旅路の果てに
自分がかつて大事に抱えていたものは。
耳かきのサジにちょこんと乗っているような、鼻息ひとつで飛んで行きもするし、下手をすると飲み込んでしまうような。
体を丸めて両の手で包み込んでいたものは、もはや体温を奪い、手を痺れさせ、体をこわばらせる原因になっていた。
無味無臭で
誰の何にも残らず
ただ、浪費した時間と
プライドだけが
残る。
呪いのような
それを
ひたすらちぎって
払ってみるけれど
影はまだ
どこまでも手を伸ばして
そのひとつひとつをかき集める。
ばかなやつだな、と
笑ったのは、誰?
【あなたに届けたい】
温かいうちが1番美味しい、そう言っていたのを思い出して、コートの中にしまう。
駅前から家までは歩いて10分。
実際には7分。
そして今は4分台も目指せるスピードで行く。
向かい風は容赦がない。
それでもあと信号を2つと角を曲がれば間も無くだ。
エレベーターは1台、5階から降りてくるのを待つより、勢いのまま階段を駆け上がったほうが早い。
ピンポンしなくていいからね、なんてメッセージが来ていたけど新鮮さを失いたくない。
合鍵をポケットから取り出す。
お揃いのシーサーのキーホルダーが、今日は一段とご機嫌そうに笑っている。
ピンポ、ピンポ、ピンポーン!
俺だぞ!という、ちゃめっ気を出しながら鍵を開け、ただいま、をいうつもりが
たい焼き食おう!と言っていた。
湯気でしけた紙袋を彼女は笑って受け取った。
アイラは泣いた。
それはもう、見事だった。
大人になって10年を越した僕は感情が薄れはしても、絵に描いたような「うわぁぁぁん!」を受け止めることになるとは思わなかった。
フードコートの真ん中で棒立ちの僕にアイラは抱きついてしゃくりあげている。
平日の昼はご近所のマダムやら散歩ついでにショッピングモールで一休みしているお父さんたちもいる。小さい子供を連れたお母さんたちはこちらを見て昼ドラよりももっとリアルな刺激に目を輝かせている、気がする。
_________________
眠くてここまで✍️
音痴だなんていうなよ
諦めないよ、ご隠居
そんな音が正しいなんて
馬鹿げてるよな
実際自分は音痴でもよくて周りがそうなら悲しくて
「それが嫌だから」っていうエゴなんです。
他人が歌えてもどうでもよくて
誰かが歌うこともファッションで
それでも「ボレロを歌おう」
なんて素敵なことでしょう。
画面の先では誰かが笑い
それを嘆いて誰かが告げ口
それに感化されたフィオは
ナイフを持って走った。
フィオは「ボレロ」に嫌われている
前奏から様子が変でいつも水戸光圀ぽい歌を
簡単に電波で流しちゃう
フィオは「ボレロ」に嫌われている。
軽々しくイケそう!だとか
軽々しく「ボレロ」を見てる
フィオは「ボレロ」に嫌われている。
【企画用替え歌発表】
ボレロの前奏を歌うと、水戸黄門になってしまう。
そういうことを歌いたい。
ツノのある人生。