嶺舟(Reisyu)

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6/26/2025, 11:16:58 AM

長患いをしていた私
終わりの時が近づいた今
傍らには手を握る彼
静かな時間が流れる

「幸せだったよ、ありがとう」
「こちらこそ」

だんだんと瞼が重くなり始める
伝えなければと必死になる
「大好きだよ、おやすみ」
精一杯の笑顔とありったけの愛情を込めて
言い切ったと同時に意識を手放した



『最後の声』
No.23

6/22/2025, 1:43:53 PM

起きた途端のダルさと熱に
休みの連絡を入れて
ベッドに体を沈みこませ目を閉じる
こういう時に限って
夢見が悪いことの自覚はあった
なかなか眠れない

しばらくして玄関から音がする
きっと合鍵を持っている彼だろう
時刻を見れば彼は昼休みの時間だ
心配して来てくれたのだろうか

ノックとともに声をかけ部屋に入ってきた彼
「大丈夫じゃなさそうだな。
食欲があるなら何か作る」
言い置いて部屋を出ていこうとした
彼の服の裾を無意識に掴んで



『どこにも行かないで』
●No.22

6/22/2025, 12:20:16 AM

夢を見た

だだっ広い平原のど真ん中
私から遠く離れた位置に
反対側の地平線の方角を向いて
立ち尽くすあなたを見つけた

ようやく見つけたあなたは、しばらくして
その地平線の方へ足を運び始めた

「行ってしまうの?なら私も着いていく」
溢れる気持ちを抑えられなくて
私は小走りで離れた場所からその背を追う
あなたは独りじゃない
私がそっと見守っているよ



『君の背中を追って』
●No.21

6/20/2025, 3:32:01 PM

自分がいくら好きなことだとしても
夢中になってやっているとしても
それが上手くいかない場面はある

そんな機会が何回も重なって
思わず「嫌いだ」とつぶやいてしまった
それでも続けるのだけど

何回かして
また成功した時に僕は気がついた

それが嫌いになったわけではなかった
好きなことなのに
上手くいかないことが、もどかしく
成功できない自分自身が嫌だったのだと



『好き、嫌い、』
●No.20

6/20/2025, 7:27:13 AM

強い雨音が続く深夜
ようやく寝たらしい彼女に
薄いタオルケットをかける

「雨は苦手」
そう呟きながら泣いた顔には
幾重にも筋が

窓の外を見る
俺も、雨は苦手だ



『雨の香り、涙の跡』
●No.19

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