魔法
子供の頃、魔法を使う、女の子のアニメを、よく見ていた…空を飛んだり、変身したりして、悪者をやっつけるのが、カッコよくて、羨ましいと思っていた…
箒に跨ってみたり、短い棒を振り回して、呪文を唱えたり、アニメの少女みたいに、沢山試してみたけれど…
矢っ張り何も出来なくて、そんな自分に、哀しくなった…
でも、周りの大人は、魔法を使わなくても、色々出来て、凄いと、思えて来た…そうして、いつか、魔法の事は、諦めたけれど、お母さんの優しい手が、魔法みたいに見えて、魔法より、お母さんの手が好きになっていった…
君と見た虹
あの、雨上がりの夕方、久しぶりの虹は、大きくて…思わず、隣の君の手を掴んだね…
あの日、初めて二人で、出掛けた遊園地…午後から、突然の雨で、少し雨宿りして、観覧車に乗って…段々景色が下に拡がり、空が近くなる…その、視界の先に、鮮やかな橋が、空に架かっていた…
会話が途切れて、何か言おうとしていて、言葉を探していた時で、この七色のアーチが勇気をくれた…
君と一緒に見た虹…今でも、鮮明に憶えているよ…
夜空を駆ける
この星空を駆け抜ける事が出来たなら…今すぐ、君に逢いに行きたい…友達より、家族より、君と一緒にいたい…
電話越しじゃなくて、君のリアルな顔を見つめ乍ら、君の声を直接聴きたい…会えない時間が、堪らなく辛くて淋しい…
たまにしか会えないのに、かけがえのない時間は、あっという間に過ぎてしまうから…我儘だってわかっている…けど、星空を見ると、君と過ごした、あの夜が蘇るから…
この、満天の星空を、飛んで行きたい…
ひそかな思い
毎日が、同じ事の繰り返しで、つまらない…朝起きて、仕事して、帰宅して寝る…休日は、一日ゴロゴロして、夜になる…
子供の頃に想像していた、何でも出来る大人には、なれていない…駄目駄目な、だらしない、誰からも必要とされない、つまらない大人…せめて、何かに精通したオタクが、まだ立派に見える…自己嫌悪で、生きているのが、辛い日々…
でも…そんな私を、屹度見付けてくれる誰かが現れる…そんな妄想も…せめてもの、気休め…
あなたは誰
真夜中の鏡を覗くと、未来に出逢う人が見える…そう聞いて、こっそりと、真夜中に、姿見を何度も見つめた…
けれど、鏡に写るのは、自分だけで、誰も出て来なくて…だから、其れが哀しくて、ずっと、一人ぼっちなんだと思うと、どんどん淋しくなってきて…
いつか、私の隣に来てくれる、誰かに、早くめぐり逢いたい…