木弓るん

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5/27/2023, 10:38:44 AM

天国と地獄

「白の門と黒の門、どちらを通るか?」

門番は、それだけを口にする。

門番は、その先に何が待っているのかを知らない。
ただ仕事として淡々と訪れた者に選ばせる。

皆一様に白の門を選んで通っていく。
それが何を意味しているのか、わかっているのか。

だから

「黒の門に行きます」

そんな言葉を聞いて、少しだけ動揺したものだ。

「私は罪を犯しました。きっと、そちらの門は私を受け入れてはくれないでしょう」

決意の眼差し。

何故?

だが、自分はたかが門番。
そんなことを聞いていい存在ではないのだ。

「ならば、行くがよい」

軋む音を立てて、黒い門が開く。
その者はまっすぐと、しっかりとした足取りで門をくぐる。

「幸運があらんことを…」

聞こえないように、そっと呟く。
聞こえてしまったのか、一瞬だけ足が止まった。
だが、その者は振り返ることなく、門の向こうへと消えていった。

果たして、その先に待つものは本当に地獄なのか。

答えはきっと、門の先に行った者にしかわからない。

5/26/2023, 10:37:40 AM

月に願いを

見上げる夜空に白銀の燐光。
冷え切った空気に、その光は凛と浮かび上がっていて。
見つめているうちに、吸い込まれてしまいそう。

こんな日和なら、受け入れてくれるだろうか。

ゆっくりと、前へ踏み出す。
全ての哀しみを棄てて。
ただただ美しい世界へ行きたい。

月と、ひとつになりたい。

この闇に身を投げ出して、全てを委ねる。
冷たく綺麗な光に照らされて、
私は生まれ変わりたい…

5/25/2023, 10:47:49 AM

いつまでも降り止まない、雨

暗闇の中、ただただ雨音だけが鳴り続けていた。

どうしてこんなことになってしまったのだろう。
これから、どうすればいいのだろう。

濡れて冷え切った身体は、もう何も感じなくて。
もう何も、考えたくなかった。

誰かたすけて…

そう思っても、誰にも見つけてもらうことすら叶わず。
何も変わらない。

ここから、永遠に抜け出せない…

5/24/2023, 10:39:08 AM

あの頃の不安だった私へ

ひとり見上げた空はどこまでも遠く、青く。
吹く風は心地良く通り抜けていく。

今だって、不安がない訳ではないけれど
ちゃんと夜は明けるし、
私は今も、生きている。