NoName

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10/25/2025, 12:43:37 PM

添わせた手のひらに伝わる
骨の硬さとかすかな拍動

見えない羽根が心臓に呼応して
そうだとわからないくらい
小さく揺れるのを想像する

肩甲骨はなごりなんだって
読んだことないけど

10/22/2025, 1:25:40 PM

皆に吹き付ける肌寒い風が
自分だけ通り過ぎていると気付いたとき
おばけは自分がおばけだと悟った

秋風にさらされるまでもなく冷えたからだには
ぬくもりの種火すらなかった

10/22/2025, 1:01:05 AM

「あっ今日だ」と思った
何がどうというわけでもなくそう思った

娘のやわすぎる髪を編んでいるときも
国道沿いを走らせているときも
誘導灯をぐるぐる回しているときも
それは強く あった

しかしそのままに一日が終わり
ただ予感だけが強い香りのように
生活へ撒かれ溶けただけだった

10/21/2025, 9:02:23 AM

中学のとき、私を見下してたであろう同級生に
「友だち何人おるん?笑」と訊かれたことがあって
当時は素直に傷ついたんだけど、
この歳になっても友だちでいてくれる人たちを
改めて数えてみるとすごく上出来な人生じゃんと思う

10/18/2025, 1:09:44 PM

腹を空かせたキツネが霧濃い山中を歩いていると
山の神と出会った

散歩中らしい山の神は
うっすらと光りを放ちながら袖を伸ばし
霧に濡れたキツネの毛皮を拭い
これまたうっすらと光を放ちながら去っていく

また濡れるのになあとキツネは思いながら
山の神が去った跡に生えてきたきのこを鼻先で押した

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