『君と一緒に』
『冬晴れ』
『日の出』
暗雲が立ち込める
暗澹たる世界
気力は抜かれ
体に力は入らず
しかし、片手一つで気晴らしに
身を任せることは容易い
時間を無駄にした気にならずに済むし、
一時的に、重苦しい空気から解放される
だけど、解放は長続きはしないし、
心のどこかに虚しさは抱えたままだ
解放されていた分、
戻ってきた時に、息苦しさが
一層強まることだってある
見て見ぬふりをしただけで
何にも、世界は変わってないんだ
内側は見て見ぬふりばかりで
外の世界に、答えを求め続けている
でも本当は、違うんだ
外の世界を見るときの景色は
内側によって決まる
心の内側に
太陽を昇らせなければ
世界は永遠に暗闇のままだ
美しいと評価されてる景色を見ても
何にも感じられないのは
内側を野放しにしているからだ
無気力の壁に押しつぶされているのは
内側の存在を否定しているからだ
心に日の出を見つけよう
心に太陽を昇らせれば
外の世界の景色は
以前と違って見える
今日も、心の中に
日の出を見出そう
新しい世界を
目に焼き付けられるように
私が私の生命に飽きないように
『新年』
年に一度、去年との区切りを付け
生まれ変わったような気持ちで
新たに生活を始められるような
特別な空気に包まれた1日の今日
新年、あけましておめでとう
「今年こそ、今年こそ」と
年を改めるのと同時に
自然と、自分の心もあらたまる
でも、毎年毎年、同じようなところで
とどまっているなとも感じてる
形式的、形骸化した“今年こそ”
それでも、と思う
形骸化した“今年こそ”だとしても
新年に
気持ちを新たに、決意を心に掲げることを
私はやめられない。やめたくない
猫背の姿勢を、ピンと伸ばして改めるように
1日の中で、ふとした瞬間に
新年の“今年こそ”を
思い出すぞ
背筋を伸ばしては
今年こそ
2025年こそ
令和7年こそ
と、新年の決意を
頭の中から取り出して
心のなかに染み込ませるんだ
『良いお年を』
弾き出されて
隔絶された世界を
ぼんやりと見つめてる
憧れとも違う
ただ、感情がなくなってしまうことが
とてつもなく 恐ろしい
私が 人間である証は なんだ?
世界から隔絶されても
時間は共有されてる
同じ時間を生きている
リアルがない
どこか他人事
たしかに他人だけど
そのくせ、突然、発作のように
なぜ?なぜ?と
あの子と私の差の原因を突き止めたくなる
同じ幸せなんて
一つも存在しないのに
同じじゃないことへの
恐怖の崖が高く聳える
外の世界をリアルに感じられない
それ以上に多分、
自分の生命をリアルに
感じられていないんだ
だから、全部この世界は幻想
世界からどんなに隔絶されても
時間だけは等しく進む
新しい年は、1人ももれなく
生きているひとりひとりに訪れる
“良いお年を”
今年こそ
幻想で終わらせてたまるか
自分の生命を
リアルに感じられるように
できることを
ひとつひとつ
私の体温、息づかい、心臓の鼓動
静かに、研ぎ澄まして
感じ取ろう
今、この瞬間を生きている私を
そのとき、隔絶された世界が、
一瞬、地続きになる
『良いお年を』
具体的な誰か1人に。
今、この世界を生きているすべての人に。
心の中で願えた時、
私が人間であることを
自分自身に証明できた気がする