忘れてしまいそうになる。
そしてふと外に出るだけで、
涼しかったことを忘れるほどの夏が帰ってくる。
ぬるい炭酸と無口な君
無口な君は
僕の炭酸がぬるくなっていることにも気づかない。
炭酸がもともと冷たかったことすら
知らないのかもしれない。
ましてや、炭酸は冷たい方が美味しいのだとか言うことは微塵も考えたことがないのだろう。
だから僕は、君に炭酸は冷たいほうが美味しいのだと
知って欲しい。
よく喋るあなたは
きっと私が何も考えていないと思っている。
あなたの握る炭酸が、ぬるくなっていることに
私はちゃんと気づいているのに。
そしてそのぬるい炭酸が、何よりも美味しいのだということも、ちゃんと知っているのに。