はるかぜ

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9/30/2024, 2:52:49 PM

響くのは、容赦のない電子音

朝日が差し込み、今日という世界に目覚める
そんな優しい朝など、久しく、迎えた覚えはない

起きたところで何になる
起きたところで何ができる

いてもいなくても、何も変わりやしないのに

なんて。

たまったもんじゃないと、液晶を叩く

静まり返った部屋のなか
布が擦れる音だけが響く

まだ、まだ、もう少しだけ

諦念と無気力を握りしめて
つかの間の微睡みに身を委ねる

繰り返す。この息が続く限り
何も成せない、この身を引き摺って
それでも世界にしがみつく

きっと、きっと、

きっと、明日も

【きっと明日も】

9/29/2024, 2:03:41 PM

誰に気づかれることもなく
デジタル数字が時を刻む

暗闇のなか

横たわるのは静寂と
停滞した誰かの時そのもの

世界から誰が消えても
秒針すら消えても
今この瞬間、私が消えても

世界は気にもとめず、気づくこともない

ひとつため息をつく

沈むスプリングだけが存在を証明する

【静寂に包まれた部屋】

9/28/2024, 4:12:27 PM

手を離した、その呆気なさに愕然とする

一人になった途端、独りにされた途端
夕焼けに追い立てられるように
走る、はしる、

夕日に焼き尽くされた街はまるで戦場のようで

机上でしか生きられない
いつかの時代のどこかの誰か
悲痛な叫びが、脳裏を過ぎる

戦争にロマンスを見いだせるなんて滑稽だ
それでも、命は散り際こそ美しいと
消耗品に成り下がった、尊かったものたち

誰かが生きるために駆けたかもしれない
怒号と悲鳴と泣き声と、痙攣する心臓を叱咤して

向かう道
先をゆくのは先人の影

暗闇に溶ける

やがて辿り着く
その向こう側へ

【別れ際に】

9/27/2024, 2:48:31 PM



孤独と安堵だけを約束された
世界を映す雫の檻

乱反射する太陽光に彩られた
さびしい、さびしい檻

一歩踏み出せば光の中
けれど世界は恐ろしくて

どんなに追いかけても
追いつくことはない

逃げ場などない
取り残された檻の外


【通り雨】

9/26/2024, 1:41:08 PM

いつの間にか曖昧になった、夏と秋の境界線

太陽も、風も、海も、雲も、草木も、花も、

見れば変わらずそこにいるのに
ふと、顔色を変えては季節まで変えてみせる

始まりを告げ、終わりを詠う

明確な隔たりなどあっただろうか
明確な隔たりなど必要だろうか

春夏秋冬、それだけでは終われない
もっと儚い、世界の移ろいを

365日、人知れず去った儚い時を

季節を告げる、全てのものたちだけが知る

【秋🍁】

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