【どうして】
どうしてあの時、僕は君に話しかけたのだろう
どうしてあの時、僕は君を好きになったのだろう
どうしてあの時、僕は君から離れたのだろう
どうしてあの時、僕は君からの電話に出たのだろう
どうしてあの時、僕は君とまた会ったのだろう
どうしてあの時、僕は君に想いを伝えたのだろう
どうしてあの時、僕は振られたのだろう
どうしてあの時、僕は涙一つ流さなかったのだろう
どうしてあの時、僕は君を忘れられなかったのだろう
どうしてあの時、僕は君と再会したのだろう
どうしてあの時、僕は君に想いを伝えられたのだろう
どうしてあの時、僕は君を振ったのだろう
どうしてあの時、僕は君と分かり合えなかったのだろう
どうしてあの時、僕は全てを許せなかったのだろう
どうしてあの時、どうしてあの時
選択を誤ったのだろう
どうしてあの時、どうしてあの時
すれ違ってしまったのだろう
【夢を見てたい】
私は眠ることが好きだ
クソみたいな現実から逃げられるから
ずっと夢を見ていたい
都合のいい夢を見ながら
現実を忘れたい
【ずっとこのまま】
好きな人に抱きしめられると
心が落ち着く
抱えていた不安が取れていく
そして自分を愛おしむような言葉を囁かれると
ああ、私、ずっとこのままでいたいな、って思うんだ
【寒さが身に染みて】
二ヶ月付き合った彼女にフラれた。
原因は俺が彼女の温もりを求めすぎたこと。
まだ早いかな、ってやんわり断られているにも関わらず、彼女がおっとりした性格なのをいいことに、ガンガン攻めすぎた。
だけど彼女がおっとりした性格なのは事実だが、言う時ははっきり言うタイプだということまでは知らなかった。
だから俺は、あなたみたいな人とは別れますとはっきり言われ、フラれたのだ。
一人で歩いて帰路につく。
冬の冷たい風が余計に心を寂しくする。
温もりを求めすぎた結果一人きりになり、寒さが身に染みて、苦しい。
【20歳】
僕が二十歳になった時、僕を祝ってくれる人はもう居なかった。
父方のじいちゃんとばあちゃんは僕が中学生の時に亡くなった。母方のじいちゃんは僕が産まれるよりずっと前に亡くなっていて、ばあちゃんは僕が高校生の時に亡くなった。
父さんと母さんは、僕が十九歳の時に二人で旅行に行き、交通事故でこの世を去った。
僕は一人で狭いアパート暮らし。六月十五日に二十回目の誕生日を迎えて、とうとう大人になったけれど、それを祝ってくれる人は居ない。
成人の日でさえ、僕は成人式に行くこともなく仕事をしていた。
もし、みんなが生きていたら。立派になったねと言ってくれたかな。
おめでとうって言ってくれたかな。
お前が成人したら、一緒に酒を飲みたいと言っていた父さん。あんたが結婚してお嫁さんや子供ができるのが楽しみと言っていた母さん。大きくなったね、と会うたびに言って、これからが楽しみだと笑っていた、じいちゃんやばあちゃん。
みんなに、今の僕を見せたかったな。
・・・
あれから五年。僕は二十五歳になった。
結婚して、息子が産まれて。家族ができた。
今日は六月十五日。僕の二十五歳の誕生日だ。
「パパ、おめでとう!」
三歳の息子は満面の笑みで言って、自分が描いた絵をくれた。
「あなた、おめでとう」
妻もそう言うと、綺麗な箱に入った時計をくれた。
「ありがとう」
僕は泣きながら答えて、二人を力いっぱい抱きしめた。
二十歳になった僕を祝ってくれる人は居なかったけれど。
二十五歳の僕は幸せに暮らしていると、今は会えない大事な人たちに伝えたい。
じいちゃんやばあちゃん、父さんや母さん、みんなが居たお陰で僕が産まれて、大事な人に出会えて。今、僕はたしかに幸せなのだから。